現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

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2019年10月30日水曜日

懸仏



宝冠を被り、恐らく、左手に宝珠、右手には上向きに宝剣を携えていた虚空蔵菩薩でしょう。鍍金は残っていませんが、きりりと引き締まった体躯と、シャープなキャストが魅力の懸仏です。良い顔をされています。像高8.8cm、鎌倉後期頃の作でしょう。

2019年10月29日火曜日

Bauhaus展  at 西宮市大谷記念美術館  12月1日(日)まで

バウハウスが開校して100年目に当たるこの年、西宮市大谷記念美術館では、「きたれ、バウハウス」というタイトルで展覧会が開かれており、私は昨日見てきました。既に行かれた方からは、すごく混んでいたと聞いていたのですが、昨日は月曜日なのでガラガラでした。当店は、日曜・月曜が定休日なので、私としては空いていそうな月曜日に美術館や博物館を訪れたいのですが、ほとんどの施設は月曜定休、ところが大谷美術館は水曜定休なので有難かったです。
私は元々、現代美術に興味があり、30~40年前には、バウハウスで教鞭をとったパウル・クレー、ワシリー・カンディンスキー、モホリー・ナジー等の作品や美術書を頻繁に見ていたのですが、この展覧会では、バウハウスという学校でどのように視覚芸術を教えていたかを詳しく見せてくれる興味深いものでした。展示や説明が分かり易く、入場券も下の写真のようにセンス良いもので、気分良く過ごせました。100年前に、これほど素晴らしい美術学校がありながら、ナチスの台頭で廃校を強いられたことは嘆かわしいことですが、我が国でも、政権が教育のイニシアチブを取ろうとしているわけですから、教育の政治介入には気を付ける必要があるでしょう。
展覧会で一つ驚いたのは、展示物の多くがミサワホームのコレクションだったことですが、その企業イメージとバウハウスにギャップがあると感じたのは、私だけなのでしょうか。



2019年10月24日木曜日

アラブの写真展  at horyuji不二画廊  2019年10月29日(火)~11月10日(日) 月曜日休廊
                      11:00~17:00 (最終日は16:00まで) 

私ごとになりますが、この度、ギャラリーよりお話をいただき、写真展をすることになりました。私は一つのことに集中したい性格なので、現在の仕事がある以上、できませんとお断りしたのですが、どうしてもということで、お引受けした次第です。
私は、アメリカでテロの起こった2001年9.11直後より10年間、アラブでドキュメンタリーの写真を撮っていました。今回の写真展も、アラブの写真でと依頼されましたが、現代美術を扱うギャラリーなので、ヴィジュアル中心の写真で構成します。アラブや写真に興味のある方は、どうぞご覧になって下さい。法隆寺は遠いと思っていらっしゃる方が多いようですが、JR大和路快速に乗ると、大阪駅から僅か39分で法隆寺駅に着きます。私の在廊予定日は、11月3日、10日の日曜日です。
なお、この時期には、法隆寺の秘宝展が開かれますので、普段は公開していない多くの宝物を500円で観ることができます。



2019年10月23日水曜日

李朝堅手徳利



箱には、李朝堅手お預け徳利となっていますが、御本が出てこの形ですから、これは、17~18c頃に、対馬藩が釜山窯で焼かせた徳利でしょう。茶人によって頻繁に使われたようで、雨漏りシミが出て、味わい深い表情をしています。疵は、注ぎ口の両側に僅かな釉剥げがあるだけで、それも、使用頻度が高かったために、酒を注ぐ際、盃に何度も当たってできたものと思われます。土ものですから、使用することにより、まだまだ育っていくでしょう。花器を多く扱っている私としましては、一輪挿しにしたいなと思い、入手した次第です。高さ16.6cm、容量500ml

2019年10月20日日曜日

環境破壊による気候変動

先日は、台風19号が東日本を中心に猛威を振るい、広い範囲で大きな被害を及ぼしました。CO2排出による地球温暖化が叫ばれてから数十年になります。私は、1988年にセイシェル移住を決め、その5年後の1993年にはそれを実現しました。その時点では既に、温暖化で北極・南極の氷が溶け、海水面がどんどん上昇している事実が確認されていたため、セイシェルでの住居は、平地ではなく標高140m程の丘陵地に設けることを決めました。結局、その地に10年半住んだ後、事情もあって日本に戻りましたが、その間に、イギリス人の友人夫婦がビーチサイドに気に入った家を見つけ購入したものの、住み始めて2年後には住宅内に海水が押し寄せるようになり、居住不能になったのです。昨年、私は9年ぶりにセイシェルを訪れ、かつては度々訪れたビーチを確認すると、砂浜の面積が減り、明らかに水面上昇している証拠を目撃しました。それが私の現実です。

