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2020年3月30日月曜日

企画展 『花の器 8th』

今日は、中国の黒陶を2点紹介致します。


新石器時代の黒陶双耳小壺です。その時代は、アンダーソン土器が有名ですが、この手の文様のない黒陶双耳壺は珍しいでしょう。カセてはいますが、無疵です。胴径15.2cm、高さ12.3cm


肩が張り、花を生け易い形状の黒陶中壺です。これも新石器時代のものだと思うのですが、時代が少し下がるかもしれません。底に1ヶ所、ソゲがありますが、それ以外の疵はございません。こんなに古い時代から、ロクロを使って成形しています。胴径21.6cm、高さ20.2cm

2020年3月26日木曜日

企画展 『花の器 8th』

今日は、木で作られた日本のものを2点紹介致します。


漆桶ですが、このように背の低いものは初めて見ました。普段見掛ける漆桶は、木から採取した漆を入れるためのものですが、今回紹介する桶は、塗師が作業する際に使用した器ではないでしょうか。どのような利用方法だったかは定かではないですが、とにかく珍品の桶です。胴紐部分の直径12.4cm、高さ6cm
桶が黒っぽく、この画像では細部が見辛いので、下に桶だけの写真をアップします。





こちらは、江戸時代に使われた、水を通した木管を切断したものです。要は、現在の土管代わりですね。管を切ったものなので、当然ながら、底は穴が開いています。長期間土中にあったため、このように木が朽ちていますが、それがより一層に趣を醸し出しています。幅12.2cm、高さ22.8cm

2020年3月23日月曜日

企画展 『花の器 8th』

いよいよ、明日から企画展の開始です。花器にご興味のある方は是非ご来店下さい。よろしくお願い致します。

2020年3月24日(火) ~ 4月5日(日)  12:00 ~ 18:00
会期中は無休で営業

今日は、日本のものを4点紹介致します。


美濃の匣鉢です。信楽のもの等は巷で多く見られますが、何故か美濃はほとんど見掛けません。おまけに時代が古く、桃山〜江戸初期のものでしょう。景色が良く、大きさも中壺程で、花器として丁度良いサイズです。胴径17cm、高さ12cm


これは、桃山時代の志野織部振出です。志野織部の器は、古めかしく野暮ったいデザインが多いのですが、今回紹介しますものは、フォルムが良く、デザインも現代的です。口と底に、金直しが成されています。胴径5.3cm、高さ6.8cm


こちらは、常滑の極小壺ですが、肩の張ったこの形から、平安時代の作だと思われます。口縁に僅かなホツが見受けられますが、ニュウもなく、状態良しです。胴径9.5cm、高さ7.7cm


最後は、矢作川上がりの弥生土器です。口縁にいくつか小さなソゲがありますが、一見すると無疵に見える状態の良い壺です。形良く、また、肌色と、少しオレンジ色掛かった、色のコンビネーションも美しいです。胴径13.7cm、高さ10.2cm

2020年3月18日水曜日

企画展 『花の器 8th』

今日は、掛花入を4点紹介致します。


これは、ベトナムの編み篭です。細かく編まれていて、頸には、アクセントのように2本の細い竹が回されています。少し歪んだ造形も素敵で、精緻に作られ価格の高い国産工芸品よりも味があるのではないでしょうか。高さ17.5cm


こちらは、フィリピンの編み篭です。かなり大まかに編まれたために、中が透けて見えることもあり、竹筒の落としを用意しました。高さ17cm


これは、鉄製の掛花入です。鉄筒の底を溶接して作られていますが、内部の錆び方を見ると、最初から花器として作られたものだと思います。口が、引きちぎられたような造りで、胴の鉄味が古めかしく素敵です。なお、自立しますので、卓上でも飾ることができます。長期間水を溜めると劣化が進むので、アクリルの落しを用意しました。高さ15.7cm


こちらは土器の残欠ですが、元は、弥生〜古墳時代の高坏の脚だったのではないかと思います。その部分を逆にして、紐を掛け、掛花入にしました。質感、色、共に良いです。高さ10.5cm

2020年3月13日金曜日

企画展 『花の器 8th』

今日は、李朝の小さな器を3点紹介致します。


胴径7cm、高さ5cmと、極小の堅手壺ですが、釉薬の抜けた部分が景色を作り、これだけ小さくてもなかなかの存在感があります。無疵完好です。


こちらも堅手の小瓶です。上記の極小壺とは仕入れが違ったのですが、これにも程良い釉抜けがあり、花写りが良いです。胴から底にかけてニュウがありますが、漆で止めてあるので、水漏れはございません。高さ9.9cm


石の小壺です。李朝の面取りした石壺はちょくちょく見掛けますが、このように口に縁がある壺は、花が似合います。口縁に欠けた部分があるのですが、この佇まいの魅力が、その疵をカバーできるでしょう。底径9.7cm、高さ9.2cm

2020年3月8日日曜日

企画展 『花の器 8th』

今日は、中国の小さな器を3点紹介致します。


まずは、戦国時代の印文陶小壺です。当店のブログで昨年掲載した、背の高いコップ型の印文陶小壺は時々見ますが、このように背の低いものは少ないようです。肉眼では分かりませんが、口縁に2ヶ所、ホツを直した形跡があり、無疵に見えます。胴径10.4cm、高さ6.2cm


こちらは、遼代緑釉小壺です。遼代の水瓶等はよく見掛けますが、今回の壺は珍しい形で、口の内側にも釉薬が掛けられた上手のものです。口縁に1ヶ所極小のホツがありますが、ほとんど目立ちません。胴径8.8cm、高さ10.6cm


最後は、発掘ものの漢代灰釉碗で、カセてはいますが、侘び寂び感のある景色です。無疵に見えるのですが、胴に直しがあるかもしれません。水を直接入れると、沁みてくるので、落としが必要です。口径10.2cm、高さ6.4cm

2020年3月3日火曜日

企画展 『花の器 8th』

今日は、金属でできた器を3点紹介致します。


まずは、中国の佐波理碗です。発掘ものですが、半分が土中に埋まっていたのでしょうか、上下半分ずつ、斜めに片身替えのようになっていて、上部には程良く緑青が出、とても良い景色を作り出しています。宋代頃のものでしょう。胴径16.7cm、高さ7.3cm


こちらは、鉄の香炉です。錆びた鉄味、そして胴に彫られた模様が美しく、花を生け易い大きさです。底径11.4cm、高さ8.8cm
この画像では表情を捉え難いので、本体だけの画像を下に載せます。





最後は、琉球錫の瓶子です。これがどこのものか私には分からなかったのですが、沖縄から出てきたそうです。沖縄では錫が産出されないので、琉球王府がマラッカや中国から材料を輸入して、祭祀用の器を作らせたのが琉球錫の始まりで、江戸時代から明治まで300年程の歴史を持つようです。普段よく見る錫製品とは違い、肌が荒れて独特の風合いがあります。画像でも確認できる凹み等、景色として受け入れられる程、魅力のある一品です。高さ14cm