現物を見てお買物をしていただきたく思いますので、インターネットを通しての販売は致しませんことをご承知おき下さい。

Customers are able to talk in English at the shop.

2019年12月28日土曜日

2019年 営業終了

本日で、本年の営業を無事に終了致しました。ご来店いただいたみなさま、そして品を購入していただいたみなさまに、お礼申し上げます。どうも有難うございました。
それでは、どうぞ良い新年をお迎え下さい。



2019年12月25日水曜日

恵比須・大黒

年を越すと、すぐに十日戎がありますね。もう何年も行っていないので、来年は久々に行こうかと考えています。
ということで、今日は、恵比須像と大黒像を3点紹介致します。


なかなか味良しの恵比須像です。パティナが美しく、ひょうきんな顔に親しみを感じます。江戸期の作でしょう。高さ15.3cm


こちらは、トロトロの大黒像、やはり江戸期のもので、大量の煤を被り、私も前後を間違えるくらいです。高さ9.7cm


こちらも大黒像ですが、かなり小さめで、たまたま小さな厨子を入手したので、入れてみるとピッタリでした。大黒像の木が枯れて、とても軽くなっています。制作が江戸期でも、かなり時代が上がりそうです。大黒の高さ6cm
厨子は、ミニマルなデザインで、やはり味良しです。こちらは明治期のものでしょうか。高さ10.8cm

2019年12月18日水曜日

冬季休暇

当店は、2019年12月29日(日)より2020年1月6日(月)まで、冬季休業とさせていただきますので、よろしくお願い致します。



冷酒用杯

あっという間に、年末となりました。私が家で日本酒を飲む場合、お好みのものを常に冷やでいただきます。今日は正月前に、冷酒用杯の紹介です。


まずは錫製ですが、底に厚みがあるためにズッシリと重く、元から酒杯として作られたようです。胴に作者名が刻まれているのですが、私には読めません。大正〜昭和初期頃の作ではないでしょうか。口径5.5cm、高さ7cm


鼓型のグラスはよく見かけるのですが、このような樽型のものは初めて見ました。右の輪線が入ったものは1点だけですが、左のグラスは2点入手しました。どちらもウランが入っており、大正から昭和初期頃のものでしょう。高さは、左7.5cm、右7.7cm

2019年12月11日水曜日

中国琺瑯鉢(七宝焼)



生地が赤銅の琺瑯鉢です。かなりのホツレがあったのですが、格好良さに魅かれ、入手しました。鉢の部分は琺瑯ですが、高台は木製で、恐らく寺院で使われたものだと思います。制作は明代、もしくはまだ時代が上がるかもしれません。見込と胴の琺瑯部分を見ていると、色使いや文様から古九谷を連想するのですが、初期九谷のアイデアは、このような中国ものから発案されたのではないかと想像してしまいます。口径23cm、高さ5.9cm

下の写真は、斜め上から撮ったもので、見込の底には、花が描かれています。ただ、この絵は七宝焼ではなく、江戸時代頃に、日本で描かれたのではないかと思われます。



2019年12月7日土曜日

「松尾貴史のちょっと違和感」

私は、土曜日の毎日新聞夕刊を読むのが楽しみなのですが、それは、「土曜サロン」というページに掲載されている、松尾貴史さんの辛口コラムが面白いのです。ご自身の周辺から政治問題まで幅広い事柄をテーマにされているのですが、毎回的を射た発言に、「そうですなあ」とついあいづちを・・・。毎日新聞を購読されていなくとも、インターネットで読めるようですから、ご興味ありましたら、どうぞご覧になって下さい。
ちなみに今日のテーマは「桜を見る会」でしたが、国会で安倍首相から度々出てくるフレーズ、「民主党の時代は悪夢でした」に対して、松尾さんは、「安倍政権こそ『悪夢』そのもの」というご意見。なるほど。
政官財に限らず、現政権に忖度するメディアや芸能人が多い中、自由な発言をする松尾貴史さんや、その辛口コラムを載せる毎日新聞には、ホッとさせられます。まあ、それがあるべき姿のはずですが。

先日の、中村晢さんがアフガニスタンで殺害された事件は、正義に対する暴挙そのものでしたが、それに関して、安倍首相にインタビューするメディアの目的は何だったのでしょう。正反対の人間に。

