時代は紀元前から現代、ジャンルは現代美術、アフリカやインドネシアのプリミティヴ・アート、アラブの古民具、日本や朝鮮を中心としたアジアの陶磁器・仏教美術・古道具等を扱う小さなセレクトショップです。他の骨董屋や古美術店ではほとんど見掛けない珍しい品を中心に集めておりますので、ご興味のある方はどうぞご来店下さい。
Customers are able to talk in English at the shop.
2012年12月29日土曜日
2012年12月12日水曜日
悲惨な戦争
もうすぐクリスマスですね。数年前、クリスマス・イブの日にレバノンの首都ベイルートのダウンタウンを歩いていて、上の写真にある現場を見つけた。レバノンでは1975年から1990年まで内戦があったのだが、ここに写っている建物は、その当時に破壊されたビルの残骸で、今もこのような建物があちこちに痛々しく残っている。この残骸の中に、現地のキリスト教徒が、以前のような悲惨な戦争が再び起こらないようにと願いながら、キリスト生誕を模した人形を飾ったのであろう。
さて、日本では次の日曜日に衆議院議員の選挙が行われる。様々なテレビ局がその選挙に関するアンケートをとっているようだが、どうも右傾向の政党に人気があるらしい。極右の党首が首相にでもなれば、韓国やイスラエルのように、徴兵制度が持ち込まれる可能性も出てくるだろう。国民はそこまで考えて、選挙に臨むのだろうか。若者たちは、いざとなった時、勢いだけで戦争に行けるのか。これまでの歴史で、大きく繁栄した国の勢いがそのまま持続した記録はない。栄華はいつかは途絶え、次には違う国が繁栄する。まあ、それが平等ではないか。日本の食糧自給率は40%を切っているが、これまでのような経済力を保てない場合、食糧品も輸入できないだろう。ましては、日本とは逆に、途上国をはじめ世界の人口は増加し、地球上の食べ物が不足する時代がやってくるはずだ。私は決して金持ちではない。でも、大きな経済力を望まず、豊かな自然に抱かれてゆったりと生かされたいと思っている。勿論、悲惨な戦争が起こらないようにと祈りながら。
そして、私が生かされていることを考える時、私は単なる日本人ではなく地球人であり、人間ではなく一個体の生物であることを基本としている。
もうすぐクリスマスですね。数年前、クリスマス・イブの日にレバノンの首都ベイルートのダウンタウンを歩いていて、上の写真にある現場を見つけた。レバノンでは1975年から1990年まで内戦があったのだが、ここに写っている建物は、その当時に破壊されたビルの残骸で、今もこのような建物があちこちに痛々しく残っている。この残骸の中に、現地のキリスト教徒が、以前のような悲惨な戦争が再び起こらないようにと願いながら、キリスト生誕を模した人形を飾ったのであろう。
さて、日本では次の日曜日に衆議院議員の選挙が行われる。様々なテレビ局がその選挙に関するアンケートをとっているようだが、どうも右傾向の政党に人気があるらしい。極右の党首が首相にでもなれば、韓国やイスラエルのように、徴兵制度が持ち込まれる可能性も出てくるだろう。国民はそこまで考えて、選挙に臨むのだろうか。若者たちは、いざとなった時、勢いだけで戦争に行けるのか。これまでの歴史で、大きく繁栄した国の勢いがそのまま持続した記録はない。栄華はいつかは途絶え、次には違う国が繁栄する。まあ、それが平等ではないか。日本の食糧自給率は40%を切っているが、これまでのような経済力を保てない場合、食糧品も輸入できないだろう。ましては、日本とは逆に、途上国をはじめ世界の人口は増加し、地球上の食べ物が不足する時代がやってくるはずだ。私は決して金持ちではない。でも、大きな経済力を望まず、豊かな自然に抱かれてゆったりと生かされたいと思っている。勿論、悲惨な戦争が起こらないようにと祈りながら。
そして、私が生かされていることを考える時、私は単なる日本人ではなく地球人であり、人間ではなく一個体の生物であることを基本としている。
2012年12月6日木曜日
アラブのミニマル・デザイン
今日は、アラブの鉄製道具を数点紹介致します。
シリアのワイン・オープナー。ワインの醸造は紀元前から行われているのだが、これはいつ頃作られたものか。オスマン帝国支配の時か、それともフランス統治時代だろうか。
