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2017年5月31日水曜日

竹製花器

今日は、竹で作られた花器を2点紹介致します。


竹製花器として紹介しましたが、これは墨筆を入れるための筆筒でした。花が似合うので、最初から花器として作られたのではと思ってしまいます。節と節との間隔が狭いので、孟宗竹ですね。姿が歪で、古色がたっぷりと付き、先月紹介した瓢箪付きの油掬いに相通じる雰囲気があります。高さは18.8cmです。


こちらは花器として作られたもので、竹の太さからみて、やはり孟宗竹でしょう。それ程古くはないのでしょうが、下地が赤漆、その上を黒漆で仕上げ、長期間の使用により、黒い中に所々赤が覗いています。また、竹が斜めに切られていて、おしゃれ感があります。私はあまり洋花を買わないのですが、花屋さんにあったユーカリに魅かれ、それを生けました。直径14.5cm、高さ10.5cmです。

2017年5月28日日曜日

Arab as it is (素顔のアラブ) 41

今回は2009年のチュニジアをカラーで。


                         Chenini, TUNISIA
モノクロ写真でも紹介したことのあるシェニーニだが、この岩山に数百人のベルベル人が住み、彼等の祈りの場として、モスクが設けられている。青天の下、土色の岩山の中で純白のモスクが目を引く。


                      Ksar Ouled Sultane, TUNISIA
ベルベルの人達が、かつて倉庫として利用した建物をゴルファといい、その集合体をクサールと呼ぶ。ここ、クサール・ウレド・スルタンは現存するクサールの中で、最も保存状態が良いそうだ。


                           Douz, TUNISIA
サハラ砂漠への入口であるドゥーズにあった、小さなショップ。現在の日本には、スーパーマーケットやコンビニが至る所にあるが、私の子供の頃は、このような小さなショップがいくつも存在していたことを思い出す。


                          Sahara, TUNISIA
ドゥーズから訪れたサハラ砂漠だが、特に、夕方の砂丘や砂紋が美しい。他の国でも、サハラ砂漠を訪れたことがあるが、いつも不思議に思うのは、車のドライバーが、交通標識のない砂漠で、よくも迷わず、自由自在に運転できるということ。風によって、砂丘の形は常に変化するのだから。


                           Douz, TUNISIA
早朝のコーヒーショップには、地元の男達が常にたむろしている。イスラームを国教とする国では、観光客以外の女性をコーヒーショップで目にすることはない。


                           Douz, TUNISIA
ドゥーズの青空市で商品として繋がれていたラクダ2頭。犬やネコでも毛色が違うように、ラクダにも白いのや茶色のがいる。


                          Kairouan, TUNISIA
カイロウアンの城壁に写ったヤシの影。私はアラブを旅して、爽やか感のある早朝の時間帯が最も好きだ。


                          Kairouan, TUNISIA
写真は、昼間のカイロウアンだが、日本と同じように、集合住宅が存在し、洗濯物が干されている。

2017年5月24日水曜日

仏手

今日は、チベットの観音菩薩仏手を紹介致します。小さいながらも古色が十分に付き、存在感があります。時代を特定するのは難しいですが、少なくとも17~18cはあるでしょう。台を含めた高さ10.5cm、見えている手の長さ5cmです。3方向から写真を撮りました。









2017年5月21日日曜日

野の花

先週は、私の育てたジンリョウユリの写真をアップしましたが、今日は、野の花を生けてみました。野の花は可憐でいいですねえ。私は、買った花より好きです。






2017年5月17日水曜日

伊万里染付盃

今日は、モダーンなデザインの伊万里染付盃を2点紹介致します。


江戸中期に作られた、口径4.7cm、高さ4cmの連子格子文盃です。覗きの短いタイプですから、元はからし等を入れる容器だったのでしょう。口縁の内側に蛤がありますが、金直しされており、外側からはほとんど目立ちません。


こちらは、口径5.5cm、高さ4.8cmの網手文盃です。この形は、元から盃として作られたのでしょう。江戸中期のもので、無疵完好です。江戸後期の網手文覗きも所有しておりますが、網手模様や質感を比較すると、こちらの方がより魅力的です。

