現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

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2013年12月28日土曜日

2013年、営業最終日

今日で、今年最後の営業を終えました。当店にご来店いただいたみなさま、また品をご購入していただいたみなさま、どうも有難うございました。時が経つのは早いもので、ついこの前に正月を迎えたという気がしますが、後数日でまた新年です。この冬は特に寒く感じますが、どうぞみなさま、風邪にお気をつけ、良い年をお迎え下さい。


2013年12月24日火曜日

多々良 雲助


このやきものは、多々良と書いて「たたろう」と読みます。武雄系唐津の流れを汲む民窯で、桃山時代末期に開窯したそうです。よく見掛ける他の窯の雲助よりも背が低く、腰の据わった野武士を連想させます。

2013年12月19日木曜日

宮古島

現在、当店のショーウインドウには先週のブログで紹介した宮古式土器を飾っているのですが、昨日、たまたま宮古島出身の若者が店に来てくれました。沖縄周辺の離島と沖縄本土では文化が違うことや、宮古島のシャーマニズム等、大変興味深い話を聞くことができました。私は25年以上前からアニミズムに興味がありますので、現在の我が国でもまだ原始の宗教観を持って暮らしていらっしゃる方々が存在することに驚きを持ったのと同時に、一度現地を訪れてみたいとも思いました。最近のブログで、私にはムスリムの友人が多くいることを書きましたが、イスラームではアニミズムを忌み嫌っているのです。それは、ムハンマドがイスラームを興した時代のアラビア半島では多神教を信じていて、イスラーム布教に手こずり、多くの血が流れたことに主な原因があるといわれています。それ故に、よほど親しい友人でなければ、ムスリムとの間でアニミズムの話はしないのです。



燭台

さて、今日はシンプルなデザインの燭台を2点紹介致します。


まずは日本の江戸時代のもので、支柱と受け皿が八角形、土台が十字というミニマルなデザインです。


私が海外に住んでいた頃、イタリア人の友人が同じような燭台を持っていましたので、これはヨーロッパのものだと思います。銅製で使用感があまりないのですが、ベースの裏を見ると、そこそこの時代はありそうです。クリスマスイブが間近ですが、その時の小道具にぴったりではないでしょうか。

2013年12月12日木曜日

宮古式土器


15c〜16c頃に作られたと思われる宮古島の土器です。八重山のパナリ土器は展覧会が開かれたこともあり、最近は巷でも知られるようになって人気があるようですが、宮古島のものはパナリよりもずっと数が少ないそうです。宮古式には第一期と第二期とよばれるものがあり、第二期のものには肩に波状文が刻まれ、ろくろ成形なのに対し、今回紹介します第一期のものは、手びねり成形で波状文がありません。野焼きで作られたこの土器、壺の内側には土を手で伸ばした痕跡が残り、プリミティヴ然としています。やはり、沖縄の土と同じ色をしていますね。

2013年12月6日金曜日

ネルソン・マンデラ

南アフリカのアパルトヘイト政策に対抗し、黒人の自由を勝ち取ったネルソン・マンデラ氏が昨日お亡くなりになられたそうです。27年間も刑務所に入れられ、白人に酷い目にあった後にも拘らず、その白人達を許し、人種間の和解を成し遂げた功績はとても偉大でした。心よりご冥福をお祈り致します。
インドの父と呼ばれているマハトマ・ガンディー氏も、若い頃は弁護士として南アフリカで活動されたそうですが、やはりその地の人種差別と戦い、後にインドの独立を非暴力で勝ち取りました。
現代のアパルトヘイト国家といわれているイスラエルも、そろそろ他民族の存在も受け入れて、中東の平和を確立して欲しいものです。

2013年12月5日木曜日

トアレグ・アクセサリー


サハラの遊牧民であるトアレグ族の、代表的なアンティーク・シルバーアクセサリーです。20年以上前にイギリス人のコレクターから譲っていただいたのですが、レアなものなので手放さないとおっしゃったものの、何度も通ってどうしても欲しいと交渉したところ、お買いになられた倍の金額ならということで、手に入れました。その方は、その時より数十年も前に、ニジェールで見つけられたそうです。この手のものは既に西洋のコレクターに収まっていますから、そこから放出されない限り、まず現地でも、市場でも見掛けることはほぼ不可能だと思います。下のとんがった部分は男性器を、上部は女性器を表しているそうです。

2013年12月4日水曜日

国家と情報 警視庁公安部「イスラム捜査」流出資料を読む   現代書館

刊行は2年程前になるのですが、本の紹介をします。上記したものが、そのタイトルと出版社です。
2010年10月28日、何者かが警視庁外事3課保有の「公安テロ」情報ファイルをインターネット上に流出させました。ファイル数114、字数にして約70万字、個人肖像写真は被害者関係で21人分に及ぶ膨大な情報で、内容は、日本居住及び訪問したイスラム教徒全体を、テロリスト予備軍として監視の対象におき、秘密裏に捜査を行っていたというものです。また、そこには米連邦捜査局(FBI)や他の海外情報機関からの捜査要請資料も混在していました。そのファイルが流出した同時期に、尖閣諸島沖での中国漁船衝突ビデオの流出事件が起きたため、世間の関心がそちらに傾いたようで、こちらに関してはほとんど理解されていないのではないでしょうか。
この本は、ファイルにもられた情報とその漏洩が何を意味するのか、複数の著者(弁護士・ジャーナリスト等)によって解明し、明らかにする意図で刊行されたとあります。特に、東京新聞の記者である田原牧氏(私感ですが、日本のジャーナリストの中で、最も中東問題を理解できている方だと思います)による文章では、我が国とイスラム諸国の関係やその歴史を明確に書かれていて、読み応えがあります。

この「公安テロ」情報ファイル流出による海外での問題点は、海外の捜査機関及び情報機関による日本政府や警察への信用が失墜したことと、長年培ってきたアラブやイスラム諸国との友好的関係にヒビが入ったことでしょう。このようなことも、現在大きな問題になっている、「特定秘密保護法案」成立に政府が躍起になっている理由の一つではないでしょうか。国際法を破ってまでユダヤ人だけの国家を作ろうとしているイスラエルに、世界の多くの国から非難が浴びせられていますが、このところ日本ではイスラエル企業の進出が目立っているようです。福島第一原発の事故後には、イスラエルのセキュリティ会社が日本国内の原発に関わっていることが発覚しました。秘密保護法が成立すれば、そのような事実を探ることや、それを暴露することは、確実に罪に問われることになるでしょう。日本も、イスラエルと同じように、世界から孤立する方向に進まなければ良いのですが・・・。

随分前に、国立民族学博物館の初代館長だった故梅棹忠夫氏が、特定の宗教を持たない主義だが、どうしても一つ選べといわれれば、私はイスラム教を選ぶだろうと述べられたことを思い出します。私も同感です。これまで多くの宗教に関する本を読み、他人に害を及ぼさない宗教であれば、その全てをリスペクトしますが、特定の宗教を持つつもりはありません。でも、これまで知った宗教の中で、イスラームの教えが最も真面目であると認識しています。私は、9.11の直後から10年間、アラブでドキュメンタリーの写真を撮っていましたので、イスラム教徒の友人が多くいます。神の下で正しく生かされようとする彼等の真摯な態度、そして友に対する優しさを十分に感じているのです。