現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

Customers are able to talk in English at the shop.

2013年10月31日木曜日

西洋もの

荒れまくった台風の時期が過ぎ、ようやくおしゃれもできる良い季節となりました。当店の裏にある靱公園や、近所の会社の植込みでは、キンモクセイが満開となり良い香りを漂わせています。
私は西洋ものをほとんど扱いませんが、興味を持てばどの産地のものでも買います。今日は、その西洋の品を2点紹介致します。

まずはヨーロッパ産だと思えるパフューム・ボトルです。シンプルなデザインに魅かれて購入しました。香水の香りが残っていますから、間違いなく香水瓶。外側の緩い曲線が素敵で、アールデコの時代のものだと思います。日本でいうと大正から昭和初期ぐらいですか、ブラックライトを当てるとウランが光ります。勿論、香水を入れてもいいですが、口にスクリューを切っていないので、かわいい花の一輪挿しにもいいんじゃないでしょうか。


これはイギリスの陶製ボトルです。高さが42cmもあり、陶器でできたキャップはスクリューになっています。へこんだ輪線部や取手にはわずかに釉薬が残っていますが、ほとんどの部分は釉が剥げ落ち、そこに付いたシミが景色になっています。市場でよく見る、釉薬でテカテカなものだと、私は購入しなかったでしょう。このような状態から19c頃のものだと推測しますが、こんな大きさで目立った傷もなく、よく無事に残っていたものだと思います。

2013年10月24日木曜日

根来盆

これまでのブログで、器は掲載しても盆の紹介がなかったと気付き、今回は根来盆を数点取り上げます。


桃山〜江戸初期の隅切盆です。この手の盆は、ほとんどが木の収縮により、底の部分と枠に隙間を生じ、これもご多分に漏れず漆による修理が成されています。


これは江戸初期の、四隅に脚の付いた角盆です。こちらは底と枠のつなぎがしっかりしていたようで、底部の中央にわずかな隙間を生じています。隅切盆と同様に、縁にはしっかりと布張りが成されています。


低い高台付きの盆で、直径が36cmもあるので、酒器の他、酒の肴を乗せる皿も余裕で置くことができます。いつ頃のものかは定かではありませんが、古色感から推測すると、まあ100年前後の古さはあるでしょう。上記の2点と比べると、一桁ほど違う価格です。同手の盆がもう1点ありますが、そちらはひびが入っているので、これのまた半額です。ひび入りでも安定していますので、使用には何ら問題はございません。

これらの他、根来盆、ふき漆盆、くりぬき盆等、あと10点以上の在庫がございますので、どうぞ現物をご覧になって下さい。価格も、安いものから用意しております。

2013年10月17日木曜日

ハッダ・ストゥッコ 2nd


以前にもハッダ・ストゥッコを1点紹介しましたが、それとは顔つきが全く違うものを手に入れました。鼻と頭頂部を欠損していますが、とんがった大きな耳が『宇宙大作戦』のスポックを連想させ、そのユニークな顔つきに何となく魅かれました。わずかにですが、赤い彩色が所々に残っています。支柱が回るようになっていますので、色んな方向の眺めを楽しめます。

2013年10月10日木曜日

李朝白磁青花鉄絵瓶

先週まで、長らく朝鮮ものを紹介しておりませんでしたので、今回も朝鮮陶磁でいきます。


高さ27.5cmで、シミたっぷりの大柄な瓶です。李朝ファンの方はご存知だと思いますが、染付でコバルトと鉄砂を併用しているものは数多くありません。この鉄絵は、前回の新羅土器と同じように蓮の花でしょうか。作為を感じない、上手い絵です。


裏面も、コバルトと鉄砂併用で描かれていますが、反対側とはまた違う、静かな趣のある絵柄です。

2013年10月6日日曜日

北魏 石造仏教彫刻の展開

上記タイトルの展覧会が、大阪市立美術館で開催されています。お客さんや同業者から招待券をいただいていながら、先日の企画展の準備や後片付けでなかなか行けなく、今日ようやく観て参りました。関西在住であった実業家の山口謙四郎氏のコレクションを核として、圧巻の展示でした。日本の仏教美術とはまた別の、素晴らしい中国、北魏の仏教・道教石造彫刻を是非ご覧になって下さい。10月20日(日)までの開催です。今日は日曜日ながら、館内は空いておりました。多くの日本人はいったい何に興味を持っているのでしょう。

2013年10月3日木曜日

新聞記事

昨日の毎日新聞夕刊の同じ面に、全く分野の違うお二人のインタビューと寄稿が載っていました。そのお二人の発言を要約して紹介させていただきます。

佐藤真由美 (在日コリアン系インターナショナルスクールとフィジーの子供の相互訪問等を企画)
略歴: 医師だった祖母の勤務地、東ベルリン生まれ
    祖母の転勤に従い、4才で文化革命下の中国に移住
    1982年に日本へ帰国
    20才から、米国で航空工学と心理学を学ぶ 
    大学卒業後、アメリカン航空、英ヴァージンアトランティック航空、フィジーのエア・パシフィックに勤務
    2009年には国連職員としてアフガニスタンで働くが、武装集団に車を襲われ、彼女を除く同僚3名が死亡
東独にいた頃、国際線の機内で亡命者とおぼしき少女に「国から逃げるの」といわれ、将来を決めた。「飛行機は『人生を救う乗り物だ』と思い、大好きになった。」
ヴァージンアトランティックの入社面接では、社会問題や国際情勢の話題ばかりであった。佐藤さんは、「日本では、国際化=英語を話せるだけに思われがちだが、違う。自国の話を含む人種問題や宗教問題などを知らないと品性を問われるのが、国際社会なのに」と強調
「買春ツアーの日本人や欧米で買い物ざんまいの日本人クルーを見て、『飛行機で違うこともできるのに』と思ったのも、NGOに関わるきっかけ」とか。

槙文彦 (建築家)
東京、猪瀬知事等による「新国立競技場」建設に物申す
2020年のオリンピック開催地に決まった東京に、新しい国立競技場の建設計画が着々と進められている。コンペで決まったその競技場の大きさは、これまで最大級だった海外競技場の2〜3倍の規模であり、東京の風致地区である敷地に、景観上の問題があるのではないか。また、竣工後50年、100年と次の世代が管理、運営していかなければならない宿命を持つことになるが、維持管理していく費用が莫大であるのに、その収支計画の説明がない。ヨーロッパのような成熟した市民社会であれば、パブリック・ヒヤリングによって検証されるのに、都民や国民への説明なしに進められるのはいかがなものか。説明責任が必要。槙氏が個人的に願うこのプロジェクトの究極の理想の姿は、できる限り小さくし豊かな緑道によって包まれることである。

新羅土器


徳利として使える新羅土器です。大小様々な形の新羅土器をちょくちょく見掛けますが、この写真のものは三方向に線刻があるという珍品です。一番上の模様は蓮の花を表しているのでしょうか。焼成温度が高過ぎた為に火ぶくれができていますが、容量が250cc強で注いだ時のキレが良く、正に酒器としてぴったりです。