現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

Customers are able to talk in English at the shop.

2023年12月30日土曜日

2023年 営業終了

当店は、本日で本年の営業を終了致しました。
ご来店いただいたみなさまや、品を購入していただいたみなさまに感謝申し上げます。
どうも有難うございました。
コロナ・ウィルスによる感染は下火になってきたようですが、インフルエンザも流行っているようなので、健康管理には十分に気を付け、どうか良い新年をお迎え下さい。



2023年12月26日火曜日

白青ガラス戦国玉



今年最後の品紹介は、白ガラスに薄い青のガラス片を貼り付けた中国の戦国玉です。初期の戦国玉は、ファイアンスという陶磁器の素地にガラスを貼り付けたものが主流で、今回紹介しますようなガラス+ガラスというのは、戦国時代から漢代頃に作られたのではなかとされています。日本でいえば縄文〜弥生時代ですから、裸に近い生活をしていた日本と比べ、このような洒落た飾りものを作っていた中国が、世界の四大文明に挙げられているのはなるほどと納得しますね。長さ1.7cm

 

2023年12月19日火曜日

ネパール護経板



チベットやネパールでは、お経を二枚の板で挟みケースとして保護しますが、今回の紹介はネパールのもので、護経板の上板です。彫刻された板に黒い塗料 (漆?) を塗り、ブロンズで作られた仏像を五体埋め込んであります。その五体は同じものではなく、それぞれ違う仏さまです。18~19c頃のものでしょう。長さ38cm

その上板の裏側には、下の画像の通り、三体の仏像が極彩色で緻密に描かれています。


2023年12月14日木曜日

年末年始のお休み

下記の期間を、当店の休業日とさせていただきますので、よろしくお願い致します。

2023年12月31日(日) ~ 2024年1月8日(月)

2023年12月12日火曜日

瀬戸御深井中鉢



古い器でありながら、ご覧の通り、現代的な絵付の瀬戸御深井釉中鉢です。やや歪みがあり、頻繁に使用された形跡があるものの、ホツもニュウもない完品です。その上、李朝もののように御本が出て、魅力ある景色を作っています。また、見込の絵がユニークで、恐らく鶏なのでしょうが、顔はまるで怪獣のようです。来客用の菓子鉢として使えば、この器の話題だけで話が弾みそうです。
口径21.1 x 19.9cm、高さ7.6cm

下に裏面の画像を載せますが、古色が付きにくい瀬戸の土でありながら、たっぷりと古色が付いています。


箱には、下の画像の通り『古絵瀬戸鉢』と書かれており、頻繁に使用されたためか、紐が千切れていましたので、新しいものに付け替えました。


2023年12月5日火曜日

仏画断簡



仏様が上下二列に12体並んだ、室町時代の小さな千体仏画です。元は大きな仏画があり、劣化した部分を切り捨てて断簡にしたのでしょう。絹本に色絵の手描きですから、それぞれの仏の顔の表情等が違い、全体の色目も品良く素敵です。
画面サイズ: 9.2 x 18.2cm、フレーム: 39.2 x 30.1cm

2023年11月28日火曜日

小さな白銅鏡



700~800年程前、宋代に内モンゴルで造られた白銅鏡です。これほど小さな白銅鏡をこれまでに見たことがなかったのですが、大きさからすると手鏡だったのでしょう。鏡面には緑青が出ていませんが、こちら側は程良い緑青が付き、パティーナが美しいです。直径6.1cm

 

2023年11月21日火曜日

鎬文小瓶



このフォルムで鎬文の小瓶には初めてお目にかかったのですが、恐らく、新羅から高麗にかけて造られた硬質陶器の油壺でしょう。疵は、口縁にノミホツと、底の中心部分に焼成時の窯割れがあるのみです。水漏れはございませんので、野の草花を生けて楽しまれてはいかがでしょうか。胴径10.2cm、高さ8.8cm

 

