現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

Customers are able to talk in English at the shop.

2024年1月30日火曜日

アイヌの品 

昨日はアイヌの映画を観たこともあり、今日はアイヌの品を2点紹介致します


胴に幾何学的な文様が彫られた、蛇紋岩の極小壺です。日本国内での蛇紋岩の分布は幅広く、北海道では南北に伸びた神居古潭帯に鉱脈が存在するようです。どのような目的でこの壺が作られたかは不明ですが、かなり小さな壺なので、祭祀用だったのではないかと想像しています。牙蓋を被せれば茶入に適したサイズですし、ホヤを被せれば香炉として使用できるでしょう。状態から見て、江戸〜明治頃の作と思われます。胴径6.5cm、高さ5.3cm


こちらは、乾燥した熊の手です。肉を取り除いて乾燥させたのでしょうか、縦に切った部分を縫い合わせています。アイヌの人たちにとって熊は神聖な存在だったようで、この手は護符として作られたのでしょう。サイズ: 11x7cm
下の画像にある桐箱に入っていました。

箱の本体と蓋ですが、箱の底には、古い紙片が残っていて、『昭和12年6月 アカン アイヌ部落 アイヌ娘ヨリ受ク』と書かれており、蓋には『エ与マンテ』と墨書きされています。譲り受けたのが昭和12年ということですが、その時は既に乾燥させた状態だったでしょうから、作られたのは大正時代以前だと考えています。

箱蓋の内側には、『エヨマンテー 蝦夷土人首飾』と書かれており、現在でもアイヌの人たちに対して侮蔑的な見方をしている人間が存在しますが、明治政府が和人と区別するためにアイヌ民族を『土人』という蔑称で呼びました。それ故に、この蓋に墨書きした本人に差別意識なんてなく、そういった見方がほとんどの日本人の中に共通していたのでしょう。現在でも差別が横行していますが、日本が島国であるせいか、村社会の中でヒエラルキーが生まれ、いまだにそれが解消されないとは、恥ずべき事柄です。国を動かす政治家の中にも差別的な発言を平気でする者が存在し、そういった者を政党が選び、有権者が投票しているわけですから、やはり多くの日本人にも問題があるのでしょう。勿論、全ての日本人がそうであるわけではないのですが。

2024年1月29日月曜日

映画 『カムイのうた』  at 第七藝術劇場

今日は、上記タイトルの映画を観てきました。この映画は、実在した知里幸恵(1903-1922)という人物をモデルに描いたフィクションで、和人による酷い差別に遭いながら、文字を持たないアイヌのユーカラという叙事詩を日本語に訳する物語です。映画では実名が出てきませんが、その翻訳を依頼したのは、言語学者の金田一京助だったそうで、アイヌ文化が今でも日本語で語り継がれているのは、知里幸恵の功績が大きいようです。悲しくも感慨深い映画で、出演者であった島田歌穂の歌が特に素晴らしかったです。



2024年1月28日日曜日

写真展 『安井仲治 - 僕の大切な写真』  at 兵庫県立美術館

今日は、安井仲治(1903~1942)の写真展を観てきました。生誕120年の大規模な回顧展で、その時代の日本ではカメラは高額だったため、日本人で写真を撮る人は限られていたでしょう。会場では、当時本人が使用したローライフレックスとライカが展示されていましたが、現在の高級なカメラは数百万円しますが、当時のカメラを今の感覚で言えば、数千万円だったでしょう。
大阪、船場の裕福な商家に生まれ、親から与えられたカメラに魅せられ、10代で全国に名を知られる写真家になったそうです。38年という短い人生の中で、先鋭的な眼差しを持って捉えた写真は今観ても惹かれるショットが何枚もありました。会場で写真撮影が許されていたので、展示されていた200数点の中、気に入った写真を21枚撮ってきました。2月12日まで開催されていますので、興味のある方はどうぞご覧になって下さい。



2024年1月23日火曜日

中国青銅花器



中国、明〜清代頃の青銅花器です。中国の青銅製花器は派手なデザインのものが多いのですが、今回紹介します花器はミニマルな造形で、どのような花でも受け入れてくれるでしょう。パティーナが美しく、ダメージなしです。高さ32.4cm

2024年1月16日火曜日

黒漆木皿



荒削りの木地に黒漆を掛けた5客組の中皿です。それ程古くはなく、恐らく昭和期のものでしょうが、味わい深く、菓子皿として使用するにはもってこい、その上、値段も手頃です。直径16cm前後
黒い品は、画像では表情が分かり辛いのですが、1客のアップしたものを下に載せます。


2024年1月9日火曜日

銅造龍頭

今年は年初から災害に見舞われたり、大事故があったりと災難が続いておりますが、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、早い復興を心より願っております。
どこで誰が災難に遭遇するか分からないこの世、生命のある限り、精一杯精進して生かされなければと身の引き締まる思いがします。


さて、当店は今日が今年最初の営業日です。
今年の干支は辰ということで、年初に銅造龍頭像を紹介致します。デスクトップで当店のブログを見ていただくと、常に木造の龍頭が出てきますが、実は私の干支が辰で、現在の店を始めたのが12年前の辰年だったために、その龍頭像を載せております。
今回紹介します龍頭は、中国の春秋戦国時代の馬車に付けられていた装飾品の一部です。その時代の装飾品ですから、鍍金されていたのかもしれませんが、長年土中にあったのか、鍍金の痕は確認できません。小品ですので、ペーパーウェイトやデスクの飾りものとして使用されるのはいかがでしょうか。状態は良く、パティーナも美しいです。
全長8.6cm、幅5.5cm、高さ3.8cm



2024年1月1日月曜日

2024年 元旦

謹賀新年

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます