現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

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2023年8月29日火曜日

双体道祖神

これまで、企画展の展示品紹介の期間は、それ以外の品を紹介しておりませんでしたが、これからは企画展開始まで、通常の品も毎週ブログで紹介致します。



なかなか味の良い道祖神石像です
。江戸時代以前のものですが、小振りで状態が良く、人物の目鼻立ちもしっかりと残っています。十分に古色が付いた中で、柔和な顔の表情が素敵です。それ程大きくないので、室内に置いても楽しめるでしょう。長野県安曇野の道祖神が有名ですが、それ以北には道祖神が多く存在するものの、南の方では見かけないのが不思議です。高さ25.5cm
 

2023年8月28日月曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今回の企画展に出展します、いくつかの品をこれから徐々に紹介しますが、まずは中国、オルドス高原で、BC3~AC1頃に造られたブロンズ像5点です。


まずは、ツノが長く伸びた鹿像です。大きさがやや有り、パティーナも美しく、ダメージは、右側のツノの一番上の突起が欠けているだけです。鼻の部分がややカセていますが、全体に直しもなく良い状態です。全長9.8cm、高さ9.8cm


次は、小振りの瑞獣像で、ダメージが全くありません。瑞獣とは、古代中国で吉兆が起こる前兆として現れる霊妙な獣だそうです。身体全体が緑の緑青に覆われていますが、中国では、発掘したウブな色合いが好まれるそうです。全長6.3cm、高さ3.3cm


こちらは、平面的なコウモリ像です。コウモリも、中国や朝鮮では、吉祥の印として、造形物に表現されてきました。幅7.7cm


これが何だか分かり辛いのですが、顔を後ろに向けた狼像です。やはり古色が十分に付いています。幅4.9cm


最後に紹介しますのは、虎像です。ひょうきんな熊のようにも見えますが、虎だそうです。こちらも焦茶色の古色がたっぷりと付いています。幅6.2cm

2023年8月27日日曜日

企画展 『いきもののカタチ』

2023年9月23日(土) - 10月8日(日)  12:00 - 18:00  会期中の休店日: 10月2日(月)


新しい企画展の紹介です。
世の中には、いきものを表現した造形物が多く存在します。今回の企画展では、上記期間中、そのような品を100点以上展示販売しますので、ご興味のある方は、ご来店いただきますよう、よろしくお願い致します。素材は、木・金属・磁器・テラコッタ・石等、お手頃な価格のものから優品までございます。
なお、会期中でも、陶磁器や小品等を並べた常設の棚は店内に残しております。

企画展終了まで、いくつかの出展品をこのブログで紹介しますので、どうぞご覧下さい。


白玉蝉 (中国、西周時代) 縦横: 3.3x4.2cm

2023年8月22日火曜日

女體 



同業者が中身を出さずにこの箱を持っていたので、「この女体は何?」と尋ねると、「セイシェルの・・」と答え始めたので、私には何であるかがすぐに分かりました。それは、世界中でセイシェルでしか自生しない『ココデメール』と呼ばれる双子ヤシで、まさか日本で会えるとは思っていなかったので、早速買いました。私がセイシェルに住み始めた30年前は、現地の路上でも売っていたのですが、その後は、国の天然記念物でもあり、政府の証明書なしでは売買できないようになったのです。桐箱には字が右から左へ書かれているので、戦前のものでしょうし、箱の蓋が蒲鉾状になった上手の古いもので、恐らく明治時代頃に日本にもたらされたのではないかと想像しています。日本オオカミのスカルと同様に、御神体のように保管していたのかも知れません。下に中身の画像を載せますので、なるほどと思っていただけるでしょう。
縦30.3cm、横21.5cm、厚み12.4cm