2023年11月14日火曜日

くらわんか初期なます皿



巷でよく目にする後期のくらわんか皿には手を出さないのですが、江戸中期に作られた、かなり分厚く重い、初期手を3客入手しました。バラ売りですが、2客は無疵、1客は僅かなニュウを漆で止めてあります。直径13.6cm、高さ4.1cm (個々のサイズに微妙な違いあり)

 

2023年11月7日火曜日

鬼神面



私好みに朽ちた、室町時代の、べしみと呼ばれる鬼神面です。胡粉の上に描かれた黒い模様がうっすらと残り、唇にもごく僅かに赤い色が確認できます。実際に能で使われたものか、神社に奉納され、神楽等に使用されたものかは分かりませんが、力強く魅力のある面です。幅12.5cm、縦16.7cm

 

2023年11月6日月曜日

ガザ 新「対テロ戦争」の最前線

11月6日(月)   17:00 - 18:30
東京大学駒場キャンパス 18号館 4階 コラボレーションルーム1
報告者: 小田切拓  コメンテーター: 鶴見太郎

急なお知らせですが、私の友人であるジャーナリストの小田切拓さんが、上記の通り、現在行われているガザ戦争についての講演会を今日開くそうなので、関東にお住まいで、この問題を深く知りたい方はどうぞ聴講してください。

小田切さんは、長くパレスチナ問題を専門に取材されてきた方で、3日前に広島からの帰りに大阪へ寄ってくれて一緒に食事をしたのですが、この講演をするのだという話はあったものの、いつあるのかは昨夜私が就寝してからのメールで知りました。

コメンテーターの鶴見太郎さんにはお会いしたことがないのですが、シオニズムを研究されている、東京大学大学院准教授だそうです。

かなり急な話ですし、時間帯もやや早いので、参加していただくには難しいでしょうが、取り敢えずお知らせいたします。

2023年10月31日火曜日

信楽擂鉢



かつては、ある窯業史研究所が所蔵し、その研究所が閉鎖される際に放出された室町時代の信楽擂鉢です。時代がありながら、無疵であることは嬉しい限りです。口径24.2cm (注口含まず)、高さ9.6cm

なお、その研究所で展示されていた時には、下の画像にある、品名を表示するための磁器製立て札が用意されていました。

 

2023年10月27日金曜日

ダヒーヤ・ドクトリン

イスラエルによるガザ攻撃が混迷を極めていますが、2015年10月31日付のブログで、2006年にあった第二次レバノン戦争直後の状況を載せていますので、どうぞご覧下さい。敵に対するイスラエルの容赦ない報復を説明しています。第二次レバノン戦争の数年後、国連施設や病院・学校等までを爆撃する姿勢がウィキ・リークスで暴露されました。
 

2023年10月24日火曜日

至純天珠



中国の清代、200~300年程前に作られた至純天珠です。ジービーズと呼ばれるチベット辺りの古代護符が起源ですが、中世・近世になってもそれと同じようなフォルムの護符が作られています。お守りなので人気があるのでしょう、近年では、それらを真似た粗悪品がブラジル等で作られ、かなりの数が出回っているようです。今回のものは出来が良く、デザインはアイヌ文様と似ていますが、北海道では古い時代から大陸との交流があったようで、江戸中期のアイヌ玉は、アムール川流域の山丹人との交易で中国からもたらされたそうです。
赤く染まった部分が見えますが、天寿に詳しい人の話ですと、徳を積んだ人が付けていると、そのような色が出るのだということです。私には、そのようなことが本当にあるのかどうかは分かりませんが、小降りであっても魅力のあるビーズです。
長さ3cm
 

2023年10月22日日曜日

『ホロコーストからガザへ・パレスチナの政治経済学』  サラ・ロイ

パレスチナ問題に関して、先日紹介しましたイラン・パペの本が在庫を切らしているようなので、本をもう1冊紹介致します。2009年に東京大学がユダヤ人学者であるサラ・ロイ氏を日本に招聘し、東京と京都で行われたインタビューや講演をまとめ、解説も含めた本です。
私も京都大学で聴講しましたが、イスラエルのガザ統治には、かつて我が国が行った朝鮮統治やアイヌ政策と似通った性格を持っていることに気付かされます。なお、サラ・ロイ氏のご両親はホロコーストのサバイバーでした。
 

