現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

Customers are able to talk in English at the shop.

2020年12月26日土曜日

2020年 営業終了

当店では、本日をもって2020年の営業を終了致しました。本年は始まりから、新型コロナ・ウィルスの感染が広がり、1年を通じて落ち着かない状況でしたが、当店に足を運んでいただいたみなさま、そして品を購入していただいたみなさまに、深く感謝申し上げます。どうも有難うございました。
ウィルスに対するワクチン開発が進んでいる中、日本国内でも変異種が見つかり、全ての人類にとっては未知の世界であり、明年の状況が好転するのかどうかも予想がつきませんが、注意しながら、毎日毎日を大切に生活するほか成す手はなさそうです。
みなさま、希望を持って新しい年を迎えましょう。明年は、良い年になりますように。



2020年12月23日水曜日

テラコッタ製人型



今日は、フェニキア時代のテラコッタ製人型の紹介です。フェニキア人のバアル神信仰では、赤ちゃんを生贄にしたと言われており、このようなテラコッタ製人型は、時々、漁師の網に掛かって海から引き上げられることもあるようです。私は、レバノンでこれらの人型を何度か見たことがあり、その都度、これにどのような意味合いがあるのか尋ねたのですが、フェニキア時代のものであるという他は正確な意味が分からないとの返答でした。あくまでも私の想像ですが、生贄の供養のため、もしくは形代として作られたのではないかと思っています。私の見た、ほとんどのものは25cm程の高さで、このように小さなものは少ないようです。これは、一昨年に現地で入手しましたが、2006年にも、同じようなサイズのものを手に入れたことがあります。高さ13cm

 

2020年12月16日水曜日

年末年始のお休み

当店では、2020年12月27日(日)より2021年1月6日(水)まで、冬季休業とさせていただきますので、よろしくお願い致します。



面取り小グラス

先月には、江戸ガラス杯を紹介しましたが、今日は、イギリスの面取り小グラスの紹介です。これも江戸ガラス杯同様、鉛ガラスなので、爪で弾くとキィーンという良い音がします。19cのもので、内側が面取りされており、薄手であるため、日本酒にはもってこいです。お正月にいかがでしょうか。口径4.7cm、高さ6.8cm



2020年12月9日水曜日

仏陀誕生レリーフ



ネパールで作られた、仏陀誕生の場面を表したブロンズ製レリーフです。娑羅双樹の下、マーヤー夫人の右脇下から生まれた仏陀が、右手を天に向かって上げ、左手は地を差し、天上天下唯我独尊と言っている場面ですね。周りにはお付きの女性が3名描かれています。200年程前の作でしょう。高さ11.6cm、幅7cm、奥行2cmで、自立します。

2020年12月2日水曜日

弥七田織部中皿



桃山〜江戸初期に、弥七田窯で焼かれた珍品の中皿です。人それぞれ好みが違いますが、私は、よく目にする緑釉と鉄釉べったりの織部焼は苦手なのです。ところが、織部焼の中でも、弥七田窯ではモダーン感覚のものが多く、今回紹介します皿も、緑釉を使わず、鉄釉だけで、オモダカと千鳥をデフォルメして描いています。口縁の内側に、ごく僅かなソゲがありますが、まあこの程度なら、無疵と呼べる状態です。直径19.8cmですから、使い勝手は良いでしょう。照明のリフレクションを防ぐため、斜め上から撮影しました。

 

2020年12月1日火曜日

セルゲイ・ロズニツァ  映画鑑賞 at 第七藝術劇場



昨日は、カンヌ映画祭で二冠、近作10作品全てが世界三大映画祭にノミネートされている、セルゲイ・ロズニツァ監督の映画を観てきました。ドキュメンタリー映画の鬼才とされている監督ですが、今回が日本初公開で、3作品がやってきたものの、映画館の上映構成で、昨日は2作品しか観ることができませんでした。娯楽映画ではないので、映画としての感動はないものの、鑑賞者に人間社会を熟慮させる監督の意向が感じ取れました。

「アウステルリッツ」
2016年の映画ですが、舞台は、第二次世界大戦中にホロコーストで多くのユダヤ人が虐殺された元強制収用所です。その場所に、ガイド付きで多くのツーリストが訪れ、ほとんどの訪問者が観光地を訪れるがごとく振舞っている様子がナレーションなしで映されています。映画の中では、ツアーガイドがスペイン語や英語(アメリカ英語)で説明しているので、それらを母国語としている人達が、たまたまドキュメンタリー映画の材料になったのでしょうが、戦後75年経過した今、世界中の人間がいかに能天気な生活を送っているのかを訴えているようです。

