現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

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2022年3月31日木曜日

企画展 『花の器 10th』


今回の企画展も、今日を含め後4日間となりました。花器にご興味のある方は、どうぞご来店下さい。よろしくお願い致します。


今日は、中国、春秋戦国時代の印文陶壺を2点紹介致します。こういった中国の先史時代の発掘品は、40〜50年前は多くが見つかっていなかったために、かなりの高額で売買されていたようですが、土地開発によりどんどんと発見され、随分と安くなりました。印文陶は、中国の広範囲で生産されたようで、他の陶器と同じように色んな形があります。

これは、胴径24.2cm、高さ15.6cmと、やや大きめの印文陶中壺です。小さな印文陶は、これまでにいくつも扱いましたが、これ位のサイズになれば、花を生けると、やはり迫力があります。印文は、布目ではなく、模様のある木等で叩いて付けたのでしょうか。口縁に目立たないソゲが1ヵ所ありますが、その他に疵や直しはなく、直接水を張ることもできます。ただ、この壺に水を入れるとなると、かなり重くなるので、落としを使用した方が良いかもです。


こちらも初見の印文陶で、上記の壺と同様に、胴に叩き目が施され、肩の両側に耳が付いている珍品です。やはり、口縁に1ヶ所小さなソゲが見られますが、その他にダメージがなく、水も直接張れます。胴径18.6cm、高さ12.5cm

2022年3月27日日曜日

企画展 『花の器 10th』

今日は、お手頃価格の丹波塩壺を2点紹介致します。どちらも蓋を失くしていますが、水漏れもなく、無疵完好です。幕末〜明治頃のものでしょう。


これは白丹波です。白丹波はコレクターに人気があるようで、徳利等、とんでもない高額で取引されているのには吃驚ですが、このような塩壺は安価で、口が広いために花を生け易いです。所々に雨漏りが見られますが、使用するにつれて、まだまだ育つでしょう。胴径14.8cm、高さ13.3cm


こちらは灰釉壺です。濃い灰釉色の中に、おぼろ月夜のような薄い色が見え、景色を作っています。塩壺は大量に造られたためでしょうか、コストパフォーマンスに長けています。胴径15.6cm、高さ14.4cm

2022年3月24日木曜日

企画展 『花の器 10th』

今日は、西アジアと中央アジアの古い器を紹介致します。


これは、紀元前のペルシャ青銅片手碗です。口縁に一箇所直しがありますが、緑青の上に青い色彩が残り、白の文様がかなりはっきりと浮き出て、鮮やかな色彩を楽しめます。口径13.1cm(把手を除く)、高さ7cm


こちらは、アフガニスタンで発掘された、バクトリアのアラバスター壺です。バクトリアは、BC2~3c頃に現在のウズベキスタン・タジキスタン・アフガニスタン辺りにギリシャ人が建てた王国です。一箇所、欠けた部分を上手に直してあります。底径11.2cm、高さ11.4cm

2022年3月21日月曜日

企画展 『花の器 10th』

いよいよ、明日から今回の企画展の開始です。ご興味のある方は、どうぞご来店いただきますよう、よろしくお願い致します。

2022年3月22日(火) - 4月3日(日)  12:00 - 18:00  会期中は無休で営業

まだまだコロナ・ウィルス禍が収まりませんが、感染予防のため、ご来店の際は、マスクの着用をお願い致します。
消毒用アルコールは店内に用意しておりますので、ご使用下さい。


さて今日は、日本の小振りなものを4点紹介致します。


まずは、上野焼の小壺です。これを見た時、常滑辺りのものかと一瞬思ったのですが、水飴を入れて売る為に、18~19c頃に上野で造られた壺だそうです。緊張感のあるフォルムが素敵で、なるほど茶陶を焼いていた窯のものだと納得しました。
胴径10.4cm、高さ12.7cm


これは、桃山〜江戸初期頃に使われた丹波の匣鉢です。流石に、時代のない匣鉢と比べて古格を感じます。窯割れした部分が景色をより良くしており、水漏れしないところから、前所有者が上手く直されたのかもしれません。高さ9.7cm