2023年10月20日金曜日

JVP

アメリカにJewish Voice for Peace (略してJVP) というグループがあります。ユダヤ人の中でもイスラエルのシオニズム (ユダヤ人だけの国家を造る) 政策に反対し、パレスチナ人と共存することを唱える団体で、今日そこから来たメールでは、一昨日、ワシントンD.C.で、ガザでの戦争を即時停戦せよとのデモがあり、それに賛同するユダヤ人が5000人も集まり、その人数はこれまであった彼等のデモの中では最大であったそうです。
私も以前からJVPのメーリング・リストに加わっているので、先日バイデン大統領に提出する、停戦嘆願書にもサインしました。彼等の運動に賛同できる人は誰であっても参加できるようなので、ご興味のある方はどうぞ参加して下さい。ホームページから登録できるようですが、英語力は必要です。

2023年10月18日水曜日

アハリ・アル・アラビ病院爆撃

現在ガザで起きている戦争では、昨日、病院が爆撃され、500人以上が犠牲になったというニュースがありました。
私は、20年程前からパレスチナ問題に関わってきましたが、今回は、ハマースの攻撃から始まった紛争だけに、インターネットのニュースを見ると、これまでの歴史や経過を全く知らない人たちが一時の感情で文章を書いていることに辟易し、発言を控えてきました。ところが、数日前から一部のジャーナリストや学者の人たちが、何故このような事態になったのかをイスラエル建国に至る歴史や、その後のシオニズム政策についてメディアで発言するようになったので、私も書くことにします。
今回の病院での爆発は、どちらに責任があるのかがまだ判明していませんが、以前のブログでも書いた通り、イスラエルが近隣で戦闘状態になった際、国連施設であろうが病院であろうが、これまでに何度も攻撃し、そんなつもりはなかったなどの弁解を繰り返してきた事実があります。今回、ハマースがミサイル攻撃を始めた3日前には、エジプトの諜報機関がイスラエルに対し、ハマースに戦闘を始める気配があると伝えていたことがメデイアで取り上げられ、アメリカもその動きを察知していたという記事も載っていました。敵からの攻撃を常に警戒している国が、怪しい情報を無視することはないでしょう。シオニズムというのは、ユダヤ人だけの国にする思想であるだけに、ハマースの先制攻撃を理由に、パレスチナ人を追い出し民族浄化を行おうとしていたのではないかとも勘ぐれます。

この戦争がこれからどのように展開するのか全く読めませんが、今日の毎日新聞に、関連する記事が載っていたので、その内容を紹介します:ー
少し前にある会合があり、吉井理記さんという記者が駐日パレスチナ大使であるワリード・アリ・シアム氏と同席し、その会合の場にいた日本人の一人が、パレスチナ人の中に武装闘争も辞さない考えがあることに疑問を投げかけた時、非暴力主義者の大使がしばらく沈黙し、悲しげな表情で答えた内容は、「・・・・・あなたは今日、家からこの会合に来るまで、何ヵ所の検問所を通りましたか? ある日いきなり銃を突きつけられ、自分の家や土地を追い出されたことは? そんな経験はありませんよね。私たちは毎日、そんな生活を送っているのです」ヨルダン川西岸地区などでは、国連決議に反し、パレスチナ人の居住地や農地を分断するようにイスラエル人入植地や「ベルリンの壁」のような隔離壁の建設が進み、イスラエル人専用道路まで造られてきた。パレスチナ人には基本的人権であるはずの「行動の自由」はなく、どこへ行くにもイスラエル軍の検問所に並ばなければならない。封鎖によってゲットーと化したガザは、電力や食料、医薬品が欠乏し、人々が死んでいく。「国際社会は私たちにどうしろというのか。子供たちが死んでいくのをただ眺めていろとでも?」その場にいた人はうつむくしかなかった。シアム氏もパレスチナ難民の2世。先祖はエルサレム近郊のリフタ村で暮らしていたが、イスラエルの侵攻で故郷を追われ、村は消滅したという。