「国葬」
1953年3月5日にソビエトのスターリンが亡くなり、世界最大の国葬が執り行われた様子がドキュメンタリーとして映画化されたものです。その国葬を捉えた大量のアーカイブ・フィルムを繋ぎ合わせた作品ですが、迫力のある映像が迫ってきます。東欧諸国の弔問客、当時中国首相だった周恩来、後にソ連書記になったフルシチョフ等がその中に映っています。数千万人という国民を粛清したり餓死させたリーダーの死に涙を流す多くの国民、その場面を観て、映画鑑賞者は政治の恐ろしさを考えさせられます。戦争が終わるまでの日本もソビエト同様に、多くの国民が政治により苦しめられましたし、これから先も何が起こるかが分かりません。このスターリンの葬儀後、遺体はレーニン廟に安置されますが、後に彼の失策が非難され、1961年にはレーニン廟から排除されました。

ロズニツァの作品は、単に観せるドキュメンタリーではなく、人間という存在を考えさせるためのもののようです。
新型コロナ・ウィルスの脅威が益々大きくなり、どうぞご覧下さいとは言えないことは残念です。私自身も、本当は先週観たかったのですが、祝日は人が多いのではないかと思って昨日に変更したわけです。

2020年11月25日水曜日

ヴィンテージのブローチ



ネイティヴ・アメリカンの手によって、20世紀中頃に作られたブローチです。シルバーに、ターコイズやシェルで象嵌したもので、中央にはフクロウがぶら下がっていますが、彼等にとって、フクロウは家の守り神とされているようです。象嵌の剥がれもなく、状態良しです。高さ6.3cm

 

2020年11月18日水曜日

シリア彩文土器

今日は、先週に引き続き、花器として使用できる器を紹介致します。シリアは、メソポタミア文明が栄えた土地なので、遺跡も多く残っていますが、この土器がどの遺跡から発掘されたかは不明です。何れにしましても4000年以上前のもので、口縁に少しホツレがありますが、薄造りで磨研された器体に彩文が程良く残り、特に気になるダメージはございません。丸底ですが、落としに水を張れば安定するので、輪っかに乗せない方が、格好良いでしょう。胴径10.7cm、高さ7.8cm
シリアでは、東京大学や筑波大学等が発掘調査を行っていますが、現地の市場で先史土器を目にすることはありません。私は、10年前まで何度もシリアを訪れ、めぼしいアンティーク・ショップを何軒も覗きましたが、古道具類は多くあるものの、土器類にはお目にかからず、どうも、古い発掘もの等は、国の遺産として、個人での発掘や販売は禁じられているようです。従いまして、今回の土器は、随分前に日本へ持ち込まれたものだと想像します。


 

2020年11月11日水曜日

朽ちた漆桶



漆桶には枝物が似合うこともあり、私自身はそれが大好きなのですが、魅力あるものにはなかなか出会えません。今回紹介します漆桶は、朽ちてはいるものの、欠けた状態やパティナが美しく、即座に入手の判断をしました。秋から春まで、多くの枝物が出回りますので、生花を楽しんでいただければと思います。小振りなサイズも魅力の1つでしょう。胴径10.3cm、高さ16.8cm

 

2020年11月4日水曜日

江戸ガラス杯



当店では、これまで背の低い江戸ガラス盃を何点か扱いましたが、今回は、コップ型の江戸ガラス杯の紹介です。見た目には、単なるガラス杯と思われますが、爪で弾くと、鉛を含んだキィーンという金属音がします。そして、刻まれたグラヴィールが柔らかな葉っぱのようで、とても上品な佇まいです。3点入手できましたので、私もこれで冷酒を試そうかなと思っています。幕末〜明治初期のものですが、150年以上前に、日本でもこんなモダーンなグラスが作られていたのですね。口径5.6cm、高さ7cm

 

2020年10月28日水曜日

初期伊万里中皿



樹木の向こうに三重塔が覗く図柄の初期伊万里中皿です。上がり良し、発色良し、おまけに無疵ですから、言うことなしです。見込みに僅かなスレがあるので、食器として使用されたのでしょう。私は、皿は使うべきものだとの考えですので、贅沢ですが、お酒の当てでも乗せて、楽しんでいただければと思います。直径17.7cm