2017年5月13日土曜日

ジンリョウユリ



私は花器を多く扱っておりますが、大阪では気に入った枝モノがなかなか見つかりません。そのようなわけで1年半程前から草木を育てるようになり、現在は40鉢以上にもなりました。金はかかるは手間もかかるで、モノさえあれば買った方が安いと思いますが、植物が成長し、美しい花を付けるのだと思うとウキウキ感があります。特に椿が多いのですが、椿の花が咲いても、ある程度大きくなるまでは、枝を切るのに躊躇してしまいます。今週は、多年草であるジンリョウユリ、紫蘭、クレマチスが咲いたので、店で生けました。「花の命は短くて・・・」と詠まれるように、1週間持つか持たない内に枯れてしまう儚さ、まあ、その短さ故に、感動の度合いが濃くなるのでしょう。美しいものを見て感動できるのは幸せなことですね。

2017年5月10日水曜日

牙の掛花



先日の花器展期間中にセイウチの牙を紹介しましたが、再び牙を入手し、中を刳り貫きました。今回のものの方が色が濃く、形もよりシャープです。長さが60cmもあるので、広い壁が必要ですが、このようにドライものを入れると、掛花というよりは現代美術の作品のようになります。

2017年5月3日水曜日

カーネリアン・ネックレス



エルサレムで入手したもので、大小の球形玉を集めてネックレスに仕立てられています。このカーネリアンは鉄器時代(約3000年前)のものですが、交易によって、インド辺りからもたらされたのかもしれません。パレスチナの地は、人類にとって長い歴史を持っていますから、地中には、まだまだ遺跡や遺物が眠っているのでしょう。

憲法記念日

今日は、日本国憲法が施行されて70年目の日になります。今後、その憲法を見直すという考えが、すでに安倍政権から出ていますが、私達日本人は、どれ程憲法の大切さを理解しているのでしょう。安倍首相をはじめ、改憲に意欲を示す人達は、日本国憲法は日本人が作ったものではなく、アメリカが作ったのだと主張しています。確かに、その憲法は最終的にGHQの「憲法制定会議」により形作られました。ただ、マッカーサーは、当時の日本政府に憲法調査を指示しましたが、その政府による改正案は、国民に主権を与えない、明治憲法のマイナーチェンジでした。マッカーサーは、あくまでも日本の民主化を望んでいたのです。アメリカ人の歴史学者であるジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」上下刊に、その当時の状況が分かり易く書かれていますので、是非ともお読み下さい。その本は2001年に刊行されたものですが、ピュリッツァー賞受賞作です。アマゾンで古本を探せば、上下刊2冊でも1,000円以下で買えると思います。

また、改憲に際して、現憲法を戦前の憲法に戻す動きを耳にします。改憲するにしても、誰に委ねるか、どの政権に任せるかが大切です。昨年から、「日本会議」に関する本が何冊も出ていて、私は2冊読みました。その内の1冊、ジャーナリストの青木理著「日本会議の正体」も、現在の政治を検証する上で大変役に立つでしょうから、お勧めです。「森友学園」問題に関わる政治家全員がその日本会議に属しています。

もう1冊、先月刊行されたばかりの本を紹介致します。我が国では、2013年に特定秘密保護法の成立があり、今また、共謀罪の法制化を与党および一部の野党が目指しています。ここで紹介します新刊は、集英社文庫から出された「スノーデン 日本への警告」で、昨年の6月4日に東京大学本郷キャンパスで行われたシンポジウムを中心に書籍化されたものです。メディアの調査によると、回答した半数以上の日本人が共謀罪立法に賛成しているようですが、賛成されたほとんどの方は、その法律の本質を理解されていないのではないでしょうか。本の帯には、スノーデンの言葉として、「無関心と知識の欠如がもたらす脅威に目を向ける必要があります」と書かれ、本文中には、アリストテレスが言った文章が次のように書かれています。「人々が政府のことについてすべてのことを知っていること、これが民主主義だ。政府が多くのことを知っているが人々が政府のことを知らない、これは専制政治である。」

政治家にとってどんな国民が望まれるかですが、勿論、その政治家を支持する人達は重宝されますが、その他の人は、無知な方が、異を唱えられなくて良いわけです。我々、日本国民は政治家の下部(しもべ)ではありません。能天気で暮らせば、政治家のいいなりになってしまいます。国民それぞれが知識を蓄え、見識を豊かにすることが、良い国造りの役に立てるのではないでしょうか。