2019年12月4日水曜日

鉄塊にドライフラワー

今日は、鉄の塊を2点紹介致します。どちらも穴が開いていたので、ドライフラワーを飾ろうと思い、入手しました。


それ程大きくはないのですが、ソリッドの鉄なので重く、10kg程ありそうです。穴が狭くて、水を入れても容量が少ないため、生花を生けるのは難しいでしょう。幅18cm、奥行9cm、高さ13cm


こちらもソリッドですが、それ程大きくないので重くはないです。上から下まで穴が貫通しているため、ドライフラワーしか入れることができませんが、胴にアールが付き、ずんぐりとした形状は可愛さがあります。高さ9.4cm

2019年11月27日水曜日

李朝粉青沙器鉢



少々歪みのある、李朝初期の粉青沙器鉢です。カセてはいますが発掘伝世のもので、口縁に少し釉抜けがあるだけで、他にダメージのない無疵と呼べるものです。相当使われたようで、水気のあるものを入れても土臭は全くありません。写真写りが悪いのですが、実物は、なかなか味わい深い佇まいで、色んな用い方ができますから、普段使いに如何でしょうか。長径18.5cm、短径16.8cm、高さ8.5cm


2019年11月20日水曜日

ペンダント・トップ

今日は、タイのペンダント・トップを2点紹介致します。


中央の像が何なのか鮮明ではないのですが、これは仏陀です。塼仏ではなく、乾漆製で、護符として身に付けられるように、ペンダント仕様になっています。時代は特定し難いのですが、かなり古そうです。


こちらは、山岳民族のもので、シルバーのケースに熊の爪がはめ込まれています。護符のような意味合いがあるのかは不明ですが、ミニマル・デザインですから、我々都会人が身に付けても、洒落ているんじゃないでしょうか。

2019年11月18日月曜日

映画 『i - 新聞記者ドキュメント -』  at 第七藝術劇場

今日は、森達也さんが監督で、東京新聞の望月衣塑子記者を追った、上記タイトルの映画を観てきました。これまでの問題点を、ドキュメンタリーとしてどのように撮られるのか、不思議に思って映画館へ出向いたのですが、面白くもあり、上手くまとまった出来具合でしたので、どうぞご覧になって下さい。

実は私、20代と30代の時に、大手新聞社と大手テレビ局にインタビューされたことがあり、どちらも、発言した内容と全く違う事を書かれたり、放映された経験があります。その両メディアは私が普段嫌っている会社ではなく、そんな経験からジャーナリストを信用しなくなりました。嘘を公表されても、証拠がなければ、クレームを出したり、訴訟を起こす事は不可能です。海外移住をした数年後に、宮崎学さんが書かれた『突破者』を読み、その中で、宮崎さんの雑誌記者時代に、相手と会話したという事実さえあれば、好き勝手に記事を書けたという内容を知りました。それ以来、交渉ごとはマイクロレコーダーで録音するようになり、海外で揉め事があった際は、その録音により、こちらの思うように事が進んだ経験があります。私が海外生活を終え、帰国後最初に写真展をさせていただいたのが、地方自治体の施設だったので、そちらの広報がしっかりしていて、数社の新聞記者のインタビューを受けたのですが、過去の経験から、会話内容を録音させていただくと話したところ、他の新聞社が大きく取り上げてくれたのに比べ、過去に嘘を書いた新聞社の記事はかなり小さなものになった事もありました。どのような業種でも、実直な人が存在しますが、ほとんどが世相に流されたり、現在頻繁に使われる言葉、『忖度』する人間が多いようです。

昨日、インターネットでニュースを調べていると、ジャーナリストの寺澤有さんが宮崎学さんにインタビューされた内容が載っていて、最近の日本の状況に関して、宮崎さんは、「絶望的な話をしなければいけないんだけど、『この国の国民がバカなんだ』と思います。」と発言されていました。どうなんですかね。

2019年11月13日水曜日

須恵器小壺



これといった特徴のない須恵器小壺ですが、仏具のような凛とした緊張感があります。このシンプルな形の須恵器は、ありそうでないのです。無疵完好ですから、勿論水漏れはございません。古墳時代、胴径10.9cm、高さ6.3cm

2019年11月6日水曜日

伊万里白磁中皿



江戸前期の伊万里白磁中皿です。藍九谷の時代の白磁とお考え下さい。食器として使用されたので、表面にうっすらとスレがありますが、無疵と呼べるものです。この時代の、プレーンな白磁中皿は珍しいでしょう。直径20.2cm、高さ3.1cm

