現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

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2025年10月28日火曜日

青銅皿



今日の品紹介は、中国、殷〜周代の青銅皿です。無疵で、安定したサビに覆われており、見辛いのですが、二つの魚文が陽刻されています。食器として造られたのでしょうが、とにかくシックな佇まいです。直径16.9cm
 

2025年10月21日火曜日

安南青磁茶碗


1600年代後期に造られた、小振りの安南青磁茶碗です。細かな貫入が全体に入り、良い景色を醸し出しています。無疵で、四方桟の組箱に収まっていました。口径12cm、高さ6.7cm


これは見込の画像ですが、底には釉溜まりがあります。口縁にホツのような部分が見えますが、釉薬が掛かっており、焼成前の凹みのようです。江戸時代の日本では、安南茶碗の素朴な姿が茶人に好まれ、多くが輸入されたようですが、生産地のベトナムでは雑器として使われていたので、完璧な仕上げにはこだわらなかったのでしょう。

2025年10月14日火曜日

チベタンベル



チベット密教で使用される多くのベルは、シンバルのように対であるのですが、今回紹介しますものは、白銅製の本体に振って鳴らすための布帯が付けられています。ベルの中には石かやきものがぶら下がり、実際に振ると甲高い素敵な音がします。ベルや帯の古色からすると、100年以上前のものでしょう。ベルの直径11.8cm

 

2025年10月7日火曜日

美濃小皿

今日は、疵ものながら魅力ある表情の美濃小皿を2点紹介致します。
先日の企画展で並べたのですが、残念ながら残っておりました。


まずは室町初期に造られた皿で、見込中央にある窯疵が埋められています。私はルーチョ・フォンタナが好きだったので、このようにスリットの入ったものに惹かれるのかも知れません。全体の色バランスも良く、数寄者好みの一品でしょう。直径11cm


こちらは桃山〜江戸初期の緑釉皿で、かなり昔に欠けた部分が漆直しされています。長年の使用で、その修理部分が擦れてマットな魅力ある色に変わり、緑釉とマッチしています。修理された部分が気に入らなければ修理し直すのですが、その部分に魅力を感じれば、手を加えません。直径13.8cm

2025年10月5日日曜日

企画展 『アバタがエクボ』

本日で今回の企画展が終了しました。
ご来店いただいたみなさま、そして品を購入していただいたみなさまに感謝申し上げます。
どうも有難うございました。
明後日からは通常営業に戻りますので、またよろしくお願い致します。



2025年10月2日木曜日

企画展 『アバタがエクボ』

今回の企画展も、今日を含め残り4日間となりました。ご興味のある方はどうぞお越し下さい。


今日は、オルドスの品を2点紹介致します。


オルドスの遺物ではオブジェが多いのですが、これは銅造中壺です。造られた当初は耳や袴が取り付けられていたようですが、どちらも欠損しています。ただ、このように花器として使うなら、付属品のないシンプルな姿の方が良いのではないかと思います。口縁には輪花の加工が施され、たっぷりと付いた古色の中に金彩がかなり残っています。胴径19.8cm、高さ14.5cm


これが私には犬のように見えるのですが、鹿が座ったブロンズ像とのことです。フォルムが良く抜けも良し、腹部が少々腐食しているものの、両耳や尻尾がしっかりと残り、かなり良い状態です。オルドスの動物像は極小のものが多いのですが、これ位の大きさがあれば、オブジェとして飾っても存在感があるでしょう。全長6.9cm、高さ5cm

2025年9月28日日曜日

企画展 『アバタがエクボ』

今日は、海上がりの陶器を4点紹介致します。


中国近海で上がった、漢代緑釉壺です。肩が張り、底に向かって窄んでいる力強いフォルムが素敵です。ただ、この画像では見えないのですが、口縁の一部に欠けがございます。胴径16.8cm、高さ12.7cm


次に、トルコのマルマラ海 (東アジアとヨーロッパの間にある内海) で上がった12c頃のビザンチン陶器を3点紹介しますが、似通ったものが他にもございます。全てが良い状態を保っているのですが、長期間海中にあったために、貝殻が付着しています。


子供が描いたのかと思われるような、可愛い鳥の文様が施されています。最初から釉薬が掛けられていなかったのではないかと思われます。直径25.3cm、高さ8.6cm


全体に釉薬が掛けられ、中心に幾何学的な文様が施されています。直径27cm、高さ10cm


小さめの鉢で、無釉、やはり中心に幾何学的な文様があります。直径20.5cm、高さ8cm

2025年9月25日木曜日

企画展 『アバタがエクボ』

今日は、額装したコプト裂を4点紹介致します。
1点目は入手した額そのままですが、2点目以降は、入れてあった額があまりにも酷かったので新しいものに入れ替えました。

画像の下が、それぞれのフレーム・サイズ (縦 x 横) です。


49.6 x 25.5cm

31.1 x 40.2cm

36.7 x 36.7cm

54 x 42.5cm

2025年9月22日月曜日

企画展 『アバタがエクボ』

2025年9月23日(火) - 10月5日(日)  12:00 - 18:00   会期中の休店日: 9月29日(月)


