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2018年1月3日水曜日

ダヤック・イバン族、ソウルボート

今年最初の品紹介は、久々にプリミティヴなものです。当店を開店した頃のブログで、私は元々、現代美術やプリミティブ・アートのコレクターであったと書きましたが、今年は初心に戻り、その辺の品揃えもしたいと考えています。日本、特に関西では、それらのコレクターがなかなか存在しませんが、私なりに素敵なものを紹介していくつもりです。

私のコレクションは、現代美術から始まったのですが、ある日、アフリカのマスクやフィギュアと出会い、興味がそちらの方へ移っていきました。何故かと言いますと、それらのものは、売るためや出来栄えを競うものではなく、宗教的な意味合いがあったり自分達で使う道具等、純粋な製作物だったからです。各々の作家の思想は純粋でも、いざ作るとなると変に欲が入り作為的になってしまう、昔から多くの芸術家にそんな葛藤があり、ピカソやマティスをはじめとする巨匠達がプリミティヴな世界に憧れを持ったことが理解できます。



かなり前にも、カリマンタンに住むダヤック族のソウルボートをブログで紹介しましたが、今回はタイプの違うものです。彼等のソウルボートは、単なる造形物ではなく、先祖の魂が良い方向へ向かって欲しいという願いを込めた、リチュアルなものなのです。このボートは私がコレクター時代に購入したもので、海外生活を送っていた時期に我家を訪れたフィリップ・ペルティエ(当時は、パリにあったフランスの国立アフリカ・オセアニア美術館、現在はケ・ブランリ美術館の学芸員)が、部屋に飾ってあったこのボートを気に入ったようで、家に来てから帰るまで、何回も、これは美しいと言っていました。彼はオセアニア担当だったので、現地での研究期間中にいくらでも良いものが手に入るじゃないかと言うと、フランスの法律で、国立美術館や博物館の学芸員は、個人として研究対象物の入手を禁じられていると話してくれました。日本では、そんな法律はないのでしょうが、確かに、研究者にコレクター癖があれば、美術館より良いものを手にできますものね。
写真は、ボートを机の上に置けば全体像が見えにくいので、台に乗せて撮りました。長さは67.8cmです。