 

2020年10月27日火曜日

『安倍、菅、維新。8年間のウソを暴く』  西谷文和 著  日本機関紙出版センター 発行 

今月発行されて間のない本の紹介です。フリージャーナリストの西谷文和さんが、内田樹・佐高信・小出裕章・宇都宮健児・平松邦夫・矢野宏の6氏にインタビューした内容を本にまとめたもので、政治家・企業・メディア等の利権構造を分かり易く述べられているので、政治に関心のない方でも勉強になるでしょう。
特に、原子炉研究者であった小出裕章さんは、テレビでは語られなかった、原発関連の悪しき構造を詳しく話されていますし、人権派弁護士である宇都宮健児さんの生真面目なお話は心に響きます。2000年初頭には、サラ金問題改善の立役者として、サラ金業者であった『武富士』を相手に戦われ、勝訴されています。その時、『武富士』側の弁護団の1人が吉村洋文現大阪府知事だったそうですから、仮面を被っていても、その人間性が窺えます。
とにかく、面白い本なので、是非お読み下さい。

2020年10月21日水曜日

 極小如意輪観音像



信心深い人が旅のお供にも携行したのでしょうか、厨子に入った、とても小さな如意輪観音像です。ルーペで見ますと、小さくても彫りの繊細さは目を見張るものがあり、かなりの仏師によって彫られたようです。おまけに、ほとんどの如意輪観音像が六臂(6本の腕)であるところ、この像は、二臂なのです。一部に、塗られた金が残っており、江戸前期頃に造られたものでしょう。厨子の高さ8.1cm、像高6.2cm


2020年10月14日水曜日

李朝小型灯火器



今更こんなものは使えないなと思いつつ、取手に付いたハート形のプレートと全体のフォルムに魅せられ、入手しました。ボディは佐波理のようですが、長年の使用により、真っ黒になっています。オブジェとして飾れば、可愛いですよ。胴径7.3cm、高さ8.3cm

灯火器を乗せた八角形の板は、以前に入手したのですが、やはり李朝時代のもので、恐らく鍋等の敷板として使用されたのでしょう。焦げて模様がはっきりと見えませんが、蓮の葉か何かが刻まれています。下がその画像です。


2020年10月7日水曜日

唐代白磁万年壺



中国、唐代の小さな白磁万年壺です。発掘ものなのでしょう、内側は釉薬が残っているものの、胴の白釉がほとんど剥がれて、白粉を塗ったような表情をしています。ただ、釉ハゲ以外はホツもニュウもなく、無疵です。あまりにも白い肌をしているので、やはり淡い色の枯枝を生けました。水を入れると染みるので、生花を生けるには落としが必要です。胴径16.1cm、高さ13.2cm
 

2020年10月4日日曜日

 企画展 『仏と共に』 終了

今回の企画展は、本日終了致しました。新型コロナ・ウィルスの流行がまだ収まっていない中、ご来店いただいたみなさま、そして、品を購入していただいたみなさまに深く感謝申し上げます。どうも、有難うございました。
明後日からは通常営業に戻りますので、またよろしくお願い致します。



2020年10月2日金曜日

企画展 『仏と共に』

今回の企画展も、今日を含め残り3日間となりました。ご興味のある方は、どうぞご来店下さい。よろしく、お願い致します。

今日は、タイのブロンズ製レリーフを紹介致します。



これは曼荼羅図板仏です。よく見掛ける薄っぺらい板仏ではなく、かなりの厚みがあるのでずっしりと重いです。同業者が30年以上前に現地で入手した後、自身のコレクションとしていたそうで、それを譲ってもらいました。時代の特定は難しいのですが、かなり古そうです。高さ13.5cm

2020年9月29日火曜日

企画展 『仏と共に』

今日は、花器として使える経筒を紹介致します。




蓋のない鎌倉時代の経筒ですが、装飾のないミニマルな造形は、花器として使うには最適でしょう。底径11.9cm、高さ22.1cm

下の写真は、経筒と、収納されていた桐箱ですが、仕覆も箱もぴったりのサイズで作られているので、その所有者が入手する以前に、蓋を紛失していたようです。その所有者は茶人だったのでしょうか、花器として頻繁に使用されたと見え、仕覆の綿はボロボロで、箱にも傷みがあります。経筒自体は、古色もしっかりと付き、良い状態です。