2019年10月30日水曜日

懸仏



宝冠を被り、恐らく、左手に宝珠、右手には上向きに宝剣を携えていた虚空蔵菩薩でしょう。鍍金は残っていませんが、きりりと引き締まった体躯と、シャープなキャストが魅力の懸仏です。良い顔をされています。像高8.8cm、鎌倉後期頃の作でしょう。

2019年10月29日火曜日

Bauhaus展  at 西宮市大谷記念美術館  12月1日(日)まで

バウハウスが開校して100年目に当たるこの年、西宮市大谷記念美術館では、「きたれ、バウハウス」というタイトルで展覧会が開かれており、私は昨日見てきました。既に行かれた方からは、すごく混んでいたと聞いていたのですが、昨日は月曜日なのでガラガラでした。当店は、日曜・月曜が定休日なので、私としては空いていそうな月曜日に美術館や博物館を訪れたいのですが、ほとんどの施設は月曜定休、ところが大谷美術館は水曜定休なので有難かったです。
私は元々、現代美術に興味があり、30~40年前には、バウハウスで教鞭をとったパウル・クレー、ワシリー・カンディンスキー、モホリー・ナジー等の作品や美術書を頻繁に見ていたのですが、この展覧会では、バウハウスという学校でどのように視覚芸術を教えていたかを詳しく見せてくれる興味深いものでした。展示や説明が分かり易く、入場券も下の写真のようにセンス良いもので、気分良く過ごせました。100年前に、これほど素晴らしい美術学校がありながら、ナチスの台頭で廃校を強いられたことは嘆かわしいことですが、我が国でも、政権が教育のイニシアチブを取ろうとしているわけですから、教育の政治介入には気を付ける必要があるでしょう。
展覧会で一つ驚いたのは、展示物の多くがミサワホームのコレクションだったことですが、その企業イメージとバウハウスにギャップがあると感じたのは、私だけなのでしょうか。



2019年10月24日木曜日

アラブの写真展  at horyuji不二画廊  2019年10月29日(火)~11月10日(日) 月曜日休廊
                      11:00~17:00 (最終日は16:00まで) 

私ごとになりますが、この度、ギャラリーよりお話をいただき、写真展をすることになりました。私は一つのことに集中したい性格なので、現在の仕事がある以上、できませんとお断りしたのですが、どうしてもということで、お引受けした次第です。
私は、アメリカでテロの起こった2001年9.11直後より10年間、アラブでドキュメンタリーの写真を撮っていました。今回の写真展も、アラブの写真でと依頼されましたが、現代美術を扱うギャラリーなので、ヴィジュアル中心の写真で構成します。アラブや写真に興味のある方は、どうぞご覧になって下さい。法隆寺は遠いと思っていらっしゃる方が多いようですが、JR大和路快速に乗ると、大阪駅から僅か39分で法隆寺駅に着きます。私の在廊予定日は、11月3日、10日の日曜日です。
なお、この時期には、法隆寺の秘宝展が開かれますので、普段は公開していない多くの宝物を500円で観ることができます。



2019年10月23日水曜日

李朝堅手徳利



箱には、李朝堅手お預け徳利となっていますが、御本が出てこの形ですから、これは、17~18c頃に、対馬藩が釜山窯で焼かせた徳利でしょう。茶人によって頻繁に使われたようで、雨漏りシミが出て、味わい深い表情をしています。疵は、注ぎ口の両側に僅かな釉剥げがあるだけで、それも、使用頻度が高かったために、酒を注ぐ際、盃に何度も当たってできたものと思われます。土ものですから、使用することにより、まだまだ育っていくでしょう。花器を多く扱っている私としましては、一輪挿しにしたいなと思い、入手した次第です。高さ16.6cm、容量500ml

2019年10月20日日曜日

環境破壊による気候変動

先日は、台風19号が東日本を中心に猛威を振るい、広い範囲で大きな被害を及ぼしました。CO2排出による地球温暖化が叫ばれてから数十年になります。私は、1988年にセイシェル移住を決め、その5年後の1993年にはそれを実現しました。その時点では既に、温暖化で北極・南極の氷が溶け、海水面がどんどん上昇している事実が確認されていたため、セイシェルでの住居は、平地ではなく標高140m程の丘陵地に設けることを決めました。結局、その地に10年半住んだ後、事情もあって日本に戻りましたが、その間に、イギリス人の友人夫婦がビーチサイドに気に入った家を見つけ購入したものの、住み始めて2年後には住宅内に海水が押し寄せるようになり、居住不能になったのです。昨年、私は9年ぶりにセイシェルを訪れ、かつては度々訪れたビーチを確認すると、砂浜の面積が減り、明らかに水面上昇している証拠を目撃しました。それが私の現実です。