いよいよ明日から今回の企画展の開始です。ご興味のある方のご来店をお待ちしております。よろしくお願い致します。
なお、いつもの企画展と同様に、二つの棚は常設として残しております。


今日は、李朝ものを3点紹介致します。花器として造られたものではありませんが、花を生けて撮影しました。使い方はお買い上げいただく方にお任せしましょう。


珍品の把手付容器ですが、ボディは銅造で、その上を紙縒で覆って仕上げています。おまけに、口縁部には鉄造の輪を取付け、その錆びた鉄と古色のたっぷりと付いた紙縒が風情良く調和しています。細い把手が付けられていますが、どのように使われたかは不明です。胴径17.2cm、高さ14.7cm (金具を含まず)


こちらは李朝中期頃の白磁小壺です。塩や食材を入れるための容器だったのでしょう。梅花皮状の肌が荒々しい表情に仕上がっています。胴径9.4cm、高さ7.3cm


白磁極小瓶ですが、かなり小さいので明器だったのかもしれません。高台に小さなホツと、下部に釉ハゲがありますが、細かな貫入が全体に入り、雨漏りの景色が素敵です。これはやはり花器にピッタリでしょうね。李朝前期のものです。高さ7.1cm

2025年9月20日土曜日

企画展 『アバタがエクボ』

今日は、頭部残欠を紹介致します。数点をまとめて写した画像がありますが、販売は1点ずつです。


左から                   ハッダストゥッコ仏頭
                      漢代陶俑頭部
                      北斉白玉仏頭


                  全て雛人形頭部


                  ビルマからくり人形頭部

2025年9月16日火曜日

企画展 『アバタがエクボ』

今日は陶器を5点紹介致します。


BC4cのギリシャ、ウインドホース皿です。欠けはなく、目立たないニュウが二ヶ所ありますが、この状態なら無疵と表示する同業者もあるでしょう。色使い、風合い共に絶妙です。この手の皿は祭祀用だったのかもしれません。箱には表示の紙が二ヶ所に貼ってありますが、筆跡が違うので、以前の所有者が複数存在したようです。直径24.5cm、把手間28.7cm、高さ2.9cm


江戸中期の絵唐津大皿です。よく使われたのでしょう、程良いシミが出て景色良しです。隅の方に描かれたのは竹なのか草なのか、とにかく作為を感じさせない上品な絵です。ホツが二ヶ所あるのですが、どちらも口縁下にあるため、上からの眺めでは目立たなく、銀直しされています。直径29.3cm、高さ5.9cm


江戸後期の瀬戸螺旋徳利です。特に疵けはないのですが、ご覧の通り、歪に凹んだ部分があり、それが景色となっています。
高さ22.3cm


桃山〜江戸初期の黒唐津小徳利です。首は直されていますが、フォルム良く、釉薬の垂れ方も素敵です。また、容量が200ccですから、徳利としてはベストサイズでしょう。胴径8.1cm、高さ11.1cm


江戸中期頃の瀬戸中鉢です。僅かなホツと細いニュウが何本かあり、随分前に金直しされたようですが、描かれた絵がヘタウマで、器全体にシミや雨漏りが見受けられます。建水として使用されたのかもしれませんが、菓子鉢や果物入れとして使えるでしょう。勿論、水漏れはございません。下に、見込の画像を載せますが、まるで李朝の刷毛目のような景色です。高台にも、たっぷりと古色が付いています。胴径19.4cm、高さ10.8cm


2025年9月12日金曜日

企画展 『アバタがエクボ』

今日は、信仰ものを3点紹介致します。


19c以前のキリスト磔刑像です。クロスも腕も失くなっていますが、存在感たっぷりです。
像の高さ33cm、板のサイズ48x20cm


江戸時代の吉祥天です。腕が捥げ、光輪にもダメージがありますが、色落ちした古色や朽ち方が素敵です。高さ15cm


江戸時代の朽ちた大黒像です。下半身に虫食いがあったものの、可愛らしい顔は健在です。高さ12.4cm (台付)