アメリカのバイデン大統領がイスラエルを訪問し、アメリカはイスラエルを全面的に支持すると話したそうです。以前に本の紹介をしましたが、それを読めば何故アメリカの政治家がそこまでイスラエルを支持するかが理解できるでしょう。二人のユダヤ人学者が書いた本です。
『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』上下2刊  著者: ジョン・J・ミアシャイマー、スティーヴン・M・ウォルト

もう1冊、やはりユダヤ人であるイスラエル人の本です。
『パレスチナを語る』  著者: イラン・パペ

2023年10月17日火曜日

極小銅造仏

今日は、極小の銅造仏を2点紹介致します。小さいながら、どちらも時代がややあり、魅力ある仏さまです。


中国、明代の座像仏です。400~500年程前のものですから、やはり古格を感じます。高さ3.5cm


こちらは朝鮮の高麗仏ですが、やはり古色たっぷりでパティーナが美しく、優しいお顔をされています。こんなに小さな高麗仏には、初めてお会いしました。高さ5.9cm

2023年10月15日日曜日

 『金峯山の遺宝と神仏』  at MIHO MUSEUM

今日は、ミホ・ミュージアムへ上記タイトルの企画展を観に行きました。
国宝や重要文化財を含む多くの遺物を拝見しましたが、蔵王権現のように見慣れた像や、残欠類が多く、期待していた程の高揚感はなく、展示品よりも、案内棟から展示棟へ行くまでのトンネルに惹かれました。入口はコンクリートでできていますが、内部は全てがステンレス仕上げで、これが私にとっての一番の見ものでした。私は初めて訪れた美術館ですが、多くの美術愛好家は既に行かれたことがあるのでしょうね。
宗教法人の持ち物だそうですが、広大な敷地に素敵な建造物、そして立派なコレクション、どれだけのお金持ちなのか、想像を絶する規模でした。あのトンネルだけでも、どれだけのお金が掛かったのかと、下世話な考えがふと頭をよぎりました。



2023年10月10日火曜日

竈神 (カマドガミ)


この力強い造形物を見た時、何なのか全く分からなかったのですが、これは江戸時代に現在の福岡県で、火伏せを願い、カマドの近くに祀られていた竈神なのだそうです。その竈神をインターネットで調べてみると、中国では大昔から広範に存在していたようで、日本でもカマドが初めて誕生した古墳時代から、祭祀的にそのようなものが置かれるようになり、地域差があるものの、全国にその風習があったようです。確かに、祖父母の時代から存在する我家でも、台所の近くには神棚がありますからね。
これを最初に見た時、木彫かと思ったのですが、実はこれ、新しいカマドを造った際、残りの土を利用して造られたそうで、ひょっとすると新築したカマドの中で焼かれたのかもと想像したりしています。それ程大きくなく、高さは14.5cmです。

下の画像はこの像の裏側で、このように裏に顔面模様があるものはかなり珍しいそうです。煤を被って真っ黒になっている中、どこかにぶつけて剥げた部分がありますが、造られてから数百年を経て、これだけはっきりと表情が残っているなんて、何代もの人達に崇められてきたのでしょう。

こういった像の存在は、私が昨日観た民衆仏や民衆神の考えに繋がりますね。


2023年10月9日月曜日

『みちのく いとしい 仏たち』  at 龍谷ミュージアム  2023年9月16日(土) - 11月19日(日)

今日は、上記タイトルの企画展を観てきました。内容は、青森・岩手・秋田の東北三県に伝わった約130点の仏像・神像の展示です。1ヶ月程前から、新聞広告でこの展覧会の宣伝が度々あり、当店の企画展が終われば観に行こうと思っていたところ、先日これをご覧になった方から電話をいただき、なかなか良かったので是非観てくださいとお勧めがあり、早速出向いた次第です。新聞広告の写真では、それ程魅力を感じなかったのですが、実際に観ると、素晴らしい展覧会でした。国宝や重要文化財に指定されたような、技巧的な仏師による像ではなく、民間仏と呼ばれる素朴な仏像・神像は、みちのくの厳しい風土の中、いかに民衆に寄り添い慕われてきたかを肌で感じることができました。展覧会終了まで、まだまだ日にちがございますので、ご興味のある方は是非どうぞ。



2023年10月8日日曜日

企画展 『いきもののカタチ』 終了

本日で、今回の企画展が終了しました。遠くからご来店いただいた方も多く、嬉しい思いです。
ご来店いただいたみなさま、そして、品をお買い上げいただいたみなさまに感謝申し上げます。
どうも有難うございました。

明後日からは平常営業に戻りますので、またよろしくお願い致します。



2023年10月5日木曜日

企画展 『いきもののカタチ』

2023年9月23日(土) - 10月8日(日)  12:00 - 18:00


今回の企画展も、今日を含め後4日間となりました。ご興味のある方のご来店をお待ちしております。

今日は、アフリカのプリミティヴな鉄造オブジェを4点紹介致します。全てが古いものですが、お手頃価格です。


マリ共和国、ドゴン族の騎馬像です。動物の脚が短いので、馬ではなくロバでしょうか。全長19.4cm、高さ19.1cm


こちらも、同じくドゴン族のもので、犬を表しているそうです。全長25.9cm、高さ17.2cm


こちらは、ブルキナファソ、ロビ族の人物像ですが、大胆なデフォルメにより抽象的、なかなか可愛い姿です。高さ25.8cm


これもロビ族の人物像で、やはりデフォルメが大胆、腕もありません。真ん中に輪っかがあるのは、それが意匠なのか、どこかに引っ掛けるためにあるのかは?です。高さ16.3cm

2023年9月30日土曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、チベットのトクチャを3点紹介致します。


まずは古手のトクチャで、持金剛仏をモチーフにして吐蕃王朝時代に造られたものです。中国歴で言うと唐代(618~907)頃なので、古色の付き方が、時代の若いものと比べると雲泥の差があります。幅3.5cm、高さ4.9cm



以前にも、このブログで三尊仏のトクチャを紹介したことがありますが、これは、違った姿の三尊仏トクチャです。かなり古く見えますが、200~300年程前のもので、中国では清代です。幅3.8cm、高さ5cm



これは、鉄造のプルパ(金剛杭)型トクチャで、造られたのは、上記の三尊仏と同様、200~300程前です。上部には馬の頭がデザインされています。トクチャはチベットのお守りですが、ほとんどが身に付けられるように、紐を通す穴が開けられているので、ペンダント・トップとして使用できます。高さ3.3cm

2023年9月26日火曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、中国の磁器像を2点紹介致します。


これは、明代の磁州窯で造られた唐子像です。赤児が這い這いしている造形ですが、このような品は他に見たことがないので、かなりの珍品だと思います。ややカセた部分がありますが、その他のダメージはございません。全長7.5cm、高さ5.3cm


こちらは、元代頃の影青、騎馬像です。馬の胴部に丸いものがいくつか付けられていますが、反対側の臀部辺りの1つが剥がれています。それ以外のダメージはなく、コンディションは上々です。全長13.3cm、高さ9.9cm

2023年9月22日金曜日

企画展 『いきもののカタチ』

2023年9月23日(土) - 10月8日(日)  12:00 - 18:00  会期中の休店日: 10月2日(月)


いよいいよ明日から今回の企画展開始です。ご興味のある方の来店をお待ちしておりますので、よろしくお願い致します。
なお、日本の器やアラブの古道具等を入れた常設の棚は、そのまま残しております。

今日は、ブロンズの品を4点紹介致します。


まずは、マリ共和国に住むドゴン族のドアですが、実際に使われていた家の扉ではなく、家の中の置物として、100年以上前に造られたものです。モチーフは、上部にカナガマスクを被った人物、下は、トカゲや蛇等の動物です。幅20.1cm、高さ28cm


