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2012年10月16日火曜日



今回登場するのは、須恵器の蓋杯。ただし、ただの須恵器ではない。内側全体に漆が掛かっている。それも、蓋と重なる部分には薄い木を張り、その上に漆を。塗った漆はめくれ上がっていないものの、ひび割れを起こし、その状態から江戸時代以前に施されたと思われる。その頃にも発掘なんてあったのだろうか。当時の須恵器の値段は想像できないが、加工賃の方が器自体よりもずっと高かったはずだ。どんな人物がこれを注文したのだろう。茶人だろうか。いつの時代にも数寄者は存在するのだなあ。とにかく、これを作らせた人の粋に感服する。菓子を入れて来客に出せば、たいそう喜ぶかもしれないが、相手に絵心がなければ、なんて汚い器を出すのだと思われるかもね。