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2018年3月15日木曜日

企画展 『花の器 6th・土器に花』

今日は、土器ではなく、鉄製の器を3点紹介致します。いずれも錆の安定した鉄味がなかなか良く、厚みがあるので、どっしりとした佇まいです。全て初見のもので、市場ではほとんど見掛けないでしょう。


画像では分かり辛いのですが、八面の面取りになったモダーン・デザインの容器です。水盤のように、縁ぎりぎりまで水を張れば、とても素敵です。縁で1.5cmの厚みがあり、底の厚みは恐らく2cm以上あるでしょう。縦11cm、横16cm、高さ6.6cmです。


直径9cm、高さ9.7cmと小振りの円筒形容器ですが、これも鉄の厚みがあるので重いです。機械を使わずに作られたようで、表面が滑らかでなく、とにかく味があります。これはどうも、ルツボとして作られたようです。


こちらも円筒形容器ですが、直径18.5cm、高さ22cmと大きいので、かなり重く、上の円筒形と比べると、10倍以上の体積があるでしょう。大振りの枝ものが似合います。

2018年3月10日土曜日

企画展 『花の器 6th・土器に花』

今日は、日本の土器を3点紹介致します。


胴径25cm、高さ33cmと大きな弥生土器で、口縁に欠けがありますが、ニュウもなく、まずまずのコンディションです。


これも弥生土器ですが、胴径10cm、高さ11cmと小振りです。口の辺りは表面がなめらかですが、長年風雨にさらされたのか、肌が荒れていて、細かい石が多く覗いています。口縁に僅かなホツがあるものの、それ以外のダメージはなく、侘び寂び感たっぷりです。


こちらは、胴径16cm、高さ16cmと、程良い大きさの土師器です。欠けはないのですが、ニュウが3本あります。そのニュウは安定していましたが、念のため内部の見えない部分を漆で止めておきました。土師器の壺は、このように黒くなったものが多いのですが、これは煮沸した際に付いた煤が残っているのです。

2018年3月5日月曜日

企画展 『花の器 6th・土器に花』

今日は、中国ものを2点紹介致します。


戦国時代の印文陶です。胴径21cm、高さ14cmと程良い大きさで、肩の張った形に口も大きく、花が似合います。疵は、口縁に僅かなソゲだけで、直しもありません。火ぶくれが少しありますが、しっかり焼締っており、水も直接入れることができます。


陰刻のある漢代の円柱型瓶ですが、こんなモダーンな形もあったのですね。副葬品として作られたのでしょう、焼きが甘くて、水を入れると全体に滲みてきたので、内側に漆を入れて、水漏れしないようにしました。胴径11.3cm、高さ19cm

2018年2月28日水曜日

企画展 『花の器 6th・土器に花』

この春も、下記の日程で花器展を開催致しますが、今回は土器中心の企画展です。縄文、弥生の他、中国、朝鮮、中東等、先史時代以降の土器や須恵器質のものを約50点、それ以外を含めると150点以上展示しますので、どうぞご来店いただけますよう、よろしくお願い致します。

企画展が終了するまで、このブログで、出展する品を少しずつ紹介致します。

2018年3月20日(火) ~ 4月1日(日)  12:00 ~ 18:00
会期中は、無休で営業


かつて毛織物業で成功し、古美術の蒐集と研究に努力された細見亮市氏(細見古香庵)が、晩年に『土器に花』という本を出版されました。その本のあとがきで、土器を好んだ理由を述べられていますが、まさに同感です。その部分を、抜粋します:ー

「私が土器に引かれ、これを愛するのは、一点一点真摯な、まごころをこめた手作りで造形し、何の飾気のない肌には、不備な窯の火の自然な変化が如実にあらわれ、天の恩啓とでもいうべき偶然をしたたかに蒙っているからです。」

「『古きは新に通ずる』との古諺がありますように、三千年前の器物と今咲き誇る花の調和は、現代芸術にも通ずるもので多忙な近代生活の中にうるおいと安らかさで心を慰してくれるにふさわしいと思います。」


ヨルダン土器 (青銅器時代)

2018年2月21日水曜日

伊万里白磁輪花中皿



江戸中期の伊万里白磁輪花皿です。重ね焼きしたのでしょうか、蛇の目状に透明釉が掛かっていない部分があり、それがこの皿のアクセントになっていて、純白のあがりに、この意匠が上品な趣を醸し出しています。直径18cm、無疵完好です。

2018年2月14日水曜日

泥塔 (種子大日如来陽刻宝塔)



田原本町箸尾出土の泥塔ですが、状態が非常に良く、梵字の陽刻がはっきりと確認できます。このタイプは、二つ合わせの型で作られ、底には舎利孔が開けられています。藤原時代〜鎌倉時代初期、高さ7cm

2018年2月7日水曜日

ダン族、パスポートマスク



コートジボワール、ダン族のパスポートマスクです。パスポートマスクとは、通常サイズの仮面のミニチュア版で、仮面ダンスの踊り手や重要な仮面を所有する者が、オリジナルの仮面のミニチュアを作り、遠出する際に持ち歩くものです。所有している仮面と離れても、ミニチュアを持つことで仮面の魂と触れ合うことができるといいます。所有者の身分証明もできることもあり、パスポートマスクと呼ばれているのです。このマスクの状態からみて、かなりの頻度で持ち出されたのでしょうし、そのオリジナルは相当立派なマスクであったことも想像できます。仮面サイズは、高さ16cm、幅9.7cmです。