2025年9月8日月曜日

企画展 『アバタがエグボ』

今日は、金属製の花器を3点紹介致します。全てが落とし付きです。


珍しい形の鉄造花器で、細い胴に鉛の輪が回され、より引き締まって見えます。錆びた鉄に腐食した部分が、侘び寂び観をたっぷりと感じさせてくれます。高さ19.9cm


こちらも腐食した鉄造の掛花入です。造られてからかなりの年月が経過しているようで、新しく錆びた鉄造のものよりも趣があります。自立しますので、掛花ではなく卓上や床に置く花器としても使用できます。胴径5.4cm、高さ19cm


全体に塗装されているので、素材がはっきりとは分からなかったのですが、造りから見てアルミ缶を加工した現代ものの掛花入でしょう。アーティストが造ったのか、裏側には環を取り付けて、なかなか洒落た花器です。高さ12.4cm

2025年9月4日木曜日

企画展 『アバタがエクボ』

今日は、伊万里の染付を2点紹介致します。どちらにも直しが施されていたのですが、古い直しであったり、金がほとんど剥がれていたりしたので、錫で修理し直しました。私は、染付に金直しを好まないのです。


これは初期伊万里の蝶紋中皿です。3ヶ所が割れていたものの、パーツがあったために上手く直されています。
直径15.4x14.3cm、高さ3.6cm


こちらは、蕎麦猪口の初期で、歪み具合や素朴な絵付を見ていると、まるで初期伊万里のようです。1600年代後半の作で、蕎麦猪口の中で最も初期に造られたものです。日本酒が似合いそうですね。口径7.5x6.6cm、高さ6.1cm

2025年8月31日日曜日

企画展 『アバタがエクボ』

今日は、土偶を3点紹介致します。


ナイジェリアで発掘されたノク土偶です。ノク文化の詳細はまだ解明されていない部分が多いようですが、発掘された土偶の鑑定ではBC10~5c頃に造られたとされています。ノクの土偶には完品がほとんどなく、状態の悪いものが多い中で、今回出展するものは、側面に穴が開いているものの、それ以外にダメージのないグッド・コンディションです。高さ24.7cm


プレコロンビアの顔面土偶です。以前にもプレコロンビアの土偶を紹介したことがありますが、これは紀元前のものでしょう。これが壁面から剥がされたものか、像の残欠なのかは不明です。ただ、顔面全体が上手く残っていて、それもなかなか愛嬌のある表情をしています。頭頂部から頸部下までの長さは9.8cmです。


レバノンで発掘されたテラコッタで、どうやらアルマジロのようです。現地の同業者が自宅でコレクションしていたもので、彼の父親は考古学者でしたが、このような像は初めて見たそうです。中に石が入っているようで、振ると音がし、子供のおもちゃではなかったのかと、その業者は話していました。フェニキア時代、4000年程前のものです。全長7.3cm、高さ4.8cm

2025年8月28日木曜日

企画展 『アバタがエクボ』

2025年9月23日(火) - 10月5日(日)  12:00 - 18:00   会期中の休店日: 9月29日(月)


上記の日程で企画展を開催致します

当店では疵ものをほとんど扱わないのですが、難点があっても魅力を感じる品は入手しておりました。今回の企画展は、そのような品々の展示販売です。発掘や海上がり・川上がりの陶磁器、祈りの対象物、朽ちたオブジェ等、100点以上を出展致します。
あくまでも魅力がある品ということで、タイトルは『アバタもエクボ』ではなく、『アバタがエクボ』としました。
ご興味ある方の、ご来店をお待ちしております。

企画展終了まで、いくつかの出展品をこのブログで紹介していきますので、どうぞご覧下さい。 



2025年8月26日火曜日

ヤマーンタカ



先週に引き続き、今日もチベットものの紹介です。これは、梵名でヤマーンタカと呼ばれる大威徳明王像で、水牛に乗っています。五大明王の一員として西方を守護する役目を持ち、チベットの最大宗派であるゲルク派では、重要な本尊とされているそうです。
仏像本体と光背全てが銅造で、裏側にはいくつかの梵字が刻まれています。造られてから200年程度は経っているでしょう。
高さ13.9cm
 

2025年8月19日火曜日

マニコロ

この猛暑がいつまで続くのだろうと、暑さにウンザリする毎日ですが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか。
当店は長い夏休みが終わり、今日から営業を再開しますので、またよろしくお願い致します。



今日の品紹介は、日本ではマニ車と呼ばれるチベットの仏具です。インターネットでマニ車を検索すると、山のようにたくさんの品が出ていますが、古いものはほぼなし。今回紹介しますマニ車は、実際にチベットで使われた個人用のもので、中には古い経典が残っています。

 