先月、ニユーヨークの国連本部で開催された、気候アクションサミット2019で、スウェーデン人のグレタ・トゥンベリさんが、世界各国の環境対策に対する演説を行いましたが、特に日本では、彼女の発言に対する多くの批判が見られました。私自身は、彼女の発言内容は事実であるし、環境破壊を食い止める方法が難しくとも、その対策を取らない限り、自然災害は今以上に大きくなり、遠くない将来、我々人類の滅亡を招くと思っています。
昨日、国際関係論者である夫馬賢治さんが、「現代ビジネス」に、「グレタさん演説のウラで、日本メディアが報じない『ヤバすぎる現実』」という文章を掲載されていますので、是非ご覧になって下さい。自然の猛威に対して、いまだに「国土強靭化」だけを唱える我が国の政治家が正しいのかどうか、それ以前に実行すべき事柄があるのではないか、我々や子孫がこれからも地球上に生かされていくために、一人一人が考えなければならない重大な問題でしょう。人間は、自然の力には勝てないのです。

「現代ビジネス、グレタさん」で検索すれば、文章を読むことができます。どうぞ。

2019年10月16日水曜日

祠に稲荷



土人形のお稲荷さんをどんなお社に入れようかと考え、結局、瓦質の祠を入手。真ん丸の窓から顔を覗かせ、何か、ほんわかとした雰囲気に収まりました。この祠は岡山から出たもので、岡山にはヘビを祀る信仰があり、そのための入れ物だったそうです。明治〜大正時代頃のものでしょうか。

祠の中が暗くて見え辛いので、下に稲荷の画像を載せます。この稲荷は、江戸〜明治時代の今戸焼ですが、東北から出たため、大量の煤を被って味良しです。これを入手するまで知らなかったのですが、今戸焼では、この稲荷を鉄砲狐と呼ぶそうですね。



2019年10月13日日曜日

映画のお知らせ

小杉武久さんの回顧イベントを、8月2日のブログでお知らせしましたが、その上映会では、1960年代に撮影された映像の公開がありました。その映像の監督であった、北村皆雄さんの作品が、大阪、十三にある第七藝術劇場で、10月19日(土)から10月25日(金)まで、長編・短編合わせて5作上映されます。私は、北村監督について全く知らなかったのですが、民族系の映像を長年撮られているそうで、今回は、全てが45年程前に作られた、沖縄地方のドキュメンタリーだそうです。もうすでに途絶えたかもしれない祭祀の場面等が撮影されているようなので、私は是非観たいと思っていますが、ご興味のある方も、ご覧になられたらいかがでしょうか。19日の上映後には監督のレクチャーが行われるそうで、プログラムは、劇場のサイトをご覧になって下さい。

なお、9月に行われた小杉さんのイベントは、コンサート・上映会のチケットが早くから予約で一杯になり、展覧会でも多くの作品が売れて、大成功だったようです。私は、行けなくて残念でしたが。
昨日が、小杉さんの命日でした。ご冥福を!

2019年10月8日火曜日

 瀬戸もの

今日は、瀬戸のやきものを2点紹介致します。どちらも、江戸後期のものです。




鉄釉片口ですが、口径(口を含まず)10.3cm、高さ4.6cmと、珍しく小さなものです。頻繁に酒を注がれたのでしょう、見込はテカテカに光り、逆に高台は、しっかりと古色が付いています。ダメージは、縁の内側にソゲがあるだけで、ニュウもなく、一見無疵に見えます。これが年末まで残っていれば、すでに用意してあるお気に入りの日本酒をチビリチビリとやりながら、正月をゆっくり過ごそうかと思っています。容量150ml





こちらは、直径36cmと大きな石皿ですが、珍しいのは、目跡の部分に呉須が付着しているところです。恐らく、重ね焼きした際、上に乗せたやきものの呉須が垂れたのでしょう。裏は、ご覧の通り、古色たっぷりです。状態は、縁下にソゲがあるのと、僅かなニュウがあるのみで、上からは、縁下のソゲが見えません。お手頃価格です。