こちらの立像もドゴン族のもので、頭上のヘルメットや鎧っぽい服装から、戦士像ではないかと思ったのですが、右手に棒、左手に太鼓のようなものを持っているので、儀式に際しての姿を表現したのかもしれません。中腰のような姿で立っていますが、机の縁に座らせることもできます。やはり100年程前の作です。高さ39.8cm


これは、イランで発掘された、後期鉄器時代BC1000年頃のルリスタン奉納ピンです。一般的に奉納ピンと呼ばれてはいますが、この用途はいまだに不明のようで、奉納品であったとする説や、衣服を止めたピンであったのだろうと推測する学者等、意見が分かれているようです。乗っている動物は山羊でしょう。長さ18.2cm


これがどこで造られたものか分からないのですが、恐らくインド辺りのものではないかと思います。孔雀がモチーフの小品ですが、小さくても重さがややあり、ペーパーウェイトだったのではないでしょうか。高さ6.2cm

2023年9月19日火曜日

猿投円面硯



平安時代の猿投硯です
。この形状からして、猿投の窯道具から後の時代に硯を作ったのかと思いましたが、平らで釉薬の掛かった縁を見ますと、最初から硯として作られたものかと思われます。ミホミュージアム等に、台付きの円面硯が所蔵されていますが、当時でも様々な形状の硯があったのでしょう。私は仏台として使おうかと思い入手したのですが、台として使うには少々お高いかもしれません。直径9cm、高さ5.8cm
 

2023年9月17日日曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、テラコッタ製の品を3点紹介致します。


モヘンジョダロは、4000年程前に栄えたインダス文明最大の都市遺跡ですが、このコブ牛はその地での発掘品です。表面に多少の擦れがあり、左前脚と右後脚の内側にソゲがありますが、内側なので目立たなく、鑑賞するには十分なコンディションだと思います。全長9.2cm、高さ6.7cm


マヤ文明下での人物像です。胸が膨らんでいるので、女性でしょうか。私は、南米ものは詳しくないのですが、古代では、世界の様々な地域で生贄の風習がありましたから、この像の表情から、呪術的な意味合いがあったのではないかと想像しています。高さ13.5cm


以前にも、これと似た土偶を紹介したことがありますが、これはニジェールのブラ遺跡で発掘されたものです。12c頃のものとされていますが、その遺跡では未だに綿密な調査が行われていないために、詳細不明な部分が多いようです。ダメージのあった箇所が補修されていますが、パティーナが美しく、ひょうきんな表情が可愛いです。ブラ遺跡での発掘品は完品が少ないそうですから、その割にはフォルムがしっかりと残り状態の良い方でしょう。コレクターが大切にされていたようで、四方桟の杉箱に収まっていました。高さ27.5cm

2023年9月13日水曜日

伊万里瑠璃釉輪花小皿



5客組の伊万里輪花小皿です。落ち着いた瑠璃色で、料理店でもご家庭でも使い易い器でしょう。江戸中〜後期のもので、直径10.8cmです。無疵完好

2023年9月12日火曜日

企画展 『いきもののカタチ』

2023年9月23日(土) - 10月8日(日)  12:00 - 18:00  会期中の休店日: 10月2日(月)


今日は、木造の品を4点紹介致します。


インドの牛像です。ヒンズー教では、牛を崇めますから、牛のモチーフなら直ぐにインドと思ってしまいます。造られた年代は分かり辛いですが、100年前後の古さはありそうです。全長18cm、高さ8.3cm


馬像ですが、これもインドかネパール辺りのものでしょう。こちらも牛と同様にかなり古そうです。全長13.1cm、高さ9.5cm


これは李朝の祭祀具であるボラです。この手のものは人気があるようで、新しくコピーされたものが多く出回っていますが、このように木が枯れて軽くなっていれば本物です。全長23.8cm


