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2023年1月6日金曜日

Gerhard Richter 展  at 豊田市美術館

今日は、豊田市まで、ゲルハルト・リヒター展を観に行ってきました。豊田市美術館を訪れたのは23年ぶりで、前回は2000年、住んでいたセイシェルから一時帰国した際、私の最も好きな美術家であるアルベルト・ブッリの展覧会を観るためでした。豊田市までは、名古屋駅からでも1時間掛かるため、大阪からは新幹線を使わないととんでもない時間が必要です。交通費がかなり掛かるのでどうしようかと迷ったのですが、2019年にリヒターの財団が設立され、主要な作品はそこで保管して、今回の展覧会ではそれらの作品が展示されるとのことで、行くことにしました。関西でやれば気軽に観れるのにと思うのですが、随分前に、ある美術関係者から聞いた話によると、作品の価格がかなり高い場合、海外から運ぶ保険料が高額になり、多くの美術館はそれがネックで受け入れないところ、豊田市美術館はトヨタ自動車から入る潤沢な税金のおかげで、巨匠の展覧会を開催できるとのことでした。ピカソやシャガール等、一般によく知られている美術家であれば、まだいくつかの美術館が展覧会を開催するのでしょうが、ブッリやリヒターを知っている日本人は少ないでしょうから、動員数を予測すれば、やはり二の足を踏むのでしょう。美術館近くの中学校の生徒さんたちでしょうか、多くが制服姿で鑑賞されていましたが、授業の一環として行われているとすれば、アート好きな生徒さんにとっては、幸せな取組みでしょう。私の父は美術鑑賞や音楽鑑賞が好きな人だったので、小さな頃から美術館やコンサートホールに連れて行ってくれましたが、学校からというのはなかったですね。
さて、今回の展覧会に関する私の感想ですが、ヴィジュアルとしての作品は勿論一級品であるものの、とにかく多種多様な作品を制作し、それらを何故こういった手法で作り上げたのかという作家の考えが理解できていません。展覧会の図録を買ってきたので、何人かの美術関係者が書かれた文章を読むつもりですが、果たしてそれで理解できるかは?です。鑑賞者に分かってもらおうと制作するアーティストもいれば、他人が分からなくとも、作家と作品の間だけで完結させる場合もありますから、これからは私の理解力の問題です。
豊田市美術館は1995年に開館しているので建築後既に28年が経過していますが、展示室は観易く、中庭から見る建造物はモダーンで非常に美しいです。この展覧会は1月29日まで開催されるそうです。