2020年9月25日金曜日

企画展 『仏と共に』



カンボジアで、12~13c頃に作られたクメール石仏です。これはナーガ上の仏陀像とよばれていますが、ナーガとは蛇神で、7つある頭を傘にして、禅定に入る仏陀を激しい雨から守ったという言い伝えがあります。砂岩製で、多少の風化はありますが、大変良い状態です。台を含めた高さ36cm

2020年9月21日月曜日

企画展 『仏と共に』

いよいよ明日から、今回の企画展を開始します。立体物の他、仏画や経典断簡を額装したもの等、仏教に関するものを70点以上展示しますので、ご興味のある方は、どうぞご来店下さい。よろしくお願い致します。

なお、コロナ・ウィルス感染予防のため、ご来店の際は、マスク着用をお願い致します。手を消毒していただくように、アルコールを用意しております。

2020年9月22日(火) ~ 10月4日(日)  12:00 ~ 18:00
会期中は無休で営業

それでは、今日は、日本の小型木彫仏を紹介致します。


台座に椿のような花の模様が彫られた、鎌倉時代の珍しい小仏です。煤をたっぷり被り、状態良しです。高さ13.8cm


江戸時代の千体仏2体ですが、出来栄え、状態共に良く、針金で作られた光輪や錫杖もしっかりと残っています。高さ16cm(含台)


この地蔵菩薩は、両手・両足を欠損していますが、かなり古そうで、室町から江戸初期頃の作だと思います。高さ10cm(含台)

2020年9月16日水曜日

企画展 『仏と共に』

今日は、朝鮮、高麗時代の珍品を2点紹介致します。


三尊仏のモチーフで、サイズが大きな丸瓦です。寺院に使われた瓦でしょうから、残存数はかなり少ないでしょう。発掘ものなので、多少のダメージはありますが、仏の目鼻立ちも確認できます。直径21.4cm、厚さ4.6cm


塗られた色が少し残った、小さな石仏です。灰色の滑らかな肌をしてるので、材料は滑石ではないでしょうか。頭頂部が欠けたようで、共直しされています。高さ20.8cm

2020年9月11日金曜日

企画展 『仏と共に』

今日は、朽ちているものの、魅力ある仏像を3点紹介致します。


シンプルな厨子に入った、南北朝~室町時代の千手観音像です。腕の欠損があったりしますが、金が程良く残り、雰囲気良しです。光背は紙で作られているようで、厨子も古く、味があります。厨子の高さ18.5cm


かなり朽ちてはいますが、姿の良い流れ仏です。ここまで朽ちると時代が特定できませんが、最低、江戸初期はあると思います。高さ22.5cm(含台)


タイのアユタヤ時代、銅造座仏のトルソーです。首は飛んでいますが、発掘物のわりにディテールが鮮明に残り、存在感があります。高さ8.9cm(含台)

2020年9月5日土曜日

企画展 『仏と共に』

今日は、厨子を大小2点紹介致します。


平安〜鎌倉時代の大きめな厨子です。かなりの古さがあるので、多少の虫食いがあったり、取れたのであろう宝珠が接着されていますが、状態は決して悪くありません。屋根のゆるい傾斜が古さを表しており、このような高床式はかなり珍しいものです。仏像が入っていなくとも、これだけで存在感たっぷりです。屋根の幅26.5cm、高さ31.5cm


江戸期の小さな厨子ですが、ミニマルなデザインと、室内に塗られた金、これも滅多に見ない珍品です。高さ21.5cm

2020年9月1日火曜日

企画展 『仏と共に』

今日は、チベットの優品を2点紹介致します。


まずは、チベット、17~18cのヘーヴァジュラ父母仏立像です。緑青が見られますが、全体に鍍金が綺麗に残り、精密に造られたパーツも全て揃っています。台の上で父母像が踏んづけているのは、ヒンズーの神だといいますから、すごい発想ですね。30年程前に、日本に持ち帰られ、その後は僧侶の所有だったそうです。高さ22cm


時代物のタンカです。新しかったり、紛い物であるタンカはよく見掛けますが、これは全てオリジナルで残っており、300年以上の古さがあるでしょう。難点は、片方の軸頭が欠損していることですが、オリジナルを尊重し、直しは行いませんでした。時代もあり、これだけ仏画もしっかりと残っているので、贅沢は言えません。高さ84.5cm

