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2016年6月30日木曜日

Arab as it is (素顔のアラブ) 30

前回に続き、今日も2007年のイエメンですが、今回は、イエメン東部の町であるサユーンを中心とした地域の紹介です。


                            Say'un, YEMEN
首都サナアから飛行機で東へ1時間程の位置にサユーンがある。この白い建物はかつては王宮であったが、現在は博物館として利用されている。この町で撮影中、気温が高くて身体が火照っていたせいか、急に鼻血を出し困っていると、1人の男性がやって来て、首筋に水をかければ良いと水飲み場で処置をしてくれた。髭をはやし怖そうな顔をしていたその男性は、その後すぐに立ち去ったが、困っている人に対するムスリムの行いに感激した。ただ、右手に持ったカメラに水がかからないかと、かなり心配したが。


                      Say'un, YEMEN
露天商が暇で、新聞を読んでいる。売れるものは何でもといった感じの品揃え。戦後すぐの日本も、このような状態だったのではと想像する。


                       Say'un, YEMEN
ここでも、建物の前で露天商が商いをしているが、主人の横に並べているのは木の枝を切ったもので、歯ブラシ代わりに使うという。その横で、子供が喫煙中。


                           Say'un, YEMEN
今から9年前の光景だが、アラブの最貧国でも携帯電話が普及していた。電話線の工事が不必要なだけ、有線電話より携帯の方が都合が良いのだろう。


                      Wadi Hadahramawt, YEMEN
長さが160kmもある、ワディ・ハダラマートと呼ばれる谷がイエメン東部に広がる。のどかな風景が広がるが、この辺りはオサマ・ビン・ラディンの先祖が生まれた地である。


                          Shibam, YEMEN
砂漠の中に、ユネスコの世界遺産に指定されているシバームの摩天楼が広がる。石と日干しレンガで建てられた、高さ30m程ある建物が500軒以上集まっている。34年前にニューヨークを訪れた際、ケネディ空港からマンハッタンに向かう途中、摩天楼が眼前に現れた時に感動したが、砂漠の中の摩天楼にも感激した。


                            Shibam, YEMEN
夕方、その摩天楼脇の広場で、若者がフットボールを楽しんでいた。


                           Shibam, YEMEN
摩天楼の建物の修理をしている場面だが、工事の方法は近代化されていない。古代の建造物も含め、人間の物作りに関する知恵と執念はすごいなあと感心してしまう。


                           Shibam, YEMEN
ここも摩天楼内の一部だが、老人がシエスタ中。日本と違い、時間がゆっくりと流れている気がした。


                             Tarim, YEMEN
サユーンから東へ35km程の位置にタリムという町が存在する。ここはイエメンにおけるイスラーム教の中心地で、イエメン人だけではなく、他のアラブ諸国やマレーシア、インドネシア等からもイスラームを学ぶ人達がやってくる。小さな町に、350以上のモスクが存在するという。この写真は、ガソリンスタンドで、バイクに給油している場面。

2016年6月29日水曜日

味の良い木工品

アジアの、味良き木工品を2点紹介致します。


まずは、高さ49cm、李朝の燭台です。長年の使用で、台の上に落ちた油が煤や埃と混じり合って固まり、井戸茶碗のかいらぎのような表情になっています。


まるで西洋もののようなモダーンなデザインですが、ネパールのもので、ヒマラヤの山岳民族が使用していた木鉢です。縁にヒビがありますが、安定していて、使用には何ら問題はございません。直径24cm、高さ7.3cmです。

