現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

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2017年8月30日水曜日

見立て文具

先週は鉄製の見立て花器を紹介しましたが、今週も鉄で作られたものを2点紹介致します。見立ての文具として使用するというのはいかがでしょうか。


刃の部分だけではなく、柄も鉄製の小柄(こづか)です。小柄とは、脇差の外側に仕込む小刀で、主な使用目的は、木等を削ることだったようです。柄の部分には、銅、真鍮、銀で象嵌が施されており、これをペーパーナイフとして使うって、なかなか粋だと思います。江戸期のもので、長さは21.5cmです。


こちらは、直径5.5cmの鉄球です。鉄味の良いものにはすぐ目が行き、買ってしまいます。ちょっと歪で、疵があるところに魅かれました。重量があるので、ペーパーウェイトに最適かと・・・。こんなもの、工業製品としては作らないでしょうから、大筒の弾だったのではないでしょうか。

2017年8月23日水曜日

鉄製花器



錆の安定した鉄味の良い花器です。色が黒っぽいので画像では分かり辛いでしょうが、胴は捻ったしのぎになっています。花器といっても見立てのもので、ひょっとすると、元は砲弾だったのかもしれません。鉄の厚みがあり、ずっしりと思いです。高さ11.5cm



『奈良西大寺展』   あべのハルカス美術館  7月29日 ~ 9月24日

現在、ハルカス美術館で上記の展覧会が開かれていて、私も先日の日曜日に観てきました。百貨店内の美術館なのでスペースとしてはさほど大きくないのですが、国宝・重要文化財に指定されている遺物も多く展示されていて、結構楽しめました。昔の西大寺は規模が大きかったものの、だんだんと縮小されて、遺物は西大寺門下の寺院に散らばっていますので、それらをまとめて観るには良い機会だったと思います。招待券が数枚残っています。

2017年8月18日金曜日

謂われのない圧力の中で  ーある教科書の認定についてー   和田孫博

灘中学校の歴史教科書を、「学び舎」のものに選定したことに対し、自民党の、国会議員と兵庫県会議員から、なぜそんな選択をしたのかという問い合わせがあった後、相当数の嫌がらせが届いたそうです。その件に関し、灘校の和田孫博校長が書いた文章が、インターネット上で話題となっています。みなさんがどのようにお考えになるか、どうぞその文章をお読みください。

toi.oups.ac.jp/16-2wada.pdf

和田校長は、私の小学校時代からの友人で、私の息子がそこでお世話になっていたこともあり、時々、飲食を共にし、お互いの私見を述べ合った仲です。著名校の校長という立場もあり、公には政治的な発言をしないだろうと思っていましたが、今回の文章には、誠実な人間としての勇気を感じます。

2017年8月17日木曜日

赤絵香合

今年のお盆も昨日で終わりました。当店は本日から営業を再開しますので、またよろしくお願い致します。



今日の品紹介は、明代後期の天啓赤絵香合です。花の種類は分かりませんが、色鮮やかに描かれています。嬉しいことに、状態は、僅かな磁貫があるのみで、虫食い以外の疵はございません。このような古い箱に収まっていましたが、紐がボロボロだったので、他の古紐に付け替えました。サイズは、縦横共5.5cm、高さ4.3cmです。

2017年8月15日火曜日

NHKドキュメンタリー 「731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験」

一昨日、上記タイトルのドキュメンタリー番組を観て、驚愕しました。戦時中の中国で、日本軍の731部隊が人体実験を行ったことはもう既に明らかになっていますが、そこに多くのエリート医学者が加わっていたことがその番組で暴かれています。軍人は戦後の裁判で裁かれたものの、そこに関わった医学者は全員罪に問われず、積極的に人体実験を進めた幹部連中は、後に国立大学の主要ポストに就いたとのことです。悪技に加担した者が罪に問われない戦後の日本、そのようなあやふやさが積み重なって、現在の日本社会があるのかと変に納得もしました。南京虐殺で殺害された中国人の数に、そんなに多くはなかったと言い訳する日本人が存在しますが、数だけではなく、ナチス顔負けの蛮行を日本人が犯していた事実を番組では暴き出しています。
8月17日の午前1時から再放送されるそうなので、まだご覧になってない方は、是非ご覧下さい。



『武器輸出と日本企業』  望月衣塑子 著  角川新書 刊

政官財の希望でもあった「武器輸出三原則」の撤廃が現実のものとなってしまいました。日本学術会議は、多くの日本人科学者が戦争に加担した事実を反省し、科学者が兵器開発に関わるべきではないと長年言い続けてきましたが、最近は、研究費捻出等の理由もあり、エリート大学を中心に、日本の防衛省やアメリカ軍の武器開発に協力させられようとしています。上記タイトルの本は、武器開発やその輸出に関わる日本企業や研究者を調査し、1年前に書かれたものです。著者の望月衣塑子氏は、最近、官邸会見で菅官房長官を問い詰める記者として有名になりましたが、二児の母親にもかかわらず、著名なジャーナリスト顔負けの活躍をされています。日本がアメリカのように、軍産複合体が牛耳るような国になっても良いのか、考えさせられる1冊です。

2017年 お盆

墓参のため、13日から今日まで、広島へ行きました。現地でレンタカーを借りたので、昨日は、県内に多く残っている古墳を訪問。その中でも、なかなか良い状態で保存されている唐櫃古墳の写真を撮ってきましたので、紹介致します。


6世紀後半に造られた前方後円墳です。この古墳を訪れようと、現地の人達に場所を尋ねたのですが、知る人なし。大まかな地図を頼りにあちこち車を走らせ、ようやく発見しましたが、ほとんどの人は興味がないのでしょう、訪問者は私以外に0でした。古墳を説明するサインが立っていたので、詳細は下の写真でご覧下さい。





その古墳から僅かに下った所に骨が落ちていたのですが、恐らく人骨でしょう。近辺には古い墓が散らばっていたので、獣が掘り出したのかもしれません。


古墳は、平地から10分程歩いて登った丘の上にあるのですが、そこまでの間にいくつもの古い石仏が点在していました。


古墳巡りの他に、鍾乳洞がある帝釈峡まで行きましたが、私の目的は、その地にある時悠館という博物館を訪れること。帝釈峡では、旧石器時代から近世に至るまでの遺跡が発見され、そこでの発掘品が時悠館に展示されているのですが、鍾乳洞を訪れる人は多いものの、博物館は私以外に一組の家族連れだけでした。私はマイナーな世界にいますなあ。

2017年8月9日水曜日

夏季休暇

残暑お見舞い申し上げます

当店は、明日、8月10日(木)より8月16日(水)まで、夏季休暇とさせていただきます。
みなさまも、どうぞ有意義な盆休みをお過ごし下さい。



2017年8月2日水曜日

シュリーヴィジャヤ菩薩半跏像



あまり見掛けない像ですが、これはインドネシアのスマトラ島で発掘された9〜10c頃の菩薩像です。7〜14世紀頃、スマトラ島をベースに、マレー半島にかけて栄えたシュリーヴィジャヤという港市国家が存在していたのですが、唐僧義浄が滞在したこともあり、大乗仏教が盛んであったようです。これを最初に見た時、鉄製だと思ったのですが実際は銅製で、恐らく作られた時点では鍍金が施されていたのでしょう。武将のように力強い佇まいです。台を含まない高さ10.6cm。