現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

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2022年9月29日木曜日

企画展 『Favorites』

今日は、オブジェとして飾れるアジアの発掘ものを2点紹介致します。


まずは、中国、北魏加彩文官俑で、女性のように見えますが、男性像です。小さいながらも優品で、美しい色彩が残り、左手を外向けに付けられた珍しい俑です。直しはないようです。高さ22.6cm(含台)


こちらは、アフガニスタン発掘のハッダストゥッコです。大きめの仏頭で、鼻の辺りに僅かなダメージがありますが、ディテールがシャープに残っている上に、優しい良いお顔をされています。本体の高さ16cm、台を含めた高さ27.3cm

2022年9月26日月曜日

 企画展 『Favorites』

2022年9月27日(火) - 10月10日(月)  12:00 - 18:00   10月3日(月)は休店

いよいよ明日から、今回の企画展の開始です。このブログでは、優品・珍品を中心に紹介しておりますが、お手頃な価格帯の品もございますと同時に、常設の棚も残しておりますので、ご興味のある方はどうぞご来店いただきますよう、よろしくお願い致します。

なお、新型コロナ・ウィルス禍が収まっておりませんので、ご来店の際はマスクの着用をお願い致します。


今日は、仏教もの3点の紹介です。


平安〜鎌倉時代に造られた、トロトロの地蔵菩薩です。仏像にしろ神像にしろ、このように朽ちるのはどのような環境下にあったのかと、つい考えてしまいます。古くても制作当時の姿をそのまま残している仏像がありますが、朽ちて抽象的になったものを私は好みます。高さ30cm


南北朝時代頃の、東寺金銅小皿です。重量感のあるしっかりとした造りで、ダメージがなく、鍍金も薄っすらと残っています。直径9.9cm、高さ2.1cm
下が、裏面の画像ですが、高台内にタガネで『東寺』と彫られています。




最後に紹介しますのは、中国、六朝時代の金銅仏です。ダメージがなく、ご覧の通り、鍍金も程良く残っています。高さ12cm

2022年9月22日木曜日

企画展 『Favorites』

今日は、5客組みの器を3種紹介致します。
その他、10客組みの小鉢や20客組みの蕎麦猪口もございます。どちらも江戸後期の伊万里染付です。


まずは、江戸中期の伊万里で、柿右衛門手白磁菊花中鉢です。無疵完好、サイズもややあるので、いろんなものを盛ることができます。口径16cm、高さ6.2cm


こちらも、江戸中期に作られた、伊万里染付中皿ですが、紙刷りのため、色の濃さにそれぞれ若干の違いがございます。無疵の変形皿で、この形の小皿は時々見ることがありますが、中皿は珍しいようです。サイズは、縦12.7cm、横18.3cm、高さ4.2cm


最後は、明治頃の、乳白渦文ガラス中皿です。縁の立った平皿で、サイズが手頃、夏に造り等を盛るにはもってこいの器です。まず見掛けない珍しいガラス皿で、カケやヒビはございませんが、1枚の裏側に2cm程の細い擦り傷があります。口径19.5cm、高さ2.3cm

2022年9月17日土曜日

企画展 『Favorites』

今日は、プリミティヴな世界のブロンズ像を3点紹介致します


これは、ナイジェリアの古都であったイフェで、15~16c頃に造られたヨルバ族のオニ(王)像です。かなり昔のアフリカで、このような素晴らしいブロンズ像が造られたことには吃驚です。高さ31.8cm


これもアフリカ、マリのドゴン族が造った立像です。200年以上前に造られた像でしょうが、伝世のため、状態が非常に良く、美しいパティーナを保っています。20世紀初頭に活躍した多くのアーティスト達が、プリミティヴな造形に影響を受けましたが、ジャコメッティやブランクーシが、このような立像からヒントを得て、自身の作品に昇華させたのでしょう。高さ16.7cm


こちらは、インドの北東部に住むナガ族のブロンズ像ですが、このように両親と子供が一緒になった像は、これまでに見たことがなく、かなり珍しいものです。19c頃の作で、父親が首から下げている頭型のレリーフは、1人の首を刈った証です。
高さ24.3cm(含台)

2022年9月12日月曜日

企画展 『Favorites』

今日は、身に付けるアクセサリーを3点紹介致します。


まず最初は、エッジドカーネリアンのネックレスです。エッジドカーネリアンとは、インダス文明が栄えたBC2000頃に、植物から抽出したアルカリ性のナトロンという液でカーネリアンに文様を描き、300~400℃の低温で焼き付けたものです。このネックレスは、粒の揃った小さめの石を集めて作られていますので、品が良く、女性だけではなく男性が付けても素敵だと思います。作られてから数千年経っても、文様が剥げないのですから、先史時代の人達の知恵はすごいですね。


