チベット小型薬師如来像 

小さいながらも出来の良い、ブロンズ製のチベット薬師如来像で、ソリッドで造られているため、重厚感があります。赤い粉がたっぷりと掛けられているのは、毎日のように祈りの対象になっていた証です。チベットの仏像は厳しい顔のものが多いのですが、こちらは柔和なお顔をされていて、眺めていると気分が和みます。200年程前の作でしょう。高さ7.5cm

木製プルパ

今日は木製のプルパ(金剛杭)を紹介しますが、プルパとは、邪悪なものを追い払ったり、己の煩悩を打ち砕くとされている、チベット密教の法具です。真鍮等の金属で作られたものが多いのですが、こちらは木製で、持ち手の部分は、仏に祈るように合掌している人物が彫られています。持ち手部分のモチーフは多々あり、今回紹介しますプルパを見ると、プリミティヴ然としていて、その地に元々あった土着の宗教観と仏教が結び付いた様子が窺えます。杭の先端部分には金属が巻かれており、100年前後の古さはあるでしょう。長さ35.5cm

 

ギリシャ海揚がり大鉢

先週に引き続き、今日もやきものの紹介です。これは、マルマラ海の沈没船から揚がった、ビザンチン期12c前後のギリシャ大鉢です。長期間海中に沈んでいたため、貝殻が付着していますが、見込の釉薬、そして中央の文様もしっかりと残り、ダメージはほとんどございません。景色良く、果物入れ等に如何でしょうか。直径27cm、高さ10cm

 

映画 『怪物』　　監督: 是枝裕和　　脚本: 坂元裕二

今日は、今年のカンヌ国際映画祭でも話題になった、『怪物』を観てきました。

観る人それぞれに考えさせる深い内容で、人間みんなが怪物の要素を持っていることを自覚させる映画でした。映画に娯楽を求める方には不向きでしょうが、この映画を観て、自分自身を見つめ直す機会になるかも知れません。

また、音楽担当が坂本龍一さんだったので、映画を観ながら、彼の面影がふっと瞼の奥に浮かびました。

ちなみに、坂本さんが手掛けた映画音楽で、私が最も素晴らしいと思ったのは、『シェルタリングスカイ』です。ただ、重篤な病状の中、最後までご自分の意志を強くお持ちになり、仕事にも情熱を持って取り組まれたことに敬意を表します。

以前にも一度紹介したことのある、『大阪ステーションシネマ』でこの映画を観賞しましたが、屋上に庭園があり、待ち時間をゆっくり過ごせました。下の写真は、庭園への階段の壁に植えてあった植物です。

伊万里白磁碗

今日は、江戸中期の伊万里白磁碗を2点紹介致します。どちらも状態良しです。

やや歪みのある、輪花中鉢です。口縁に2ヶ所窯疵がありますが、後疵はございません。高台内に染付のマークがあり、恐らく注文品で家紋を入れたのでしょう。口径15cm、高さ5.8cm

下に、裏面の画像を載せます。

こちらは、無疵の胴紐碗です。以前にもブログで書きましたが、胴紐の器は根来椀が最初で、そのデザインを真似てやきものが造られたようです。口径11.5cm、高さ5.2cm

ドクダミ

珍しい花が咲いた苔玉を買ったので、写真を撮りました。これはドクダミですが、花が八重なのです。今の季節は、色んな場所でドクダミを見掛けるのですが、八重があるとは想像もつきませんでした。これからこのドクダミを育てるとしても、来年咲くかどうか分からないので、画像に残しておこうと撮影したわけです。花器として使えるものは多数あるものの、さてどれに入れようかと迷い、結局厚みのある鉄の器に決定しました。花が白、バックも白い壁ですから、八重の花が見え辛いですかね。