同じくシリアの道具。これを初めて見た時、日本の氷屋さんの道具に似ているなと思ったが、実は、フックに荷物を引っ掛け、肩に担ぐ荷役のものだそうだ。
これをモロッコで見つけた時は、大工道具だと思ったが、譲ってくれたアンティーク・ショップのオーナーは笑って、歯を抜く器具だと言った。それを冗談だと思っていたのだが、再度その国を訪れた時、よく似たものを見つけ、これは何かと聞くと抜歯の器具だと・・・。いつ頃まで、こんなものを使っていたのか分からないが、これで歯を抜かれるなんて、気絶ものですよね。ご覧の通り、機械を使わずに作ったと思われるが、ピンを使用せず、一方の鉄棒に穴を開け、他方をくぐらせ完成させている。なかなかの技である。
今日は、アラブの鉄製道具を数点紹介致します。
シリアのワイン・オープナー。ワインの醸造は紀元前から行われているのだが、これはいつ頃作られたものか。オスマン帝国支配の時か、それともフランス統治時代だろうか。
同じくシリアの道具。これを初めて見た時、日本の氷屋さんの道具に似ているなと思ったが、実は、フックに荷物を引っ掛け、肩に担ぐ荷役のものだそうだ。
これをモロッコで見つけた時は、大工道具だと思ったが、譲ってくれたアンティーク・ショップのオーナーは笑って、歯を抜く器具だと言った。それを冗談だと思っていたのだが、再度その国を訪れた時、よく似たものを見つけ、これは何かと聞くと抜歯の器具だと・・・。いつ頃まで、こんなものを使っていたのか分からないが、これで歯を抜かれるなんて、気絶ものですよね。ご覧の通り、機械を使わずに作ったと思われるが、ピンを使用せず、一方の鉄棒に穴を開け、他方をくぐらせ完成させている。なかなかの技である。
2012年12月1日土曜日
パレスチナがオブザーバー国家に
アメリカ時間で11月29日の午後、国連総会で、パレスチナが「オブザーバー機構」から「オブザーバー国家」に格上げされた。138カ国が格上げする決議案に賛成したが、9カ国が反対、41カ国が棄権した。反対した9カ国には、勿論イスラエルとアメリカが含まれている。パレスチナ問題を理解されていない方がいらしたら、2冊の本を紹介しますので、どうぞお読み下さい。パレスチナ問題に関する書籍は数多く出版されていますが、その2冊を読めば、問題の核と、イスラエルをサポートするアメリカの政治が理解できるでしょう。なお、この2冊の本の著者は全てユダヤ人です。
イラン・パベ、パレスチナを語る (柘植書房新社)
イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 (講談社) 上下2巻
アメリカ時間で11月29日の午後、国連総会で、パレスチナが「オブザーバー機構」から「オブザーバー国家」に格上げされた。138カ国が格上げする決議案に賛成したが、9カ国が反対、41カ国が棄権した。反対した9カ国には、勿論イスラエルとアメリカが含まれている。パレスチナ問題を理解されていない方がいらしたら、2冊の本を紹介しますので、どうぞお読み下さい。パレスチナ問題に関する書籍は数多く出版されていますが、その2冊を読めば、問題の核と、イスラエルをサポートするアメリカの政治が理解できるでしょう。なお、この2冊の本の著者は全てユダヤ人です。
イラン・パベ、パレスチナを語る (柘植書房新社)
イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 (講談社) 上下2巻
2012年11月29日木曜日
先週の天理参考館に続き、今週は国立民俗学博物館を20数年ぶりに訪れた。久々に訪問すると、前回と展示が全く違うことに戸惑いを覚えた。地域ごとに担当の学芸員が違うのであろうが、以前から私が興味のあったアフリカやオセアニアの展示物の新しいことにがっかり。骨董好きに古いモノを見せる目的ではなく、あくまでも民俗学として見易く展示するように心掛けていらっしゃるのだろうから、まあ仕方がない。ただ、ずっと前から一番気に入っていた、バコンゴと呼ばれるコンゴの呪術人形と久々に対面し、懐かしい気分になった。地域ごとに展示していない項目(例えば、よく似た農具だと、国や地域を分けずにごっちゃまぜの展示)もあって、それは民俗学としては分かり辛いのではないかと思ったが、面倒くさいので、アンケートにも苦情は書かなかった。それでも、展示物が膨大な数のため、骨董好きを喜ばせるモノも結構あった。今回、特に私が気に入ったのは、サハリンやシベリアの偶像。それらの地域にそんなものがあったなんて知らなかったが、素朴な造形に惚れ込んだ。
