映画 『森のムラブリ・インドシナ最後の狩猟民』 at 第七藝術劇場
昨日は、上記タイトルの映画を観てきました。その映画の監督である伊藤龍馬氏は、6ヶ国語を話す言語学者で、タイとラオスに合わせても500人にも満たない、無文字社会に生きるムラブリ族の辞書を作ろうと、足かけ2年間もその部族を追ったそうです。少々退屈なドキュメンタリー映画でしたが、謎に包まれ、消滅の危機にあるムラブリ族を世界で初めて撮影されたことは、人類学的映像として意味のある仕事だったでしょう。
私が好んで訪ねる場所は、国立民俗学博物館や天理参考館等、世界の民俗学を紹介してくれる場なのですが、それは、35年近く前に、プリミティヴ・アートに興味を持ったことがきっかけでした。大学で文化人類学を学べば良かったのにと後悔しましたが、高校入学後、遊びばかりにうつつをぬかしていたのだから仕方のないことです。私がセイシェルに住み始めた頃、仲良くしていただいた日本の領事 (ケニア大使館勤務) は、前勤務地がニューヨークだったとのことで、お嬢さんがジョンズ・ホプキンズ大学で文化人類学を学んでいらっしゃったことを窺った時は、羨ましく思い、私の息子がその方向に進めばと期待しましたが、まあ人にはそれぞれ思う道がありますね。
ナガ・ブロンズ像
今日は、ナガ (コニャック族) のブロンズ像を紹介致しますが、珍しいモチーフで、男性が座ってラッパを吹いています。ナガのフィギュアはデフォルメが激しいので判断し難いのですが、ひょっとするとパイプを吹かしているのかもしれません。これは100年以上前のものでしょうが、ナガ族のプリミティヴ・アイテムは、ヨーロッパやアメリカではコレクターに人気があり、古くて良いものは現地にあまり残っていないようです。高さ18.5cm (含台)