これは中国のものですが、珍しい木造の水盂です。獅子が彫られていて、中央の丸い入れ物は水を入れるため、向こう側にある二つの穴は、筆を立てるために開けられています。時代は、明末清初です。獅子の彫られた反対側も彫刻が施されていますが、それは花模様です。幅8.4cm、奥行5.4cm、高さ3cm

2023年9月7日木曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、ナガ族の品を4点紹介致します。


19cのブロンズ男性像です。以前にもブログで書きましたが、アフリカのプリミティヴな品同様、ナガ族の古くて良いものは多くが西洋のコレクターに収まっているために、現地にはあまり残っていません。それ故に、何処かで良い品を見つけ、買える価格であれば、できるだけ入手するようにしています。高さ28cm


これは、向かい合った2人がドラムを叩いている姿を、木とブロンズで表現した像です。現地では、かなり長いドラムを10人以上の男性が打ち鳴らすそうです。全長38cm、奥行8.6cm、高さ16cm


これは、動物の骨を利用して作られたマスクです。ツーリストの土産物として作られたのではなく、原住民の籠に取り付ける装飾品です。幅15cm、高さ18.3cm


こちらも、上の装飾品と同様に、動物の骨で作られたマスクです。骨のどの部分を利用しているのか検討がつきませんが、上手く表現していますよね。幅17cm、高さ14.6cm

2023年9月5日火曜日

ローマンガラス瓶



土が付着し、発掘されたウブの状態を保っているフラスコ型ローマンガラス瓶です。2000年近くも前、ガラスの生産が皆無であった日本と比べ、中東では多くのガラス製品が作られていますから、文明の違いを感じますね。違いと言えば、日本人は雲母状に銀化したガラスを好みますが、ヨーロッパの多くの人達は、雲母状態の剥がれた均一な表情を好むようです。高さ11cm

 

2023年9月4日月曜日

映画 『福田村事件』   監督: 森達也  at シネヌーヴォ

今日は、上記タイトルの映画を観てきました。上映前に多くのメディアで取り上げられてきた映画なので、すでに内容をご存知の方も多いでしょうが、関東大震災後に、「朝鮮人が集団で襲ってくる」とか、「朝鮮人が略奪や放火をした」等という流言が広まり、朝鮮人と間違えられた日本人の行商人集団が虐殺された史実を基に、映像化されたフィクションです。
震災後の流言や虐殺には、警察や軍、民衆の自警団等が関わり、朝鮮人だけではなく、中国人や日本人までもが殺害されたそうです。事件から100年が経過した今も、日本政府がこの虐殺の事実を認めないということには、私も日本人として恥ずかしいとの思いがあります。そんな政治家を多くの日本人が選んでいる訳ですから、根本的には、我々日本人に問題があるのかもしれません。というか、そういう政治家と同じような考えの日本人がこの国のマジョリティということでしょうか。
9月1日に上映が開始された良い映画ですから、お時間がございましたら、是非ご覧下さい。今日は月曜日でしたが、多くの方がこの映画をご覧になっていました。同時期に、第七藝術劇場では、1日に2回上映されています。
 

2023年9月2日土曜日

企画展 『いきもののカタチ』

今日は、狛犬を3点紹介致します。狛犬とは、高麗から伝わったとされる獅子が、日本独自の姿になった想像上の獣です。


まずは、魔除けとして神社仏閣の軒下角に取り付けられたのであろう、木造の狛犬です。これだけのトロトロ状態になるとは、室町以前の作でしょう。全長15.5cm、幅10cm、高さ12.5cm


こちらは、神社仏閣の欄間の装飾に使われていたのではないかと思われます。江戸時代のものでしょう。全長17.5cm


最後は、銅造の経筒ですが、珍しく蓋のつまみに狛犬が使用されています。国宝や重文の仏像でも、後補でオリジナルの姿そのままが残っていない場合が多々ありますが、このつまみに違和感はないものの、やはり後補で付けられた可能性がなきにしもあらずです。経筒の大きさから見て、鎌倉〜室町時代のものでしょう。ご覧の通り、とにかくパティーナがとても美しいです。
蓋径10.8cm、高さ22.1cm