ということで、今日は、最近手に入れたわけの分からない木像をお見せします。仏像なのか何か分からないのですが、腕や脚の取れたその残欠は、まあ江戸期ぐらいはあるでしょうし、何かほのぼのとしたユーモラスな佇まいに魅かれています。
2012年11月22日木曜日
天理参考館
私は、その存在すら知らなかったのですが、人のお勧めで、先日の定休日に天理大学附属天理参考館へ行ってきました。天理教を海外に布教する人々の、諸外国の生活習慣や歴史等の知識を深めるため、1930年に創設されたそうです。展示場は万博会場跡にある民族学博物館を小型にしたような感じですが、考古美術はなかなかのものが多くありました。アイヌの祭祀具も良かったですが、特に笑えたのは、絵馬の陳列ケースにあった『離別祈願小絵馬』。祈願したのが男性なのか女性なのかは分かりませんが、どんな時代にもあるんですね。
天理近郊には多くの古墳や神社仏閣も存在しますので、一度訪ねられたらいかがでしょうか。
カリマンタン、ダヤック族のシャーマニズム
先週に続き、プリミティヴなものを紹介致します。
シャーマン使用のフィギュア。腕に多くのチャームをぶら下げ、何を祈祷するのであろう。
シャーマン・バスケット。籠の中に模様を刻んだ竹筒が数本、それらを使って占う。
私は、その存在すら知らなかったのですが、人のお勧めで、先日の定休日に天理大学附属天理参考館へ行ってきました。天理教を海外に布教する人々の、諸外国の生活習慣や歴史等の知識を深めるため、1930年に創設されたそうです。展示場は万博会場跡にある民族学博物館を小型にしたような感じですが、考古美術はなかなかのものが多くありました。アイヌの祭祀具も良かったですが、特に笑えたのは、絵馬の陳列ケースにあった『離別祈願小絵馬』。祈願したのが男性なのか女性なのかは分かりませんが、どんな時代にもあるんですね。
天理近郊には多くの古墳や神社仏閣も存在しますので、一度訪ねられたらいかがでしょうか。
カリマンタン、ダヤック族のシャーマニズム
先週に続き、プリミティヴなものを紹介致します。
シャーマン使用のフィギュア。腕に多くのチャームをぶら下げ、何を祈祷するのであろう。
シャーマン・バスケット。籠の中に模様を刻んだ竹筒が数本、それらを使って占う。
2012年11月7日水曜日
2012年10月25日木曜日
2012年10月16日火曜日
粋
今回登場するのは、須恵器の蓋杯。ただし、ただの須恵器ではない。内側全体に漆が掛かっている。それも、蓋と重なる部分には薄い木を張り、その上に漆を。塗った漆はめくれ上がっていないものの、ひび割れを起こし、その状態から江戸時代以前に施されたと思われる。その頃にも発掘なんてあったのだろうか。当時の須恵器の値段は想像できないが、加工賃の方が器自体よりもずっと高かったはずだ。どんな人物がこれを注文したのだろう。茶人だろうか。いつの時代にも数寄者は存在するのだなあ。とにかく、これを作らせた人の粋に感服する。菓子を入れて来客に出せば、たいそう喜ぶかもしれないが、相手に絵心がなければ、なんて汚い器を出すのだと思われるかもね。
今回登場するのは、須恵器の蓋杯。ただし、ただの須恵器ではない。内側全体に漆が掛かっている。それも、蓋と重なる部分には薄い木を張り、その上に漆を。塗った漆はめくれ上がっていないものの、ひび割れを起こし、その状態から江戸時代以前に施されたと思われる。その頃にも発掘なんてあったのだろうか。当時の須恵器の値段は想像できないが、加工賃の方が器自体よりもずっと高かったはずだ。どんな人物がこれを注文したのだろう。茶人だろうか。いつの時代にも数寄者は存在するのだなあ。とにかく、これを作らせた人の粋に感服する。菓子を入れて来客に出せば、たいそう喜ぶかもしれないが、相手に絵心がなければ、なんて汚い器を出すのだと思われるかもね。