2016年6月26日日曜日

<愛国心>に気をつけろ!   鈴木邦男著  岩波書店刊

来月の参議院議員選挙を前に、憲法改正の是非が選挙の争点にも上げられています。そのようなこともあり、私は今月刊行された上記タイトルの本を読みました。かつて「愛国運動」に身を投じ、「一水会」を率いた鈴木邦男氏が書かれた本です。日本国憲法第二十四条の草案を書いたアメリカ人女性のことや、かつては改憲運動を唱えていた小林節氏が何故改憲反対に変わられたか等が分かり易く述べられています。メディアでも時々語られるように、憲法とは、本来、その時々の為政者が暴走しないように、彼等を縛るために作られたものなのに、自民党が2012年に発表した「日本国憲法改正草案」では、国の防衛、国の威信を前面に出し、そのためには国民の権利や自由は制限されて当然、という発想です。定価は580円+税で、全文71ページの薄い本なので数時間で読むことができ、改憲派にも護憲派にも購読をお勧めします。
また、安倍晋三首相をバックアップしている「日本会議」という組織に関する本が、最近何冊か刊行されました。憲法改悪や、教育の国家統制を推進する「教育改革」を押し進めるその巨大な組織を知ると、おぞましくなります。

2016年6月22日水曜日

パレスチナの民族衣装


エルサレムで購入した、パレスチナの民族衣装です。レバノンまで後20kmという地中海沿岸にアッカという町がありますが、その地方の衣装で、日本と同様、それぞれの地域で衣装に特色があるのです。イスラエル建国前、20世紀初頭のもので、その地にまだ平穏な暮らしがあった頃、晴れ着として着用されたのでしょう。素材はシルクです。

2016年6月15日水曜日

景色のある雑器

今日は、日本・中国・朝鮮の景色ある雑器を紹介致します。全て古いものですが、使用するのに支障はございません。


まずは日本の美濃灰釉小皿です。高台が厳しく鋭角に作られており、南北朝〜室町頃の作でしょう。。発掘ものでしょうが、目立った疵は、高台に1ヶ所小さなホツがあるだけです。直径10.8cm、高さ3cm。


次に中国、宋代の磁州窯小碗で、作為を感じさせない鉄絵の線が細く見込に描かれています。大小のシミがなかなかの景色を作り出し、ニュウが2本走っていますが、漆で止めてあります。直径14.2cm、高さ4.9cm。


最後は朝鮮、李朝初期の粉青沙器(三島)深皿です。使い込まれたようで、見込にすごいシミがあり、白い象嵌が見え難い程です。口縁に1ヶ所、共色直しがあります。直径12.5cm、高さ4.2cm。

2016年6月8日水曜日

焼物の塔

今日は、日本と朝鮮の、焼物の小塔を紹介致します。


                           土製五輪塔
よく見かける日本の泥塔(釉のない素焼の小塔)はこれまでに買ったことがないのですが、この造形と瓦質に魅力を感じ、入手しました。煤を定着させて焼いたのでしょうか、灰陶が黒ずんだ伽耶土器のような質感で、古い欠けがありますが、すっくと立ち上がった五輪塔の姿が魅力的です。日本の焼物の塔は時代により塔形に変化があったようで、この五輪塔式は鎌倉時代の作です。高さ7.8cm。


                           統一新羅泥塔
こちらは、統一新羅の泥塔ですが、目立ったダメージがなく、大変良い状態です。高さ7cm。

2016年6月1日水曜日

矢野太昭  ガラス盃


今日は、矢野太昭(ヤノ タイアキ)さんのガラス盃を紹介致します。酒盃としてかなり使われたようで、使用感がありますが、特に気になるダメージはなく、良好な状態といって良いでしょう。矢野さんは、モザイクガラスやフレスコ画を制作されていて、その分野では私が最も素敵だと思う作家さんです。口径7.3cm、高さ3.7cm、共箱付。

夏を迎えるにあたり、この盃をブログで紹介しようと思っていたところ、先日、ギャラリー縄から、矢野さんの展覧会のDMが届きました。魅力のある作品を作られる方なので、お時間がございましたら、どうぞご覧になって下さい。
ギャラリー縄   大阪市中央区南船場2-10-30 豊城ビル1F
矢野太昭展   2016年6月3日(金) - 11日(土)  11:00 - 19:00