2019年10月6日日曜日

企画展 『発掘せしもの』

本日で、今回の企画展も無事に終了致しました。ご来店いただいたみなさま、そして、品を購入していただいたみなさまに感謝申し上げます。どうも有難うございました。

明後日からは通常営業に戻りますので、またよろしくお願い致します。



2019年10月3日木曜日

企画展 『発掘せしもの』

今回の企画展も、今日を含め残り4日間となりました。陶磁器等も多くございますので、ご興味のある方は、ご来店いただけますよう、よろしくお願い致します。


付き合いのある業者がコレクターから、縄文時代の土偶ということで引き取ったものです。私は、縄文の壺は多く扱っていますが、日本の土偶はこれまでに扱ったことがなく、左端の顔面土偶は、中南米のものと似ているなと思ったりするのですが、詳細は不明です。ただ、先史時代のものであることは理解できますし、ヴィジュアルとしては素敵な表情をしています。顔面土偶2点と装飾土器2点が箱に入り、その箱の長さは31cmです。



3〜5c頃のハッダ・ストゥッコです。胸から頭頂部までが残っており、摩耗はありますが、表情としては全体がつかめます。合わせた両手には何を持っていたのでしょう。台を含めた高さ22.5cm

2019年9月28日土曜日

企画展 『発掘せしもの』

今日は、発掘された国の違う、水注を2点紹介致します。


大変珍しい、朝鮮高麗時代の水注です。上下に釉薬が掛分けられており、肩には3ヶ所に虎のような獣頭が付いています。発掘ものなので、少しカセていますが、無疵です。注いだ際の水の切れが良く、片口として酒器に使用できるでしょう。胴径13cm(注口を含まず)、高さ11.5cm


イラン、ギーラーン州アムラッシュで発掘された、紀元前10世紀頃のペルシャ注口土器です。口の先端に少し欠けた部分があります。長さ23cm、高さ13.5cm

2019年9月23日月曜日

企画展 『発掘せしもの』

いよいよ明日から、今回の企画展を開始しますので、みなさまのご来店をお待ちしております。よろしくお願い致します。

今日は、小さなオブジェ2点の紹介です。


レバノン発掘の、フェニキア時代、3000~4000年前の人物像ですが、小さくてもずっしりと重く、錫製のようです。世界で初めて錫鉱山を開発したのはフェニキア人だったそうで、人類史において、錫は最も早く生産の始まった金属の一つだったようです。腕が欠けたりしていますが、顔はしっかりと残り、ひょうきんな表情がとても可愛く、悠久の歴史に思いを馳せてしまいます。テラコッタ製のオブジェはかなり発掘されていますが、錫製は大変珍しいそうです。本体の高さ8cm


こちらは、中国、南宋〜元代頃の磁州窯馬型人形です。犬のように見えたのですが、鞍を背負っているので、馬ですね。副葬品でしょうが、ダメージはありません。こちらもなかなか可愛いです。本体のサイズ: 長さ7.5cm、高さ6.1cm

2019年9月18日水曜日

企画展 『発掘せしもの』

下の写真はごく一部ですが、お求めいただき易い陶磁器やオブジェも多数用意しております。



2019年9月13日金曜日

企画展 『発掘せしもの』

当店では、花器になるものを常に多く用意しておりますが、今日は、その中から、お手頃価格の中国ものを2点紹介致します。


元代頃の、白釉双耳壺です。土中にあったのでしょう、白釉がほとんど取れて、ごく一部にその名残があります。ただ、欠けやニュウはなく、カセた状態は侘び寂び感たっぷりです。胴径11.5cm、高さ8cm


これは謎の壺で、被せる蓋が付いており、その蓋と壺の底に穴が開いていて、何の目的で作られたのかが不明でした。中国の黒陶は新石器時代の竜山文化で作られたものが主流ですが、この壺はかなり古いものでありながら、そこまでの時代があるのかがわからなかったのですが、ある同業者に写真を見せると、彼は随分前に、唐代の沈没船から引き揚げられた黒い壺を買ったそうで、それにはやはり穴開きの蓋が付いていて、火薬を入れた壺であったことを説明されたと話してくれました。まあ、詳細不明でも、この写真のように、蓋を被せたまま細い枝や茎を生けても面白いですし、蓋なしの状態で、普通に花器として使用することもできます。口径11.3cm、高さ18cm(蓋を含む)

