Pustaha (プスタハ)
今日は文化の日です。それぞれの民族が持つ文化を尊重し、お互いを思いやって平和に過ごしたいものです。
2016年のブログで、『文字の博覧会』という展覧会に行った後の感想文を書きましたが、その会場でもプスタハが展示されていたのかも知れません。そこでの展示物全てが、京都で印刷業を営んでいらっしゃった故中西亮さんの集められたもので、情熱を持って収集された姿に頭が下がります。
私は若い頃、プリミティヴ・アートのコレクターでしたが、インドネシアのものは全て海外で購入したので、まさかこのような古文書を日本で入手できるとは思っていませんでした。
この本が日本へ持ち込まれた際、東京税関時報 (昭和51年7月25日付) に載せられた記事が下のものです。今から丁度50年前ですね。全文をそのママ記載します。
木の皮の書籍
6月23日、インドネシアから700~800年前の木の皮で作られた珍本3冊が輸入されました。
この本は、ジャバラ式になっており、裏表にビッシリ文字や人物等のさし絵が、赤、白、黒の絵具を使い描かれています。
保存がよかったせいか、今日に至るまで虫喰いもせず原型をとどめていますが、残念ながらなんの木の皮か不明です。
輸入者の説明によると、この本は13世紀頃、北スマトラに独自の文化を築いたといわれるバタック族という優れた民族が残したものだそうです。
内容は、当時の天候 (天文学) 、農耕、医学、薬学などが記載されているとのことですが、すべてバタック語のためチンプンカンプン。
輸入者はインドネシアで材木などを扱う商社の人で、民族研究家から依頼され輸入したとのこと。
ちなみに、バタック語をほん訳できる人は、日本でただ1人、大阪に在住しているそうです。
豆知識 バタック族
バタック族とは、インドネシア・スマトラ島の北部にあるトバ湖の周辺に居住する原マライ人に属する種族で、人口100万人といわれています。
元来、インドネシアの人々の祖先は、紀元前1,500~1,000年に大陸から移動してきた集団で、本質的にはインドシナ半島及び南シナの人種と同じマライ人ですが、これは原マライ人 (バタック族やボルネオ島のダイヤック族など) と新マライ人、ジャワ人、バリー人などに分けられます。
原マライ人は新マライ人によって島の奥地の山中に追いやられ、そこで古い生活様式や固有の文化、儀礼を守ってきました。
バタック族は、固有の言語、文字、暦などをもち、原始宗教としてのマニミズム (アニミズムの間違いであろう) 、自然崇拝、祖先崇敬などの固有のバタック文化を受けついで生活していますが、20世紀に入っても食人の習俗 (現在はない) が行われていることは有名です。
下に、この本の画像をいくつか掲載します。