2020年8月27日木曜日

企画展 『仏と共に』

この秋は、仏教をテーマに、企画展を下記の日程で開催致します。
珍品・優品を含め、70点以上を展示販売しますので、ご興味のある方は、ご来店いただけますよう、よろしくお願い致します。
企画展終了まで、このブログにて展示物を数点紹介しますので、どうぞご覧下さい。

なお、コロナ・ウィルス感染予防のため、ご来店の際は、マスク着用をお願い致します。手を消毒していただくように、アルコールを用意しております。

2020年9月22日(火) ~ 10月4日(日)   12:00 ~ 18:00
会期中は無休で営業



統一新羅〜高麗の金銅舎利塔です。発掘物なので屋根の上には土がこびり付いていますが、壁面には鍍金が良く残り、六面全てに仏像が取付けられています。下の画像は塔内部のもので、仏舎利を模した水晶が中央に収められています。高さ14.3cm



2020年8月24日月曜日

蓮弁の形

今日は、蓮弁を模した仏教の品を2点紹介致します。



蝶番で開閉できる携帯仏です。表は梵字にいくつかの蓮弁が刻まれており、裏面は、蓮弁そのものの模様です。朝鮮、高麗〜李朝初期のものだと思われます。縦7.1cm、横5.4cm

下は、上の携帯仏を開けた画像で、仏の面は、鍍金(メッキ)ではなく、金張りで仕上げられています。



こちらは、桃山時代の散華です。散華とは、寺院での法要の際、実際の花の代わりに、華籠に数枚入れて、撒き散らすもので、紹介の品は、紙に銀箔を張り、その上に花びらが描かれています。傷み易い素材なので、古い散華の残存数はかなり少ないようです。縦8.2cm、横6.7cm


2020年8月19日水曜日

灰陶加彩俑


 

中国、唐代もしくは時代のまだ上がる灰陶加彩俑です。これまでに多くの俑を見てきましたが、副葬品として造られたために、とにかく種類が多く、今回のものも初見でした。ひょっとして、この手はシリーズもので、違った姿の俑がまだまだあったのかもしれませんが、入手できたのは、この2体です。加彩の少し剥げている部分がありますが、直しもないようで良い状態です。 立像の高さ10.3cm、台20x10cm


2020年8月12日水曜日

お盆休み

お盆には、広島まで墓参りに行くのが恒例になっているのですが、今年はコロナ・ウィルス蔓延のため、取り止めにしました。ただ、私は家でゆっくりするのが退屈なので、15日だけ臨時の休みを取り、15日〜17日の3日間を休店とさせていただきます。



伊部焼梅型皿

今日は、江戸中期の献上手備前梅型皿を紹介致しますが、カリカリに焼けており、窯変もご覧の通り、美しいです。直径15.6cm



下の画像は裏面のもので、頻繁に使用されたために、たっぷりと古色が付いています。その上、無疵ですから、なかなか出会えない品でしょう。


2020年8月5日水曜日

棒付き龍頭



小振りの龍頭が棒の先に付けられています。何処でどのように使われたのか確証はないのですが、恐らく、供養の際の用具だったのではないかと思います。李朝時代の朝鮮に、龍頭の木偶が存在しますが、これは、日本の江戸後期頃のものでしょう。高さ40cm(含台)

下の写真は、法隆寺のものですが、建物の隅々に、龍の彫刻が設けられています。寺院だけではなく、神社でも龍の彫刻をよく目にしますが、悪霊を寄せ付けないという、守護の意味合いがあったのでしょう。



2020年8月4日火曜日

映画 『ちむぐりさ』  監督: 平良いずみ  at 第七藝術劇場


昨日は、上記タイトルの映画を観てきました。石川県珠洲市に住む「坂本菜の花」さんが、沖縄、那覇市にあるフリースクール、珊瑚舎スコーレで高校時代を過ごした時の、ドキュメンタリー映画です。