2019年9月8日日曜日

企画展 『発掘せしもの』

今日は、酒盃として使える日中韓の器を1点ずつ紹介致します。どれも状態が良く、無疵と呼べるものです。
これら以外にも、盃となるものがいくつかございます。


常滑山盃です。三方がひしゃげていて、輪花のようになっています。自然釉がたっぷりと掛かり、スレ以外は疵がないので、直しもありません。下が裏側の写真ですが、高台があり、発掘場所である『本宮山』が墨書きされています。最大径9.3cm、高さ2.8cm



次は、中国、戦国〜漢代の双耳盃です。薄造りで、S字の耳が付き、口縁は少し歪んでいます。口径6.4cm、高さ4.5cm


こちらは、朝鮮、統一新羅の小壺ですが、サイズがかなり小さいので、酒盃として使用できます。写真でご覧の通り、口縁に制作時の疵が1ヶ所あります。口径6.9cm、高さ4.8cm

2019年9月3日火曜日

企画展 『発掘せしもの』

今日は、中国の加彩俑を2点紹介致します。


まずは、漢代灰陶加彩馬俑です。このタイプの馬俑は、作られた当時の脚が木製だったため、胴から上だけが残っています。加彩は失っていますが、パティナが美しく、私がこれまでに多く見た漢代馬俑の中で、最も美しいフォルムです。頸に直しがありますが、魅力ある姿がそれをカバーしていると言っても過言ではないでしょう。長さ32cm、高さ23cm(台を含まず)


こちらは、六朝〜隋代の文官俑です。これも加彩がほとんど残っていませんが、前面の薄い朱のラインと土の残り具合が見所になっており、私はそこに惹かれました。直しはないようです。台を含んだ高さ28.3cm

2019年8月28日水曜日

企画展 『発掘せしもの』

今秋の企画展を下記の日程で開催致します。今回は、発掘ものがテーマで、古墳等に埋められたものや、捨てられ地中に長く眠っていたもの等、100点以上を展示販売しますので、ご興味のある方は、どうぞご来店下さい。よろしくお願い致します。
なお、観賞用のオブジェや花器として使えるもの、そして酒器になるもの等、数点をこのブログで紹介しますので、どうぞご覧下さい。

2019年9月24日(火) ~ 10月6日(日)   12:00 ~ 18:00
会期中は無休で営業


新羅金銅太環耳飾一対

新羅、6c頃の金銅耳飾です。発掘ものながら状態が良く、鍍金が十分に残り、全てのパーツが欠落することなく揃っています。ぶら下がった多くの雫型パーツは、蓮弁を表したのでしょうか。凹んだ面が外向きに取付けられていて、作られた当時は、それらに光が当たって煌めいていたのでしょう。長さ9cm

2019年8月20日火曜日

高麗青磁茶碗

当店は、夏季休暇を終え、今日から営業再開です。また、よろしくお願い致します。

休み前に危惧していた通り、台風が西日本を通過し、多くの被害を及ぼしたようです。私は、例年通り、墓参のために広島を訪れたのですが、帰阪予定の15日は高速バスが運休となり、否応なく、その日はホテルでの缶詰状態を強いられました。自然災害とはいえ、我々現代人の便利さや利潤を追い求める欲望により、地球全体の環境破壊を招いているのは明らかなことで、それぞれの自覚自重なしでは、これまで以上の災害を生むのではないかと、恐れを抱きます。
また、先日の日曜日は、早朝に起床したのですが、インターネット・テレビ・固定電話が使用不能。それは、私の居住する集合住宅の共用部分に停電が起きたためで、電源が復旧したのは昼前でしたが、それでもインターネットは使えず。停電のためか、外部の機器が故障したとのことで、ようやく直ったのは夕方、朝から店で作業する予定だったのが、丸一日時間を無駄にしました。ビルの電気回線が、共用部分と所有部分の二回路に分かれていたので、各戸の電気製品は使えましたが、もし一日中エアコンが使用できなければ、熱中症で死者が出た可能性もあったわけです。現代文明の発展は、我々にとって便利な反面、インターネットが普及したおかげで、漢字や電話番号を覚えられなくなりました。これから自動車の自動運転が可能になれば、我々の運動能力や思考能力はこれまで以上に劣化するでしょうし、人間の存在価値さえも考えさせられます。休暇中の暗いニュースを書きましたが、全ての人間が安心して生活できるよう、考えるべき問題が山積みのようです。

