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2013年9月19日木曜日

企画展 『祈りのカタチ』

アフリカのフィギュア


随分前に手に入れた、ブルキナファソの小さなフィギュア2体です。若い方の多くはご存知ないでしょうが、1984年まで、現在のブルキナファソはアッパーボルタという国名でした。私のコレクション歴は30年近くになりますが、最初は現代美術から始まり、その後、アフリカのプリミティヴなものに移っていきました。アーティストは作品を作って売らなければ生活ができません。しかし、こういったプリミティヴなものは、生活に根ざした宗教観の下、販売する為に作られたものではありませんでした。現代人が抱く様々な欲が移入されていない、純粋性に魅かれていったのです。



”PRIMITIVISM" IN 20TH CENTURY ART

本の紹介を致します。1984年にニューヨーク近代美術館(MOMA)から刊行された2冊組の本ですが、タイトルは上記したもので、内容は20世紀を代表する多くのアーティストが、アフリカやオセアニア及びその他の地域のプリミティヴな作品からいかに影響を受けたかということを検証したものです。特に私は、現代美術からプリミティヴなものに興味が移行したこともあり、80年代後半にこの本を購入しましたが、プリミティヴな世界で生きる人達は流行でもの作りをしていたわけではありませんし、今読み返しても彼等の作った造形美に感心してしまいます。私が感動するぐらいですから、20世紀の巨匠達はさぞかし魅了されたことでしょう。現在、この本の購入が可能かどうかインターネットで調べましたが、まだ買えるようです。私の持っている本は初版のハードカバーのものですが、二版目からはソフトカバーになったので、中古本なら8,000円台からありました。内容とボリュームから考えると、その値段は安いと思います。
余談になりますが、時々、世界は狭いなあと思う経験をします。私が海外に住んでいた時期、その国ではアート・ビエンナーレが行われていて、1997年にその審査員として、海外から3名、ローカルで2名選ばれたのですが、私も、友人である文化大臣のアドバイザーからローカルの審査員にと依頼がありました。その海外から招待された内の一人が、今紹介しました本の中でオセアニアを担当したフランス人のPhilippe PELTIERだったのです。その後、彼からパリで開催された展覧会への招待をいただいたりしましたが、一度も行けなかったことが心残りです。