当店のお客さんから、2年程前に、珠洲に良い旅館があるとお聞きし、昨年の夏に、その旅館「さか本」に電話をかけ、10月にお邪魔したいと言ったところ、その頃は松茸の時期なので、10月だけはそれを使った料理を出すため、他の月よりも1万円高いとお伺いしたので、では翌年の4月頃に訪問しますと返事をしたものの、コロナ・ウィルス騒動で、まだ行けない状態なのです。世間は狭いようで、近所にある知人の店のアルバイト女性が、「さか本」の奥さんの親友で、その女性は常に連絡を取って、その旅館にも度々訪れていると・・・。そして、先月2度目に訪れた作家ものの陶磁器を扱っているギャラリーで主人と長話をしている中、私が4月に珠洲を訪れたかったのに行けなかったと話すと、珠洲のさか本さんへ行って下さいと勧められました。彼も最近訪れたそうで、彼が扱っているやきものの作家が度々訪れ、旅館ではその作家の陶磁器も使われているとか。「さか本」は自然志向の経営方針のようで、エアコンがないので、夏は暑く、冬は寒いそうです。ラグジュアリー志向の人には好まれないでしょうが、自然派の人達には人気があるようで、娘さんの名前「坂本菜の花」にも、ご両親の考え方が表れていると思います。

話が映画からそれましたが、先週の毎日新聞に、この映画評が掲載されて、主人公が珠洲出身の坂本さんとのことで、ひょっとしてと思って調べると、やはり「さか本」の娘さんでした。私自身が沖縄問題には心を痛めていることもあり、是非観たいと思って、映画館へ足を運んだ訳です。純粋な少女が見た沖縄問題を取り上げた映画で、本土に住む多くの人達に観て欲しいと思いますが、コロナ・ウィルスが蔓延する中なので、行って下さいとはなかなか言えません。その映画の後すぐに上映された「ドキュメンタリー 沖縄戦」も観てきました。昔も今も本土の犠牲になっている沖縄を救う必要がありますが、それは我々、日本国民全体の責任であるでしょう。老若男女全てが、もっと政治に付いて考え、良い方向へと実行すべきだと思います。

2020年7月26日日曜日

歪みある李朝の器

今日は、李朝後期の器を2点紹介致します。どちらも歪みがあるのですが、無疵完好です。


まずは、飲むには丁度良いサイズの白磁盃です。歪んだフォルムに、所々の釉抜け、民窯としての面白みがあります。口径6.4cm、高さ4.2cm


こちらは、かなりの厚みがある堅手小皿です。土の鉄分が表面に出、上の盃同様、面白み、そして温かみがあります。深さがあるので、酒盃としても使えるでしょう。少々乱暴に扱っても、欠けることがないような頑丈さを感じます。口径10.4x9.7cm、高さ3.5cm

2020年7月22日水曜日

ハッダストゥッコ・小仏頭



状態の良い、小振りのハッダストゥッコを入手しました。スレはありますが、鼻もしっかりと残り、直しもございません。また、部分的にオリジナルの赤色が残り、支えている軸が台と接着されていないので、顔の方向を好みに合わせて変えることができます。ご覧の通り、優しい顔をされているでしょ。高さ: 頭部本体7.1cm、台を含めて14.1cm

2020年7月15日水曜日

薄いグラス

今日は、薄手のグラスを2種類紹介致します。


珍しいグラスだなと思って入手しましたが、これらは東欧、ラトビアのものです。底も薄く作られ、刻まれた植物が爽やかそうで、ビールをほとんど飲まない私でも、グイッといきたいと思わせるような魅力があります。日本でいえば、大正頃のものでしょう。口径6.7cm、高さ9.8cm


こちらは日本のグラスですが、小振りで円筒形、それに模様なしという珍しいものです。上のグラスと同様に、底が薄く作られています。冷酒用に丁度良いサイズですね。明治〜大正頃のものでしょう。口径4.8cm、高さ6.8cm

2020年7月8日水曜日

インダスカーネリアン・ネックレス



インダス文明(BC2500~BC1500)の中で作られたカーネリアン・ビーズを、集めて繋げたネックレスです。それぞれの石に違った色や表情があり、特に、黒無地の服に似合いそうです。4000年前の日本列島では、人々は裸に近い姿で生活をしていたのでしょうが、文明地では、お洒落を楽しんでいたのでしょうか。

2020年7月1日水曜日

瀬戸椿手片口



私は、通常、片口であれば小さなサイズのものしか買わないのですが、大きくても、これは放っておけないと思い、入手しました。桃山〜江戸初期の作でしょうが、嬉しいことに、口縁にノミホツがあるだけで、その他の疵はなし。土見せ部分を大きく設け、意図的に歪めて造ったのでしょう、注口の下が窪んでおり、両手で酒を注ごうとすると、手にすっぽりと収まります。力強い造形と色のコンビネーションは、眺めているだけで惚れ惚れします。口径17x13.9cm、高さ10.3cm、容量600ml(注口の1cm程下まで注いで)