さて、今日の品紹介は、少し歪んだ高麗青磁茶碗です。土の鉄分が表面に浮き出ており、胴に掛かった釉薬は垂れ気味で、とても味わい深い表情をしています。無疵完好、桐箱も用意しました。口径15.6cm、高さ8.1cm



2019年8月10日土曜日

2019 夏季休暇

先日にもお知らせしましたが、当店は、明日8月11日(日)より8月19日(月)まで、夏季休暇を取らせていただきます。
台風の行方が心配ですが、みなさまも、事故等に会われませんよう、どうぞ有意義なお盆をお過ごし下さい。



2019年8月7日水曜日

李朝高坏に花を



李朝後期白磁高坏に花を生けました。李朝の高坏の中でも、今回のものは鉢の部分に深みがあり、花を生けるには良いのではと思い、入手した次第です。春先なら、球根類を生けるのも良いですね。高台に1ヶ所、欠けた部分の直しがあります。
口径10.9cm、高さ8cm

2019年8月2日金曜日

小杉武久の2019

昨年に亡くなられた小杉さんのイベントが、3会場共同企画として、来月、首都圏で行われます。開催まで、後1ヶ月に迫りましたので、ここでもお知らせ致します。現代音楽やFLUXUS等にご興味のある方は、どうぞご覧になって下さい。
小杉さん自身もお忘れになっていた1960年代の映像が最近見つかり、UPLINKで上映されます。私は、1つのプログラムをDVDで観ましたが、なかなか出来の良いものでした。
詳細は長くなりますので、それぞれの会場のHPでご確認下さい。


会場 1 HALL EGG FARM  コンサート+展覧会+映像上映
      埼玉県深谷市櫛挽140-1 TEL: 048-585-6685  http://hall-eggfarm.com/
      コンサート: 2019年9月1日(日)  15:00会場  15:30開演  出演者: EYE、和泉希洋志、高橋悠治
      展示期間: 2019年9月1日(日)~9月7日(土) 11:00~17:00
      映像上映: 2019年9月2日(月)~9月7日(土) 15:00

会場 2 360° [JINGUMAE]  展覧会
      渋谷区神宮前3-1-24  TEL: 03-5410-2350  http://360.co.jp/
      展示期間: 2019年9月1日(日)~9月14日(土)  12:00~18:00 会期中無休

会場 3 UPLINK 渋谷  上映会+トーク
      東京都渋谷区宇田川町37-18  TEL: 03-6825-5503  http://shibuya.uplink.co.jp/
      上映日時: 2019年9月7日(土)  18:00~  20:00~  2プログラム 

2019年7月31日水曜日

夏季休暇

当店は、8月11日(日)より8月19日(月)まで、盆休みとさせていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。



ペタンク・ボール

今日の商品紹介は、ペタンク・ボールです。日本では馴染みのないゲームだと思っていたのですが、どうもマニアがいらっしゃるようで、大学でのクラブも存在するそうです。



西洋ものをほとんど扱わない当店ですが、この存在感に魅かれて買ってしまいました。木の球を芯にして、その表面全体に鉄釘を打ちボールにしたものですが、作られた当時は、仏像の毬栗頭のようなボコボコした状態だったようです。その釘の頭がこのように平坦になるとは、どれだけの頻度で使用されたのでしょうか。この状態から見て、18~19c頃に作られたものだと思われます。まるで、乾燥した蛇革のような表情です。直径8cm

2019年7月24日水曜日

伊万里白磁胴紐蓋付碗


江戸中期、1700年代後半に作られた伊万里白磁胴紐蓋付碗のペアーです。向付として作られたもので、無疵完好。多くある磁器の中でも、私は特に白磁を好みますが、プレーンな器は、盛り付けた料理が映えます。口径11.7cm、高さ5.2cm


こちらは、蓋を取った姿です。この形は、寺院の食器として作られた根来椀が始まりで、後に、このような磁器で作られるようになりました。

下の写真が、この姿の原型であった、根来椀のものです。下地がしっかりしているため、古くても状態が良く、見込には、細かい断文が見られます。僧侶の飯椀として使われたのでしょう。高台内には、『一』という印が書かれています。桃山〜江戸初期
胴径12.3cm、高さ5.2cm