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2015年6月29日月曜日

Arab as it is (素顔のアラブ) 18

先週には、チュニジア・クウェート・フランス・ソマリアでスンニ派イスラーム過激派によるテロが発生し、多くの人が亡くなりました。特にチュニジアは、私の訪れたアラブ諸国の中では最も訪れ易い穏健な国でしたが、ベンアリ政権が倒れた後は、治安上大きな問題を抱えています。アラブの春と呼ばれた民主化運動が起こり、独裁者を追い出したことによって、過激思想者をコントロールできなくなったとは皮肉なものです。よほどの必要がない限り、アラブ訪問にはかなりの危険が伴うことを認識する必要があるでしょう。

先月には、シリアのパルミラがダーイシュ(日本ではISと呼んでいる)に占領され、女性と子供を中心に400名が殺害されたとの報道がありました。私は、チュニジア・モロッコ・シリア・ヨルダン・レバノン等で多くのローマ遺跡を訪れましたが、パルミラほど広大な面積を持つ遺跡を他に見たことがありません。遺跡内にも数家族のベドウィンが住み着いていて、笑顔で接してくれたのを思い出します。今日は、そのパルミラの写真を何枚か掲載致します。

残虐非道な行いをするダーイシュを壊滅する必要があるでしょう。ただ、何故ダーイシュやアルカーイダが生まれたのか、理由があるはずです。そして、その過激な思想に多くの賛同者が存在するわけですから、その原因を探り適切な処置をしなければ、同様なテロが減らないのではないでしょうか。スンニ派とシーア派の紛争を煽り、イスラーム社会全体を弱体化させようとしている国や組織が存在するようです。アメリカでは、軍産複合体と呼ばれるものが政治を左右しています。軍事産業が国の主要産業になると、どこかで戦争が起こらないと利益を生み出せません。自国を守るためには武器が必要でしょうが、軍事産業で国を潤すことは殺人に手を貸すことに繋がるのです。ちなみに、無人爆撃機等のロボット兵器開発を主導してきたテクニオン・イスラエル工科大学が、京都に研究拠点を設けようとしています。昨年の武器輸出三原則の撤廃以降、身近な企業や大学がイスラエルの戦争犯罪に加担する可能性が一段と高まっています。