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2023年9月30日土曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、チベットのトクチャを3点紹介致します。


まずは古手のトクチャで、持金剛仏をモチーフにして吐蕃王朝時代に造られたものです。中国歴で言うと唐代(618~907)頃なので、古色の付き方が、時代の若いものと比べると雲泥の差があります。幅3.5cm、高さ4.9cm



以前にも、このブログで三尊仏のトクチャを紹介したことがありますが、これは、違った姿の三尊仏トクチャです。かなり古く見えますが、200~300年程前のもので、中国では清代です。幅3.8cm、高さ5cm



これは、鉄造のプルパ(金剛杭)型トクチャで、造られたのは、上記の三尊仏と同様、200~300程前です。上部には馬の頭がデザインされています。トクチャはチベットのお守りですが、ほとんどが身に付けられるように、紐を通す穴が開けられているので、ペンダント・トップとして使用できます。高さ3.3cm

2023年9月26日火曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、中国の磁器像を2点紹介致します。


これは、明代の磁州窯で造られた唐子像です。赤児が這い這いしている造形ですが、このような品は他に見たことがないので、かなりの珍品だと思います。ややカセた部分がありますが、その他のダメージはございません。全長7.5cm、高さ5.3cm


こちらは、元代頃の影青、騎馬像です。馬の胴部に丸いものがいくつか付けられていますが、反対側の臀部辺りの1つが剥がれています。それ以外のダメージはなく、コンディションは上々です。全長13.3cm、高さ9.9cm

2023年9月22日金曜日

企画展 『いきもののカタチ』

2023年9月23日(土) - 10月8日(日)  12:00 - 18:00  会期中の休店日: 10月2日(月)


いよいいよ明日から今回の企画展開始です。ご興味のある方の来店をお待ちしておりますので、よろしくお願い致します。
なお、日本の器やアラブの古道具等を入れた常設の棚は、そのまま残しております。

今日は、ブロンズの品を4点紹介致します。


まずは、マリ共和国に住むドゴン族のドアですが、実際に使われていた家の扉ではなく、家の中の置物として、100年以上前に造られたものです。モチーフは、上部にカナガマスクを被った人物、下は、トカゲや蛇等の動物です。幅20.1cm、高さ28cm


こちらの立像もドゴン族のもので、頭上のヘルメットや鎧っぽい服装から、戦士像ではないかと思ったのですが、右手に棒、左手に太鼓のようなものを持っているので、儀式に際しての姿を表現したのかもしれません。中腰のような姿で立っていますが、机の縁に座らせることもできます。やはり100年程前の作です。高さ39.8cm


これは、イランで発掘された、後期鉄器時代BC1000年頃のルリスタン奉納ピンです。一般的に奉納ピンと呼ばれてはいますが、この用途はいまだに不明のようで、奉納品であったとする説や、衣服を止めたピンであったのだろうと推測する学者等、意見が分かれているようです。乗っている動物は山羊でしょう。長さ18.2cm


これがどこで造られたものか分からないのですが、恐らくインド辺りのものではないかと思います。孔雀がモチーフの小品ですが、小さくても重さがややあり、ペーパーウェイトだったのではないでしょうか。高さ6.2cm

2023年9月19日火曜日

猿投円面硯



平安時代の猿投硯です
。この形状からして、猿投の窯道具から後の時代に硯を作ったのかと思いましたが、平らで釉薬の掛かった縁を見ますと、最初から硯として作られたものかと思われます。ミホミュージアム等に、台付きの円面硯が所蔵されていますが、当時でも様々な形状の硯があったのでしょう。私は仏台として使おうかと思い入手したのですが、台として使うには少々お高いかもしれません。直径9cm、高さ5.8cm
 

2023年9月17日日曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、テラコッタ製の品を3点紹介致します。


モヘンジョダロは、4000年程前に栄えたインダス文明最大の都市遺跡ですが、このコブ牛はその地での発掘品です。表面に多少の擦れがあり、左前脚と右後脚の内側にソゲがありますが、内側なので目立たなく、鑑賞するには十分なコンディションだと思います。全長9.2cm、高さ6.7cm


マヤ文明下での人物像です。胸が膨らんでいるので、女性でしょうか。私は、南米ものは詳しくないのですが、古代では、世界の様々な地域で生贄の風習がありましたから、この像の表情から、呪術的な意味合いがあったのではないかと想像しています。高さ13.5cm


以前にも、これと似た土偶を紹介したことがありますが、これはニジェールのブラ遺跡で発掘されたものです。12c頃のものとされていますが、その遺跡では未だに綿密な調査が行われていないために、詳細不明な部分が多いようです。ダメージのあった箇所が補修されていますが、パティーナが美しく、ひょうきんな表情が可愛いです。ブラ遺跡での発掘品は完品が少ないそうですから、その割にはフォルムがしっかりと残り状態の良い方でしょう。コレクターが大切にされていたようで、四方桟の杉箱に収まっていました。高さ27.5cm