2025年8月9日土曜日

2025年 夏季休暇


先日お知らせしました通り、明日8月10日(日)より8月18日(月)までの9日間を夏季休暇とさせていただきますので、よろしくお願い致します。

酷暑が続いておりますので、自己管理を十分に行い、健やかなお盆をお過ごし下さい。



2025年8月5日火曜日

李朝黄銅蝋燭台



今日の品紹介は、李朝黄銅蝋燭台ですが、土台が卍型になっています
。油を使って火を灯す李朝の燭台は数多く、当店でも何点か扱いましたが、蝋燭の台は初めて入手しました。高さ5.7cm、卍の土台4.8x4.8cm
 

2025年7月29日火曜日

チビリチビリと



一人でお酒を楽しめそうな、一合徳利を入手しました。京焼で意匠良く、たっぷりと付いた古色からすると、100年以上の古さがありそうです。小さな徳利なので、それに合う盃がないかと探してみると、以前から持っているものがぴったり。信楽の白釉掛けで、これも古色から見て、大正〜昭和初期のものでしょう。
徳利: 高さ14cm、容量200cc弱   盃: 口径6.1cm、高さ2.5cm
 

2025年7月24日木曜日

夏休み


当店は、8月10日(日)より8月18日(月)までの9日間、お休みさせていただきます。

なお、私は混雑を嫌うために、その期間は家でゆっくりとしておりますので、もし帰省等で当店にお立ち寄りいただける方がいらっしゃいましたら、事前にご連絡下さい。
よろしくお願い致します。

2025年7月22日火曜日

ネパール木彫

今日は、ネパールに住む山岳民族の木彫を2点紹介致します。


ネパールでは今でもシャーマンが存在するように、土着のプリミティヴな宗教と仏教が結びつき、独特の宗教観が存在します。この木彫は人間か猿の坐像のようですが、やはり宗教的な意味合いがあるのでしょう。ネパールはチベットと接しているので、猿の可能性があり、この可愛らしい姿を見ているとほっこりします。高さ15cm


こちらも坐像ですが、二人が背を向けて台の上に乗っかっています。台は歪な造りなのですが、形状からして壺等の蓋だったのではないかと思われます。オブジェとして飾るのに違和感はございません。長径9.7cm、高さ8.5cm
 

2025年7月15日火曜日

戦国の世に花を



中国、春秋戦国時代 (2500年以上前) の青銅把手付杯です。現在のコップに通じるフォルムですが、これは上級兵士の携帯用杯だったそうです。まあ当時の青銅器は貴重で誰でもが所持できるものではなかったでしょう。たっぷりと付いた緑青のパティーナが美しいです。無疵ですが、落としを入れて花を生けました。胴径9.5cm、高さ9.5cm

 

2025年7月9日水曜日

Francis Higby

先週のブログで "rest in peace" のタイトルと画像を掲載しましたが、それは、私が過去に住んでいたセイシェルで最も仲の良かった友人のドローイングです。掲載した前日、その彼が亡くなったと、他の友人から連絡があったのです。私のプライベート・マターなので、そこでは何の説明もしなかったのですが、彼はセイシェルの住人の中で、現代美術に関して最も造詣の深い人でした。
私のブログで、友人から貰ったものだと、Joseph BeuysとGuglielmo Achille Cavelliniのカード等を紹介したことがありますが、その友人というのが、今回亡くなったFrancis Higbyでした。若き頃の彼はアーティストで、元はイギリス出身ですが、ドイツに住んでいた頃もあり、多くのアーティストと繋がりがあったようです。ただ、ひょんなことからセイシェルに住むようになり、そこでは作家としてではなく、国の文化省で働いていました。家にいる時は、コツコツと好きなドローイングやコラージュを制作して楽しんでいたものの、私以外の人にはほとんど見せることもなく暮らしていました。Francis自身は葬儀をしないでくれと言い残したそうですが、彼の死を連絡してくれた友人は、彼と親しかった仲間達だけでも集まってイベントをするそうで、私に何かメッセージを欲しいと依頼があり、彼から貰った作品や印刷物の画像と文章を用意して送ったところです。

セイシェルを紹介するブログで、初回は昔の墓地の画像でしたが、二回目は、親友の遺物の写真になってしまいました。彼は、ポストカードサイズの作品を200点以上制作しており、25年程前にそれらの中から私の好みで選んで頂いたのが、下の画像のものです。画像中、下の段の中央が、若き日の彼の姿です。

ちなみに、Beuysは晩年にセイシェルを訪れ、その自然との関係をテーマとした本『Diary of Seychelles』が出版されています。私は随分前に買いましたが、今、Amazonで調べると1冊 (US$130) だけ残っていました。英文ですが、ご興味のある方はお早めにどうぞ。