これは、ターコイズのネックレスですが、アメリカのアリゾナ州にあった、スリーピングビューティー鉱山で発掘された石を集めたものです。スリーピングビューティーのターコイズは、混じり気がほとんどないので、世界で最も美しいターコイズとされていましたが、2012年に閉山したため、もう入手することができません。こちらも、男性が着用してもおかしくないでしょう。


最後に紹介しますのは、中国、戦国時代のブロンズ製護符です。男性の赤ん坊がモチーフのようで、子供の守護といった意味合いがあったのかもしれません。とても可愛い姿で、頭頂部に紐を通せるようになっているので、お守りとして首に掛けることができます。高さ4.3cm

2022年9月7日水曜日

企画展 『Favorites』

今日の品紹介は、古写経の残欠3点です。軸装は、各人の好みがありますので、取り敢えず、額装にしております。
3点共、京都の藝林荘が昭和34年に売り出したもので、同一コレクターの所蔵品でした。
これらの残欠は台紙に貼られており、台紙の裏には、仏教学者であり、浄土真宗本願寺派の僧侶でもいらっしゃった、禿氏祐祥 (とくし ゆうしょう・1879~1960) 氏の解説が書かれていますので、それを、それぞれの画像の下に、緑字で記します。


天平経

天平時代 宝亀三年十一月一日 山脊野中 (やましろ のなか)
  山邊初花 (花初の間違いだと思われる) 校の
  大般若派羅密多経巻第三百九十五の一具経の残欠
  記 山脊野中は天平八年七月に薬師教二十一巻の書生
  中の人物 宝亀四年に至る迄 三十八年間の記録ある
  写経生 一難宝郎の如き筆才ではないが欧風の
  よい所を取入れて横書に直線的の鋭さがある古法
  体である
 此の経は守屋先生の所持せらるる一巻と此の残欠の
 みであります
 田中塊堂氏の古経綜鑑第百五十六頁山脊野中
 書写を対照せられたり

上記の守屋先生とは、守屋孝蔵 (1876~1954) 氏のことで、弁護士であり、古写経をはじめ美術品の著名な蒐集家であった。
その一巻は、京都国立博物館に所蔵され、重要文化財となっている。


高麗経

高麗時代 斐紙 銀泥字
  摩訶般若波羅蜜経の残欠

斐紙 (雁皮紙) とは、沈丁花科の植物である、雁皮から作られる和紙。斐紙・肥紙は古代の名称で、美しさと風格により、紙の王と評される。
この摩訶般若派羅密経 (大品般若経) は、西域の僧であった、鳩摩羅什 (くまらじゅう) の漢訳。


李朝経

李朝 紺紙 金字 法華経


五行の残欠だが、濃い紺紙に付いた古色が美しく、ヴィジュアルとしても素晴らしい。

2022年9月2日金曜日

企画展 『Favorites』

今日は、味の良い陶磁器を3点紹介致します。


まずは、江戸中期の御深井蓋付六角鉢です。蓋に描かれているのは、デフォルメされた松でしょうか、味わい深い絵です。蓋の裏側隅に1ヶ所ソゲがありますが、表からは見えません。かつては、御深井焼のビッグコレクターの所蔵品で、この手は、御深井焼初期の作でしょう。蓋のサイズ: 縦15.2cm、横18.2cm、高さ8.1cm (摘みの上まで)


こちらは、桃山〜江戸初期の弥七田織部中皿です。オモダカと千鳥がデフォルメされて描かれており、疵は、高台に1ヶ所ノミホツがあるだけです。灯明皿のように、真っ平らな作りになっています。直径20.3cm


最後に紹介しますのは、中国明代の南京白磁中皿です。無疵で、縁の虫喰いが味わい深い印象を与え、印刻と青みがかった白磁が素敵です。箱蓋に、白南京 菓子器 夏生軒と墨書きされていますが、夏生軒とは、堂本印象の作品を鑑定した弟 (堂本四郎) の号です。ただ、皿自体には、どんな箱書きも必要ないほどの魅力があります。見込みには全く擦り傷が見受けられないのですが、裏面に付いた古色から、頻繁に使用されたものと推察します。洗う際にも、常に注意深く丁寧に扱われていたのでしょう。直径21.3cm、高さ4.2cm