2023年8月17日木曜日

ナガ族羽根付帽子

夏季休暇が終わり、当店は今日から営業再開です。まだまだ暑い日が続くようですが、体調管理には十分にお気を付け下さい。
今日は、プリミティヴな珍品の紹介です。



ナガ族戦士の羽根付帽子です。帽子本体は、毛の付いた熊のスカルで作られていますが、小さめのスカルなので、子熊のものでしょうか。被った人物なしで、この帽子だけ見ると、シンプルでなかなか洒落ています。パリコレでモデルがこの帽子を被ってステージを歩いたとしても、違和感はないでしょう。20世紀初頭に活躍した多くの美術家が、プリミティヴな世界から影響を受け、自身の作品に昇華したと以前にブログで書きましたが、ファッション・デザイナーも同様に影響を受けているのです。30数年前、ロメオ・ジリというファッション・デザイナーがアボリジニの描いた文様をシャツにプリントし、私も買ったことがありました。私が若かりし頃はプリミティヴ・アートのコレクターだったので、今だにその分野でお気に入りのものを見つけると、笑顔になります。道端に咲いている花や野鳥、はたまた風景であっても、美しいものとの出会いが、私がこの世に生かされている中で、最も喜びを感じる瞬間であるのかも知れません。墓場に入るまで、そのような感受性を持ち続けたいものです。

余談になりますが、第二次世界大戦中、日本軍の無謀な戦略だったとされているインパール作戦では、『コヒマの戦い』と呼ばれている連合軍との戦闘で痛手を負いましたが、そのコヒマとは、ナガ族が住むナガランドの現在の州都なのです。
 

2023年8月16日水曜日

映画 『野火』  原作: 大岡昇平  監督: 塚本晋也  at シネヌーヴォ 

今日は夏季休暇の最終日だったので、上記タイトルの映画を観てきました。
随分前に、大岡昇平著の小説『野火』の初版本を入手して読んでいたのですが、映像になればどんなものかと映画館に足を運びました。この映画が2015年に作られたとは全く知らなかったのですが、ぼんやりと覚えていた小説そのもののような気がしました。舞台は第二次世界大戦中のフィリピン、劣勢の日本軍兵士達が食べるものもなく、亡くなった兵士の人肉を食べるような場面もあり、戦争とはどれだけ悲惨で、人間性を失う状態に追い込まれるかを、鬼気迫る映像で見せてくれました。
現在はウクライナで戦争中、台湾有事も想定して、自民党や日本維新の会の一部政治家が勇ましい主張をしています。政治家は戦争をさせないための交渉人であるはず、もし戦争でも起これば、そういった勇ましい政治家に先頭を切って戦闘に臨んでもらいましょう。
第二次世界大戦後、戦争を推し進めた人間を日本人が裁かなかったことにより、そういった戦争責任者が日本に於ける政治の中枢に居座り、その取り巻きや子孫が後を継いで現在に繋がっているのではないでしょうか。私も若い頃は能天気に過ごしていましたが、地球環境問題や各地で起こる紛争を見ていると、人類の将来が心配になります。私などは、近い将来にこの世からおさらばしますが、特に若い方には、歴史の真実を見極め、他者、他国をも思いやる世界を作って欲しいと願っています。

2023年8月9日水曜日

夏季休暇

先日お知らせしました通り、明日8月10日(木)から8月16日(水)の1週間は、夏季休業とさせていただきますので、よろしくお願い致します。

お盆の時期は、水難事故や交通事故が多発しますので、どうか元気でお過ごし下さい。



2023年8月8日火曜日

小さな厨子

今日は、小振りの厨子を2点紹介致します。


時々見掛けるデザインの厨子ですが、古色がたっぷりと付き、良い景色を醸し出しています。江戸後期のものでしょう。
幅12cm、高さ15.5cm


こちらは、小振りと言っても極小の厨子で、ブリキ製です。ただ、ダメージもなく、可愛らしさがあります。天神さんのマークが三つ並んでいますね。明治頃の作でしょうか。高さ6.5cm

2023年8月1日火曜日

新羅有蓋壺



小振りながら、自然釉がたっぷりと掛かり、蓋も残っている新羅小壺です。蓋は、窯の中で灰が掛かったのか、白っぽい色をしており、本体の黒っぽい色とのコントラストが素敵です。色が違っても共蓋に間違いないと思います。このような硬質陶器が造られた時代、自然釉の全く掛からないものが正規品で、掛かったものはB品だったそうです。釉薬のドバッと掛かったやきものを良き景色として好むのは、日本人特有の感性なのでしょう。お茶の世界の侘び寂び感から来ているのかも知れません。
胴径16cm、高さ10.8cm

下の画像は、蓋を取り、シランを生けた際の姿です。