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2015年5月14日木曜日

『明治維新という過ち』  原田伊織著  毎日ワンズ刊

上記タイトルの著書を紹介致します。成熟した文化の存在なしに、まともな政治・経済は生まれないというのが私の思考の根本にあります。かなり前から、豊かな日本文化を葬ったのは明治維新であると思い、維新を蜂起した者たちをことのほか評価する司馬遼太郎氏にも疑問を感じていたのですが、この本の著者は、明治維新というものに生理的反感を覚えた最初のきっかけが廃仏毀釈であると述べています。著者は、水戸学というカルトに冒された、吉田松陰をはじめとする長州の狂信的なテロリストを中心に明治維新が起きたと論じ、われわれ日本人が義務教育で教えられてきた、近代日本幕開けとして輝かしいイメージのある明治維新は、長州・薩摩の所謂「官軍」によって書かれた歴史であると述べています。テロ集団でも、勝てば「官軍」ということです。明治維新を美化したテレビドラマが流行っているようですが、視聴者受けするように作られたドラマが、いかにフィクションであるかをこの一冊が教えてくれるでしょう。
この本の初刷は今年の1月ですが、私が手に入れた4月初旬のものは、第7刷となっていました。ネット通販で買おうとしましたが、どのサプライヤーも在庫切れで、在庫のあった書店まで出向きました。それほど読まれているベストセラー本でもあり、購読をお勧めします。金儲けばかり考えていたり、政治を他人事だと能天気に構えていると、とんでもない国になってしまいそうですからね。



誕生仏

本の紹介とリンクしますが、今日は、廃仏毀釈によって傷つけられたと思われる木製誕生仏の紹介です。



腕をもぎ取られ、顔も潰されています。棺桶のように、江戸時代の箱に入れました。誕生仏自体は、江戸初期以前のものと思われます。