先月、ニユーヨークの国連本部で開催された、気候アクションサミット2019で、スウェーデン人のグレタ・トゥンベリさんが、世界各国の環境対策に対する演説を行いましたが、特に日本では、彼女の発言に対する多くの批判が見られました。私自身は、彼女の発言内容は事実であるし、環境破壊を食い止める方法が難しくとも、その対策を取らない限り、自然災害は今以上に大きくなり、遠くない将来、我々人類の滅亡を招くと思っています。
昨日、国際関係論者である夫馬賢治さんが、「現代ビジネス」に、「グレタさん演説のウラで、日本メディアが報じない『ヤバすぎる現実』」という文章を掲載されていますので、是非ご覧になって下さい。自然の猛威に対して、いまだに「国土強靭化」だけを唱える我が国の政治家が正しいのかどうか、それ以前に実行すべき事柄があるのではないか、我々や子孫がこれからも地球上に生かされていくために、一人一人が考えなければならない重大な問題でしょう。人間は、自然の力には勝てないのです。

「現代ビジネス、グレタさん」で検索すれば、文章を読むことができます。どうぞ。

2019年10月16日水曜日

祠に稲荷



土人形のお稲荷さんをどんなお社に入れようかと考え、結局、瓦質の祠を入手。真ん丸の窓から顔を覗かせ、何か、ほんわかとした雰囲気に収まりました。この祠は岡山から出たもので、岡山にはヘビを祀る信仰があり、そのための入れ物だったそうです。明治〜大正時代頃のものでしょうか。

祠の中が暗くて見え辛いので、下に稲荷の画像を載せます。この稲荷は、江戸〜明治時代の今戸焼ですが、東北から出たため、大量の煤を被って味良しです。これを入手するまで知らなかったのですが、今戸焼では、この稲荷を鉄砲狐と呼ぶそうですね。



2019年10月13日日曜日

映画のお知らせ

小杉武久さんの回顧イベントを、8月2日のブログでお知らせしましたが、その上映会では、1960年代に撮影された映像の公開がありました。その映像の監督であった、北村皆雄さんの作品が、大阪、十三にある第七藝術劇場で、10月19日(土)から10月25日(金)まで、長編・短編合わせて5作上映されます。私は、北村監督について全く知らなかったのですが、民族系の映像を長年撮られているそうで、今回は、全てが45年程前に作られた、沖縄地方のドキュメンタリーだそうです。もうすでに途絶えたかもしれない祭祀の場面等が撮影されているようなので、私は是非観たいと思っていますが、ご興味のある方も、ご覧になられたらいかがでしょうか。19日の上映後には監督のレクチャーが行われるそうで、プログラムは、劇場のサイトをご覧になって下さい。

なお、9月に行われた小杉さんのイベントは、コンサート・上映会のチケットが早くから予約で一杯になり、展覧会でも多くの作品が売れて、大成功だったようです。私は、行けなくて残念でしたが。
昨日が、小杉さんの命日でした。ご冥福を!

2019年10月8日火曜日

 瀬戸もの

今日は、瀬戸のやきものを2点紹介致します。どちらも、江戸後期のものです。




鉄釉片口ですが、口径(口を含まず)10.3cm、高さ4.6cmと、珍しく小さなものです。頻繁に酒を注がれたのでしょう、見込はテカテカに光り、逆に高台は、しっかりと古色が付いています。ダメージは、縁の内側にソゲがあるだけで、ニュウもなく、一見無疵に見えます。これが年末まで残っていれば、すでに用意してあるお気に入りの日本酒をチビリチビリとやりながら、正月をゆっくり過ごそうかと思っています。容量150ml





こちらは、直径36cmと大きな石皿ですが、珍しいのは、目跡の部分に呉須が付着しているところです。恐らく、重ね焼きした際、上に乗せたやきものの呉須が垂れたのでしょう。裏は、ご覧の通り、古色たっぷりです。状態は、縁下にソゲがあるのと、僅かなニュウがあるのみで、上からは、縁下のソゲが見えません。お手頃価格です。

2019年10月6日日曜日

企画展 『発掘せしもの』

本日で、今回の企画展も無事に終了致しました。ご来店いただいたみなさま、そして、品を購入していただいたみなさまに感謝申し上げます。どうも有難うございました。

明後日からは通常営業に戻りますので、またよろしくお願い致します。



2019年10月3日木曜日

企画展 『発掘せしもの』

今回の企画展も、今日を含め残り4日間となりました。陶磁器等も多くございますので、ご興味のある方は、ご来店いただけますよう、よろしくお願い致します。


付き合いのある業者がコレクターから、縄文時代の土偶ということで引き取ったものです。私は、縄文の壺は多く扱っていますが、日本の土偶はこれまでに扱ったことがなく、左端の顔面土偶は、中南米のものと似ているなと思ったりするのですが、詳細は不明です。ただ、先史時代のものであることは理解できますし、ヴィジュアルとしては素敵な表情をしています。顔面土偶2点と装飾土器2点が箱に入り、その箱の長さは31cmです。



3〜5c頃のハッダ・ストゥッコです。胸から頭頂部までが残っており、摩耗はありますが、表情としては全体がつかめます。合わせた両手には何を持っていたのでしょう。台を含めた高さ22.5cm