現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

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2015年4月30日木曜日

丹塗磨研土器


これまで、通称紅陶とよばれる朝鮮の丹塗磨研土器は3点扱ったことがありますが、今回初めて日本の丹塗土器を入手しました。5世紀頃に作られた土師器です。口縁にごく小さなホツと、丹塗が部分的に剥げている以外、ダメージがありません。形も風合いも良く、素朴な野の花を生けると似合いそうです。

2015年4月28日火曜日

Arab as it is (素顔のアラブ) 16

今回は2006年に訪れたレバノンです。その年の7月、イスラエルとレバノンの抵抗組織ヒズブッラーの間で、33日戦争とも呼ばれた第二次レバノン戦争が始まりました。南レバノンその他多くの地域で甚大な被害があり、レバノンでの死者は1,000人近くに上りました。ベイルートのラフィーク・ハリーリ国際空港もイスラエルによる爆撃でダメージを受け、長期間使用不能となりましたが、空港が再開されるとすぐに私もレバノンに飛びました。まずは、レバノン各地の紹介です。


                         Beirut, LEBANON
首都ベイルートの中心部に、キリスト教会とモスクが並んで建っている。モザイク国家と形容されるレバノンには、いくつもの宗教(四大宗派として、キリスト教、スンニ派イスラーム、シーア派イスラーム、ドゥルーズ)が混在し、政治的なせめぎ合いが常にある。


                        Jounieh, LEBANON
ベイルートから車で北へ半時間程行くと、キリスト教徒が多く住むジュニエという洗練された町がある。そこからケーブルカーで丘を登ると、ハリッサという地にキリスト教マロン派の教会があり、大きなマリア像が立っている。1975年から15年間も続いた内戦中には、多くのキリスト教徒がその丘に避難したという。


                           Jbeil, LEBANON
ジュニエから北へ更に15km程行くと、ジュベイル(国外ではビブロスという名で有名)という町がある。ここはフェニキア人の都市国家があったことで有名だが、現在はジュニエと同様にキリスト教徒が多く住む。私が街を散策していると、結婚式を終えたばかりのカップルに遭遇したが、彼等はやはりクリスチャンなので、西洋の式服を着用していた。


                          Tripoli, LEBANON
ジュベイルから更に北、ベイルートから85km程の位置にレバノン第二の都市トリポリがある。旧市街にはマルムーク時代の建造物が多く残り、エキゾチックな雰囲気がする。この写真では、十字軍によって12世紀に建てられたセント・ジル要塞から地中海方面を望む。トリポリにはスンニ派のイスラム教徒が多く住むが、シリアのアサド大統領と同じアラウィ派の人々も居住しているため、最近は両者間の争いが絶えない。


                         Tyre, LEBANON 
レバノン南部の都市ティールもフェニキア人の都市国家だったが、アレキサンダー大王に征服され、フェニキアの建造物は破壊された。そしてローマの建物が造られ、現在はその遺跡が残っている。


                          Baalbek, LEBANON
ベカー高原にレバノンで一番有名なローマ遺跡、バールベックが存在する。そこでは、ジャズ・オペラ・劇等、芸術的なイベントが毎年開催されている。レバノンの南部やベカー高原にはシーア派イスラム教徒が多く住む。
                 

2015年4月23日木曜日

天理大学創立90周年記念展 「ギリシャ考古学の父 シュリーマン」

天理参考館にて、上記の展覧会が先週から開かれているので、日曜日に訪れました。その企画展に関しては、かなり専門的なものだったと同時に、展示物がそれほど多くなかったので、ちょっと物足りなさを感じました。ただ、参考館の規模が国立民族学博物館に比べかなり小さいものの、常設展示物の内容が濃く、見応えがあります。特に、エジプトや中国の考古物はなかなかのものです。天理の近くには歴史のある社寺が多いですし、橿原や飛鳥も遠くないですから、お勧めのスポットです。その界隈は、観光客で混雑する奈良市内と比べると、訪問者がずっと少ないので、のんびりと悠久の歴史を味わえるでしょう。



プレ・コロンビア土偶


今日は、南米、プレ・コロンビアの土偶を紹介致します。プレ・コロンビアの定義は、コロンブスが大陸を発見した1492年以前ということですから、それまでの時代全てが入るようで、この土偶に関しては、先史時代のものと思われます。これを最初に見た時、ハイハイしている赤ん坊の像なのかと思いましたが、乳房が付いていますから、女性像なのですね。現在のようにキリスト教やイスラームが世界に浸透する以前は、土着の部族は独自の宗教観を持っていましたから、やはりこれもそんな宗教的な意味合いがあるようです。発掘ものですから、多少の傷みはありますが、可愛い表情がなかなかいいです。

2015年4月16日木曜日

ペルシャ銀化小鉢

ダメージのほとんどない銀化小鉢です。中央に描かれているのは何でしょうか、花なのかなあ。私にはジョーカーのように見えるのですが。作られたのが10c~13c頃のペルシャですから、果たして道化師が存在していたのかどうか。絵の上に乗った透明釉が銀化しているので、回りの銀化した部分をめくるともっと絵がはっきりと見えるのですが、それは次の所有者の好みにお任せします。


これは横から見た写真ですが、胴全体が美しく銀化しています。恐らく、胴の部分にも輪線や絵が描かれているのでしょうが、これだけ美しく銀化しているので、剥いでしまうのがもったいなく思います。

2015年4月9日木曜日

磁器盃

今日は、手にスッポリと収まる、酒器としてはピッタリ・サイズの磁器盃を2点紹介致します。どちらも、目立った疵はございません。


中国、北宋時代の影青(青白磁)盃です。口径6.5cm、高さ6cmで、胴にうっすらと鳥の羽のような陰刻があります。見込に僅かな磁貫が見られますが、1000年程前の影青盃で、こんなに良い状態のものは稀少でしょう。写真というものは嘘つきですから、この画像では正直な色が出ていませんが、実物はきれいな青白色です。


こちらは、150~200年程前の伊万里白磁盃です。元々は覗きと同じ用途だったのかもしれませんが、すっきりとしたデザインである上、薄手で上品な佇まいです。口径5cm、高さ5.5cmです。

後述: 伊万里ということで仕入れましたが、色の白さといい上品な佇まいといい、平戸かもしれません。

2015年4月5日日曜日

企画展 『花の器 3rd』

今回の企画展も、今日無事に終了致しました。期間中、天候不順でかなり寒い日もありましたが、わざわざご来店いただいたみなさま、また品をご購入していただいた方々、誠に有難うございました。明後日からは、再び通常営業に戻りますので、今後共ご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。



2015年4月2日木曜日

企画展 『花の器 3rd』

今回の企画展も、今日を含め後4日間となりました。花器にご興味のある方は、どうぞお立ち寄り下さい。
さて、今日は琉球の瓶子を2点紹介致します。


これは壺屋の白釉掛け瓶子で、掛分けになっています。珍しい形のようで、制作時に他から飛んだ呉須が僅かに付着し、味わいのある表情になっています。目立った疵はございません。


こちらは、壺屋に三つの窯が統合される前の、涌田瓶子です。通常、こういった瓶子は首が飛んでいたり、何らかのダメージがありますが、これも口縁にソゲがあったものの、上手に直されています。