2023年9月13日水曜日

伊万里瑠璃釉輪花小皿



5客組の伊万里輪花小皿です。落ち着いた瑠璃色で、料理店でもご家庭でも使い易い器でしょう。江戸中〜後期のもので、直径10.8cmです。無疵完好

2023年9月12日火曜日

企画展 『いきもののカタチ』

2023年9月23日(土) - 10月8日(日)  12:00 - 18:00  会期中の休店日: 10月2日(月)


今日は、木造の品を4点紹介致します。


インドの牛像です。ヒンズー教では、牛を崇めますから、牛のモチーフなら直ぐにインドと思ってしまいます。造られた年代は分かり辛いですが、100年前後の古さはありそうです。全長18cm、高さ8.3cm


馬像ですが、これもインドかネパール辺りのものでしょう。こちらも牛と同様にかなり古そうです。全長13.1cm、高さ9.5cm


これは李朝の祭祀具であるボラです。この手のものは人気があるようで、新しくコピーされたものが多く出回っていますが、このように木が枯れて軽くなっていれば本物です。全長23.8cm


これは中国のものですが、珍しい木造の水盂です。獅子が彫られていて、中央の丸い入れ物は水を入れるため、向こう側にある二つの穴は、筆を立てるために開けられています。時代は、明末清初です。獅子の彫られた反対側も彫刻が施されていますが、それは花模様です。幅8.4cm、奥行5.4cm、高さ3cm

2023年9月7日木曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、ナガ族の品を4点紹介致します。


19cのブロンズ男性像です。以前にもブログで書きましたが、アフリカのプリミティヴな品同様、ナガ族の古くて良いものは多くが西洋のコレクターに収まっているために、現地にはあまり残っていません。それ故に、何処かで良い品を見つけ、買える価格であれば、できるだけ入手するようにしています。高さ28cm


これは、向かい合った2人がドラムを叩いている姿を、木とブロンズで表現した像です。現地では、かなり長いドラムを10人以上の男性が打ち鳴らすそうです。全長38cm、奥行8.6cm、高さ16cm


これは、動物の骨を利用して作られたマスクです。ツーリストの土産物として作られたのではなく、原住民の籠に取り付ける装飾品です。幅15cm、高さ18.3cm


こちらも、上の装飾品と同様に、動物の骨で作られたマスクです。骨のどの部分を利用しているのか検討がつきませんが、上手く表現していますよね。幅17cm、高さ14.6cm

2023年9月5日火曜日

ローマンガラス瓶



土が付着し、発掘されたウブの状態を保っているフラスコ型ローマンガラス瓶です。2000年近くも前、ガラスの生産が皆無であった日本と比べ、中東では多くのガラス製品が作られていますから、文明の違いを感じますね。違いと言えば、日本人は雲母状に銀化したガラスを好みますが、ヨーロッパの多くの人達は、雲母状態の剥がれた均一な表情を好むようです。高さ11cm

 

2023年9月4日月曜日

映画 『福田村事件』   監督: 森達也  at シネヌーヴォ

今日は、上記タイトルの映画を観てきました。上映前に多くのメディアで取り上げられてきた映画なので、すでに内容をご存知の方も多いでしょうが、関東大震災後に、「朝鮮人が集団で襲ってくる」とか、「朝鮮人が略奪や放火をした」等という流言が広まり、朝鮮人と間違えられた日本人の行商人集団が虐殺された史実を基に、映像化されたフィクションです。
震災後の流言や虐殺には、警察や軍、民衆の自警団等が関わり、朝鮮人だけではなく、中国人や日本人までもが殺害されたそうです。事件から100年が経過した今も、日本政府がこの虐殺の事実を認めないということには、私も日本人として恥ずかしいとの思いがあります。そんな政治家を多くの日本人が選んでいる訳ですから、根本的には、我々日本人に問題があるのかもしれません。というか、そういう政治家と同じような考えの日本人がこの国のマジョリティということでしょうか。
9月1日に上映が開始された良い映画ですから、お時間がございましたら、是非ご覧下さい。今日は月曜日でしたが、多くの方がこの映画をご覧になっていました。同時期に、第七藝術劇場では、1日に2回上映されています。
 

2023年9月2日土曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、狛犬を3点紹介致します。狛犬とは、高麗から伝わったとされる獅子が、日本独自の姿になった想像上の獣です。


まずは、魔除けとして神社仏閣の軒下角に取り付けられたのであろう、木造の狛犬です。これだけのトロトロ状態になるとは、室町以前の作でしょう。全長15.5cm、幅10cm、高さ12.5cm


こちらは、神社仏閣の欄間の装飾に使われていたのではないかと思われます。江戸時代のものでしょう。全長17.5cm


最後は、銅造の経筒ですが、珍しく蓋のつまみに狛犬が使用されています。国宝や重文の仏像でも、後補でオリジナルの姿そのままが残っていない場合が多々ありますが、このつまみに違和感はないものの、やはり後補で付けられた可能性がなきにしもあらずです。経筒の大きさから見て、鎌倉〜室町時代のものでしょう。ご覧の通り、とにかくパティーナがとても美しいです。
蓋径10.8cm、高さ22.1cm