小さな弥生土器です。胴にニュウがあり、内側から直してありますが、その他は欠けが全くありません。前所有者が大切にされていたようで、ピッタリサイズの銅製落としが作られていました。胴径10.6cm、高さ11.7cm
私は土器フェチですから、土器系・須恵器系はかなりの数を所有しております。土器には花が似合うんですよ。


大正時代頃のガラス角瓶です。初見のものですが、薬瓶だったのでしょうか。サイズが手頃で、口の広さもややあり、花を生けるのに適しています。高さ16.4cm
ガラス瓶は、この他、明治から昭和のものまで、数多くの在庫がございます。

2022年3月17日木曜日

企画展 『花の器 10th』

今日は、変わり種のものを3点紹介致します。何れもが洒落ていて、花器にすれば存在感ありありです。


まずは、厚手の樹皮を巻いて紐で組まれた桶です。漆関連の道具に混じって出たものですから、漆採取の際の道具、もしくは、塗師が作業で使用する道具類を入れた桶だったのではないかと思います。胴径21.5cm、高さ29.7cm


こちらは鉄板で造られた桶です。内側には、木が張られています。アメリカから出たものだそうで、私の想像では、家畜に餌を与えるための器だったのではないかと思います。胴径26.5cm、高さ14.3cm


これは、醤油の醸造所で使われていた手桶で、把手は、釘を使わずに楔で取り付けられているので、取り外しは自由です。どれだけ頻繁に使用されたのか、桶の注ぎ口が大きく擦り減り、桶が黒いのは醤油が染み込んだためのようです。把手は機械を使わずに作られているので、江戸時代のものかもしれません。正に、変わり種です。胴径19cm(把手を含まず)、高さ15.7cm

2022年3月13日日曜日

企画展 『花の器 10th』

今日は、中国漢代の緑釉銀化壺を2点紹介致します。どちらも無疵ですが、直接水を入れると染みるでしょうから、花を生けるには落としが必要です。


この壺は斑に銀化していて、どの方向から見ても退屈しない景色となっています。緑の壺に、緑の葉ものを生けてみました。
胴径16.5cm、高さ13cm


こちらは、緑釉壺の中では珍しく小振りのものです。写真に写っている側は十分に銀化していますが、反対側は斑になっており、好みによって正面を選べます。胴径13.3cm、高さ9.6cm

2022年3月9日水曜日

企画展 『花の器 10th』

今日は、掛花に使える品を4点紹介致します。


まずは、アイスクリームのコーン状に鉄板を巻いた品です。これがどのような使用目的で作られたのかは不明で、それ程古いものではないにしても、シャープでミニマルな姿はとても魅力的です。高さ23.2cm


これは、布で作られた塗師の道具入れです。刷毛等を収納したのでしょう、全体に漆が塗られ、明治時代頃のものだと思います。高さ20.3cm


こちらは、山葡萄で編まれた小さな籠です。山葡萄で作られたナタ入れは時々目にしますが、かなりの長さがあるのでこれまで買わなかったのですが、このような小振りのものは初見で、迷わず入手しました。古色の付き方から、明治〜大正頃はあるでしょう。高さ13.2cm


最後に紹介しますのは、水牛の角で作られた掛花入です。古い金具が付けられていたので、数寄者が花を生けるために作ったのではないでしょうか。かなり古そうで、江戸〜明治頃はあるでしょう。高さ19cm

2022年3月5日土曜日

企画展 『花の器 10th』

今日は、常滑の壺を2点紹介致します。どちらも室町頃のものでしょう。


まずは中壺ですが、中程までに掛けられた釉薬が、横に伸びたひっつき部分で止まり、魅力ある景色を形作っています。胴径22.8cm、高さ23.6cm


こちらは、やや小さめの壺ですが、流れた釉薬が素敵です。この形で、このサイズは珍しいでしょう。胴径15.1cm、高さ17.9cm