2012年10月14日日曜日
2012年10月11日木曜日
今日は、最近仕入れたモノの中で、多くの人に知られていない二品を紹介させていただきます。
まずは、籐製の籠。フィリピンの山岳民族のもので、室内で薪を燃やすために煤をかぶり、燻された姿に重厚感を感じるが、無駄な装飾を省いたミニマルなデザインは、日本製のものを圧倒する。かなりの時代感があり、底のフレームは黒く錆びた鉄のようにも見える。フィリピンでこんなに素敵なものがあるのかとも思ったが、デンマークに籐の家具では世界一のクオリティとデザインを誇るボナティナというブランドがあり、生産をフィリピンで行っていることを思い出した。はやりものが好きな日本人はヤマブドウの籠を買ったりしているが、同時代のそれらと比べると、価格は十分の一程。あなたなら、どちらを選びますか。仕入れてすぐに買い手がついたが、こんなに珍しい優品をブログで紹介したいと、お客さんから許可をいただいた。ただ、画像では実際の質感を味わっていただけないのが残念である。
次に紹介するのは、江戸時代の苗代川窯の壺。同業者に聞くと、この色に人気がないらしいが、蕎麦釉を掛けて流れたさまに素朴な力強さを感じる。特に、作為のないさまが心地良い。朝鮮から渡って来た陶工が作ったのであろう。柳宗悦もこの窯のものを収集しているが、現代人にはどうも人気がないらしく、かわいそうなくらい値が安い。苗代川窯といってもピンとこない方もいらっしゃると思うが、ようは薩摩焼。薩摩焼といえば、白地に派手な絵付けをした焼物を想像されるだろうが、それらは苗代川窯で上手とされ、シロモンと呼ばれ、今回紹介するような焼物は下手のクロモンと呼ばれている。私には、こちらの方が上手だと思われるのだが。
まずは、籐製の籠。フィリピンの山岳民族のもので、室内で薪を燃やすために煤をかぶり、燻された姿に重厚感を感じるが、無駄な装飾を省いたミニマルなデザインは、日本製のものを圧倒する。かなりの時代感があり、底のフレームは黒く錆びた鉄のようにも見える。フィリピンでこんなに素敵なものがあるのかとも思ったが、デンマークに籐の家具では世界一のクオリティとデザインを誇るボナティナというブランドがあり、生産をフィリピンで行っていることを思い出した。はやりものが好きな日本人はヤマブドウの籠を買ったりしているが、同時代のそれらと比べると、価格は十分の一程。あなたなら、どちらを選びますか。仕入れてすぐに買い手がついたが、こんなに珍しい優品をブログで紹介したいと、お客さんから許可をいただいた。ただ、画像では実際の質感を味わっていただけないのが残念である。
次に紹介するのは、江戸時代の苗代川窯の壺。同業者に聞くと、この色に人気がないらしいが、蕎麦釉を掛けて流れたさまに素朴な力強さを感じる。特に、作為のないさまが心地良い。朝鮮から渡って来た陶工が作ったのであろう。柳宗悦もこの窯のものを収集しているが、現代人にはどうも人気がないらしく、かわいそうなくらい値が安い。苗代川窯といってもピンとこない方もいらっしゃると思うが、ようは薩摩焼。薩摩焼といえば、白地に派手な絵付けをした焼物を想像されるだろうが、それらは苗代川窯で上手とされ、シロモンと呼ばれ、今回紹介するような焼物は下手のクロモンと呼ばれている。私には、こちらの方が上手だと思われるのだが。
2012年10月4日木曜日
幕末〜明治の織部小皿。1枚の縁に銀直しあり
江戸時代の犬山焼小皿
黒漆での直しがある発掘の瀬戸灰釉皿。室町はあるでしょう
明治の絵唐津盃
奈良時代の土師器小皿。時代があるだけに、ホツはあり
江戸後期、伊万里の向付、盃にちょうど良いサイズ
江戸時代の金銅念持仏
大正時代の面取りグラス
昭和初期のくびれグラス
モロッコ、ベドウィン使用のアイラインパウダー入れ
チュニジア、ベドウィン女性のシルバー製髪飾り
イエメン、ここまで使うかと思わせる、鉄の痩せたハサミ
中国、漢時代の二耳壺
李朝、トロトロの木椀
和洋折衷、様々な用途に使用できる30年前のデッドストック、リモージュのカフェオーレボウル
2012年9月28日金曜日
2012年9月27日木曜日
2012年9月2日日曜日
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